特徴
・東果国にて使用される汽陸語族の一種。主な話者は汽陸族。
・汽陸語族は現実のセム語に該当する言語であり、東果国で話されるものは現実世界の琉球諸語に似る。
汽陸語族の多くに共通する要素として
・屈折語。現実のセム語のようなn字語根、貫通接辞が特徴的。
・VSO型、AN/GN語順、前置詞を用いる。
・拗音、合拗音に該当する概念を持つ。(セム語の強勢音/咽頭音のようなもの)
・独自の文字が使用されていると思われる[要調査]
・開音節言語か?[要調査]
・時制については謎。
東果で見られる汽陸語の要素としては:
・n字語根、貫通接辞は健在。開音節言語。
・拗音、合拗音に該当する概念を持つ
・SOV型、NA・GN語順、後置詞を用いる。
・表記には東果文字が使用される。東果語に存在しない音韻の表記については特殊なダイアクリティカルマークを用いる。(例:pはtに半濁符を、hpはthに半濁符と合拗符を付けて表す。)
・音節主音子音が存在する(宮古語的)
・非未来、未来を区別する(ニヴフ語的)
・w/w~β̞/、y/j/に対するww/ʔw~β̞/、yy/ʔj/の対立を持つ(琉球諸語的)
系統・歴史
・汽陸語族。中世末(現実世界で言う戦国時代の時期)に東果列島の苙圻海側に現れ、汽陸族の文化とともに主に海汢地方~椪中地方に定着した。
・以降は相互に語彙をやり取りしており、海洋系統や哲学的な語彙が汽陸語由来であることは珍しくない。例:汽:qwo'l(タコ) → 東:qolv(タコ・イカ 蒼尾語由来の語彙もあるが古語的)
音韻
音韻体系
・V,CVのみを取る開音節言語。
・ただしVには後記する音節主音子音n,lも含む。
汽陸族は鰾を発声器官としている為、「人間風に解釈する、あるいは人間が発生するならばこのような音となる」というだけである。
(例えば空気とは比にならない粘性を持つ海の中で有気音を発するには強い力が必要となる、汽陸族の「有気音と呼べる音」は人間の発声機序とは全く異なる仕組みによって「まるで有気音であるかのように」発声されている。)
子音
| 唇 | +硬口蓋化 | 歯 | 歯茎 | 歯茎硬口蓋 | 硬口蓋 | 軟口蓋 | +硬口蓋化 | 口蓋垂 | +唇音化 | 声門 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 破裂音 | 有声 | b | d | |||||||||
| 有気 | pʰ | pʰʲ | tʰ | k | kʲ | qʰ | ||||||
| 無気 | p | pʲ | t | tʲ | q | qʷ | ʔ | |||||
| 鼻音 | m | mʲ | n | nʲ | ŋʲ | ŋ | ɴʷ | |||||
| 破擦音 | 有声 | d͡z | ||||||||||
| 無声 | t͡s | t͡ɕ | ||||||||||
| 摩擦音 | 有声 | β | ð | z | ʑ | ɣ | ||||||
| 無声 | ɸ | θ | s | ɕ | ç | x | χʷ | |||||
| 接近音 | w | ɥ | ɹ | ɹʲ | j | |||||||
| 声帯あり | ʔw | ʔj | ||||||||||
| ふるえ音 | r |
/w/は円唇が弱く、[β̞]とも取れる。
単独の'/ʔ/は単語間の母音連続等に用いられる挿入音か、後記するn,lに後続する母音の間に挿入される程度の存在(直接の意味判別をもたない)
他方、/ʔw/,/ʔj/は通常の/w/,/y/と識別される。
d͡zはi,e前で[d͡ʑ]と発音される。
/ŋʲ/は[ɲ]にも近い。 /ɣ/は[g]とも発音される。
母音
| 前舌 | 中舌 | 後舌 | |
|---|---|---|---|
| 狭 | i~y | ɯ~u | |
| 中央 | e~œ | o | |
| 広 | ä |
唇音化口蓋垂音前では円唇化の傾向が見られる。
音節主音子音として流音l,鼻音nを持つ。(母音であると強調したい場合はL、Nと大文字で表記。)
l,nを含む音節は、単独かy,w,f,b,m,w,ht,t,n,s,z,r,kh,k,ng,qwを前に伴う。
アルファベット転写、東果文字上での表記
| 転写 | 音価 | 東果文字 | キリル文字 |
|---|---|---|---|
| b | /b/ | tに半濁符と濁符 | |
| hp | /pʰ/ | thに半濁符と合拗符 | п’ |
| hpy | /pʰʲ/ | thに半濁符と拗符 | п’ь |
| p | /p/ | tに半濁符 | п |
| py | /pʲ/ | tに半濁符と拗符 | пь |
| m | /m/ | nに半濁符 | м |
| my | /mʲ/ | nに半濁符と拗符 | мь |
| bh | /β/ | thに濁符と半濁符 | в |
| f | /ɸ/ | thに半濁符 | ф |
| w | /w/ | w | ў |
| wy | /ɥ/ | wとyを結合させた合字 ※1 | ҩ/ўь |
| ww | /ʔw/ | wに濁符 | ъў |
| d | /d/ | tに濁符 | д |
