過酷な気候を持つその地域は、特殊なエネルギー源によって産業革命を成し遂げ、高い生活水準を手に入れたという。 さて、産業革命によってこの地域の言語や文化はどのように変質したのでしょうか? ・過酷な地域の様相について。 これらを説明してください。お題
苛烈な気候によって、歴史的に独特の言語や文化が形成されてきた……とある地域。
(ケッペンの気候区分のA区分,B区分,E区分など)
・気候によって形成された独特の言語や文化。
・特殊なエネルギー源の詳細。
・産業革命による言語や文化への影響。
「おお、伊藤、ちょうど探してたんだ。」
「ああ、所長ですか。お疲れ様です。」
「ちょっと話があって……お前、元気ないな。」
「ああ、昨日うちの息子が雷を食べたんです。」
「うわ!それは心配だね。病院に行った?」
「はい、すぐ入院になりまして。まあケガとしてはそこまで重くないらしくて、1ヶ月で退院の見込みです。」
「それはよかったね!」
「よかったです。これで雷で遊ぶようになったらもう立ち直れないですよ……。」
「そりゃそうだ。でも雷を食べるのは運が強いとも言うだろ?助かってるから言えることだけど。」
「それで言えば私も4回食べてますよ。」
「4回!それは多いね。よく遊ばなかったね。」
「ホントですよ、小学校の同級生は1回で遊んだ奴もいますからね。」
「雷食べちゃったらねぇ……怖いよねぇ……。」
「なんで人類はこんなところに住んでるんですかね。安全なところに行けばいいのに。」
「ハハハ、そりゃそうだ。でもな、今は蓄電ができるからな。科学のちからってすげー!!ってなるだろ?」
「それは現代の話じゃないですか。原始時代に蓄電器は無いんです。」
「ハハハ、そりゃそうだ。しかし不思議だね、人類というものは。こんな雷だらけの危険なところに住んで、しかもこの気候を逆手に取ってエネルギーを確保してしまった。それまでにどれほどの雷を食べて、遊びに行ってしまったんだろうね。」
「想像したくないです。」
「そうねぇ、我々も先人の苦難の上に生きさせて頂いてる立場だからな。」
「あー、思ったんですけど、雷を授かるっていう言い方あるじゃないですか。アレって蓄電技術ができてからの言い方なんですかね?」
「そうそう、蓄電器ができてから小説とかでも出てくるようになって、それまでには無かったらしい。まさに蓄電器が時代を変えた。」
「所長、物知りなんですね。」
「歴史が好きなもんでな……ああそうそう、大事な話があって探してたんだ。」
「はい……?」
「藤井社長からお前に辞令が出た。」
「っぇへ!?!?」
「『っぇへ』ってお前情けない声出して、ハハハ!」
「いやだって……え?……っと……中身は……?」
「社長は伊藤を谷川17蓄電所の機材主任に任命した。」
「!!!!!」
「よかったな!さすが、雷4回さん。」
「え……あ……ありがとうございます……ありがとうございます……。」
「社長が期待してくださってるんだ。それこそ、雷を授かる気持ちで頑張れよ。」
「はい!必ず!」
終
簡単に解説
【雷を食べる】
雷に打たれること。
雷に打たれて雷が体内に流れる様を食事に例えた表現。
【雷で遊ぶ】
雷に打たれて命を落とすこと。
雷によって亡くなった人は、雷を食べる(雷に打たれる)楽しみに目覚め、それを共有すべく天に昇って、雷を無邪気に落とすようになるとされる。
【雷を授かる】
(特に大規模な)機械が稼働すること。人や社会の役に立つ業務を任されること。
蓄電器の発明によって雷を電気に変えて生活に利用できるようになり、人々にとって死の危険がある雷によって逆に生活水準が向上し、工場設備を動かす為の電力供給行為を「雷を授ける」と言うようになり、設備が稼働することを「雷を授かる」と言うようになった。転じて、生活水準の維持・向上に与する人間に対しても「雷を授かった人」などと言うようになった。
完走した感想
イディオム3つ作っただけじゃねーか!出展前から既に王道から外れている気しかしないです。失格にならなきゃいいなぁ。でも、異世界語を設定して「こういう言い回しをするんです」っていう回答とするよりは、日本語を少し改造しただけの言語のほうが私の考えたことがストレートに伝わるだろうと思ったので敢えてこうしました。あと、本文を小説にしたのは面白そうという単なる思いつきなのですが、まあ前回コンペでそういう作品が見受けられた影響はあると思いますが、実際書いてみると「魅せる例文」を書きたい時には選択肢になりうると感じました。雷を動力にするという設定は昔のレースゲームのパクリ。今回は以上です。ありがとうございました。
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