| ht | /tʰ/ | thに半濁符と合拗符 | т’ |
| t | /t/ | tlに半濁符 | т |
| ty | /tʲ/ | tに拗符 | ть |
| n | /n/ | n | н |
| ny | /nʲ/ | nに拗符 | нь |
| dz/dj | /d͡z~d͡ʑ/ | tlに濁符 | дз/дж |
| ts | /t͡s/ | tl | ц |
| ch | /t͡ɕ/ | tlに拗符 | ч |
| z | /z/ | z | з |
| zy | /ʑ/ | zに拗符 | ж |
| dh | /ð/ | dh | ҙ |
| s | /s/ | s | с |
| sy | /ɕ/ | sに拗符 | ш |
| th | /θ/ | th | ҫ |
| r | /ɹ/ | r | р̌ |
| ry | /ɹʲ/ | rに拗符 | р̌ь |
| rr | /r/ | rに濁符 | р |
| k | /k/ | k | к |
| ky | /kʲ/ | kに拗符 | кь |
| ng | /ŋ/ | ng | ӈ |
| ngy | /ŋʲ/ | ngに拗符 | ӈь |
| kh | /x/ | khに半濁符 | х |
| hy | /ç/ | hy | хь |
| gh | /ɣ/ | khに半濁符 | ғ |
| y | /j/ | y | й |
| yy | /ʔj/ | yに濁符 | ъй |
| hq | /qʰ/ | qに半濁符 | ӄ’ |
| q | /q/ | q | ӄ |
| qw | /qʷ/ | qに合拗符 | ӄў |
| ngw | /ɴʷ/ | ngに合拗符 | ӈў |
| hw | /χʷ/ | qhに合拗符 | хў |
| ' | /ʔ/ | ' | ъ |
| a | /a/ | a | а/я |
| e | /e/ | e | э/е |
| i | /i/ | i | и/ |
| o | /o/ | o | о/ё |
| u | /ɯ/ | u | у/ю |
| Lの単音節 | 後述 | lv | лъ |
| rL | 後述 | (r+濁符)l | ръ |
| L | 後述 | Cvl | л(ъ) |
| Nの単音節 | 後述 | nv/ ngv (単語末) | нъ/ӈъ |
| N | 後述 | Cvn / Cvng (単語末) | н(ъ)/ӈ(ъ) |
htやhqのような帯気音を表すhは大文字化させない。ただし単語の全てを大文字化させる際は大きくする。
例:耳がある hQanahta ami. HQANATA AMI.
例:
※1 wが変化したもの、yが変化したものであると強調する場合は w+拗符、y+合拗符とする。
l,母音nの音価について
nは後ろの子音によって、lは前の子音によって若干音韻が変化する。
lに続くrは/l/となる。ただしrlに続くrは/r/。
lに単独の母音の音節が続く場合、/ʔ/が挿入される。
ここで
flの音価は/ɸl̥̍/、htlの音価は/tʰr̥̍/
tlの音価は/t͡ɬ̩/、rlの音価は/r̩/
slの音価は/ɬ̩/、zlの音価は/ɮ̩/
yl、wlの音価は/l̩/(発音上、通常のlと区別されないし、表記上もl)
nについては
yn,wn,mn,nn,nngという音節はそれぞれ/ĩː/,/ũː/,/m̩ː/、/n̩ː/、/ŋ̍ː/の音価を必ず取る。
その他の場合は後ろの音節に依存する。
ndh → /n̩.d͡ð/ ngh → /ŋ̍.g/
n + その他摩擦音 → /ə̃.<子音>/
nf→ /m̩.p͡ɸ/ nbh -> /m̩.b͡β/
n+その他両唇音系→ /m̩.<子音>/
n + 歯茎音系(摩擦音除く) → /n̩.<子音>/
n + 軟口蓋音系(摩擦音除く)→ /ŋ̍.<子音>/
n + (摩擦音除く)→ /ɴ̩.<子音>/
n + → /ə̃.ʔ<母音>/
n + 単純な母音 → /ə̃.ʔ<母音>/
n + r → /ə̃.l/ n + ry → /ə̃.lʲ/ n + rw → /ə̃.r/
単語末の場合、 ɴ̩
子音の音価について
清音、拗音、合拗音を持ち、清音がy,wに応じて合体・変化する。
| 清音 | +y | +w |
|---|---|---|
| ø | y | w |
| y | yy | wy |
| w | wy | ww |
| f | hpy | hp |
| p | py | b |
| m | my | bh |
| ts | ch | ht |
| t | ty | d |
| n | ny | dz |
| s | sy | th |
| z | zy | dh |
| kh | hy | hw |
| k | ky | gh |
| ng | ngy | ngw |
| q | hq | qw |
| r | ry | rr |
ただし屈折語らしく単語上での例外は多い。特に二字語根。
アクセント
汽陸語は上記の拗音・合拗音規則の変化により数多の同音異義語が生じ、識別の為に長音化やアクセントが生じることが多い。
他方、東果の汽陸語では存在しない(音韻の再変化により代償された)。
文法
SOV型、NA・GN語順、後置詞を用いる。
屈折語。現実のセム語のようなn字語根、貫通接辞が特徴的。
例: 囲う fima(√f₁m₂) → 囲わせる fifema ( )、囲われる kefamu ( ke-<-a-u-> )、囲いたい hpyamn( )
完了、進行、未来、非未来の区別を持つ。
例:貫く zyahpu (√z₁f₂受動態の変形) → 貫いている zyahpuyu (-yu)
例:貫く(未来) buzafa (bu-) 、貫いている(未来) nozlfa (no-)
(即ち単純な過去形を区別しない)
二字語根と非二字語根で用いられる接辞が異なる他、進行形等で音節数が増えた場合は「その単語の音節数に応じて活用を変化させる」。
二字語根が例外的な変化であると考えたらそこまで複雑ではない。
例:囲う fima(√f₁m₂) → 囲わせる fifema ( )
例:鎧う khehpamu(√kh₁hp₂m₃) → 鎧わせる fekhahpuma ( fV₁-)
例:囲っている fimayu → 囲わせている fifamuya ( fV₁-)
例:鎧っている khehpamyu (√kh₁hp₂m₃+ ) 鎧わせている fekhauhpyuma fV₁-
名詞
格は以下のような形式を取る。
| 格 | |
|---|---|
| 主格 | -hta |
| 与格 | -mu |
| 対格 | -khl |
属格はアラビア語のイダーファのような形式で、被修飾語の方に格助詞が付く。これは動詞、形容詞でも同様(直接くっつく)
潜水艦の連絡を聞く。
aklwi khufuml'e-khl htakhu.
連絡 潜水艦-を 聞く
私の聞いた連絡がある。
aklwi htakhu=sa-hta ami.
連絡 聞く(完了)=私の-が ある
(誰かが)聞いた私の連絡がある。
aklwi=sa htakhu-hta ami.
連絡=私の 聞く(完了)-が ある
例文
kano Rl'yemu ta Kuthu'lkhu awyuyuhta aqwuwu'l ghitsayu u'ya 'wekhlchiyu
kano Rl'ye-mu ta Kuthu'lkhu awyu-yu hta aqwuwu-l ghitsa-yu u'ya √('wa-√khatsa+<-l-yV₂>)+-yu
棲家 ルルイエ-に にて クトゥルフ 死んでいる が 夢-を 見ている ままに 待っている(確信)
/ka.no r̩.je.mɯ ta ku.θɯ.l̩.xɯ a.ɥu.jɯ.tʰa a.qʷu.wu.l̩ ɣi.t͡sa.jɯ ɯ.ʔja .ʔwe.xl̩.t͡ɕi.jɯ/
ここで
<√('wa-√khatsa+<-l-yV₂>)+-yuの部分は
<語根と見做す( (確信マーカー)-(語根)khatsa+(著しく強い確信マーカー。確信と恒常の合成))+<進行形化>-(進行形)のような変形。
新屋敷好のでぃ 新さくば好のでぃ
/ɯ.ʔjɯ.ka.no. qʷu.pʰa qʰi e.pa.ʔji t͡ɕi qʷu.pʰa ŋl̩/
u'yukano qwuhpa hqi ehpa'yn chi qwuhpa ngl u'yu-kano qwuhpa hqi √(√e'ya+ (V1<-fV0-a>))<-e-wV-n> chi qwuhpa ngl
新-屋敷 好みである ので 新しくなる(使役)(願望) 仮定 好む で
ハレ 節美らさ根強 ぅく先じふせろヨンド
/ha.ɹe wa.t͡ɕi.pn̩ ʔjɯ.da.ta ʔwa.l̩.ta zu.bu n̩.ɸa.ɹa.ta yo.n̩.do/
HARE wachupn 'yudahta 'walta zubu n'farata YO'NDO
HARE wachu-pn 'yuda-hta √uta+('wa-) zubu √fnrata-<-a-a-a> YO'NDO
[感動詞] 端正-さ 節-が 根強い(確信) 先ずは 固める(命令) [感動詞]
メタ的な話
汽陸語は琉球語(特に宮古語)とセム語の特徴をミックスさせたもの。
汽陸族の認知力(パターン認識とワーキングメモリが極めて高い)が故に複雑な文法をしている割に変化が少ない。
前記した通り「人間風に表すとこうなる」というだけ。n+wがdzになる、p,b等がngが対して崩れていないにも関わらずk集中的な音韻の崩れが見られる、ngyとnyの判別等はそのため。
他にも、「汽陸族の発する音節構造」は概ねこのようになっている。
ʔcv(ʔ)
ʔ(緊張)ははっきりしたパルスで音節の境(ただし汽陸族は基本的にʔで意味判別しない。汽陸語でちゃんとʔが意味識別に使われてるのはʔj,ʔwとみなせる音のみ)
c変調,v共鳴は人間の発声でいう子音や母音に相応してる。
発声しない際も鰾が基底振動を行っている(低周波)が、基本的に意味を持たない。
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