こんにちは、ふぃるきしゃです。最近 X でこのようなポストをしたので、それに基づいた言語を作ってみました。その名も「ヨトゥ語」。音韻・文法においてやたら4という数を重視する言語です。
音韻
- 単母音は a /a/、 e /e~i/、o /o/、u /u/ の4種。e は硬口蓋音の直後では必ず /e/。母音の長短は区別しない
- 二重母音は ae /ai/、oe /oi/、au /au/、ou /ou/ の4種
- 子音は4つの調音点、4つの調音方法を区別し、計16種。有声性は区別しない
両唇 | 歯茎 | 硬口蓋 | 軟口蓋 | |
---|---|---|---|---|
破裂 | p | t | c | k |
摩擦 | f | s | ç | h |
鼻 | m | n | ñ | ň |
接近 | w | r | j | q |
- 音節構造は V、CV、VC、CVC の4つのうちいずれか
- r 以外の接近音は尾子音に現れない
- 鼻音は、尾子音では直後の子音の調音点に逆行同化する。つまり、調音点を区別しなくなる。綴り上は n となる。
文法概要
- VOS語順 (世界で4番目に多い基本語順)。ただし、名詞・形容詞に格変化があるので語順は比較的柔軟に変えられる
- 主要部前置。前置詞使用
- 内容語には文法機能を表す接頭辞が付加される
例)
sakap çemacuk çeroh maju.
食べる-4つのりんごを-大きい-私が
私は4つの大きいりんごを食べる。
動詞
- 接頭辞と語幹から成る。接頭辞は1音節であり、4つの文法範疇を表示する
- 接頭辞の頭子音は4つのテンスと4つのアスペクトを表示する
無相 | 未然相 | 進行相 | 完了相 | |
---|---|---|---|---|
通時 | n- | m- | ñ- | ň- |
現在 | s- | f- | ç- | h- |
過去 | t- | p- | c- | k- |
未来 | r- | w- | j- | q- |
- 接頭辞の母音は4つの法を表示する
法 | 母音 | 解説 |
---|---|---|
不定 | -e- | 不定詞。厳密には法ではないが、便宜上ここに含める。不定詞では通常、通時時制無相をとる |
直説 | -a- | 叙述を表す |
疑問 | -u- | 疑問文を作る。諾否疑問文・疑問詞疑問文の両方で使用 |
命令 | -o- | 命令文を作る |
- 接頭辞の尾子音は4つの態を表示する
態 | 尾子音 | 解説 |
---|---|---|
能動態 | -∅ | 動作主を主格にとる |
受動態 | -s | 被動者を主格にとる。与格受動態はない |
再帰態 | -t | 再帰的動作。「歩く」なども「歩かせる」の再帰態で表す |
相互態 | -n | 主語と目的語の相互的動作。「~し合う」や「互いに~する」と訳す |
例)
-maç「見る (語幹)」
nemaç「見ること」
samaç「見る」
nanmaç「いつも (習慣的に) 互いを見ている」
cumaç?「見ていましたか?」
wamaç「見ようとしているだろう」
kasmaç「すでに見られていた」
sotmaç!「自分自身を見ろ!」
- コピュラは不規則動詞であり、頭子音と母音から成る。頭子音は規則動詞の接頭辞と同様であり、母音は以下のように法を表示する。尾子音は持たず、態の区別がない
法 | 母音 |
---|---|
不定 | -oe |
直説 | -ae |
疑問 | -au |
命令 | -ou |
名詞・形容詞
- 接頭辞と語幹から成る。接頭辞は1音節であり、4つの文法範疇を表示する
- 形容詞は名詞クラス・数・格・指示性を被修飾語の名詞と一致させる
- 代名詞や固有名詞、名詞化された動詞不定詞にも一般名詞と同じ接頭辞がつく
- 接頭辞の頭子音は4つの名詞クラスと4つの数を表示する
無生クラス | 有生クラス | 道具クラス | 概念クラス | |
---|---|---|---|---|
単数 | f- | m- | p- | w- |
未四数 | s- | n- | t- | r- |
四数 | ç- | ñ- | c- | j- |
超四数 | h- | ň- | k- | q- |
- 無生クラスには水や火、星などの自然物や草木を含む。有生クラスは動物や人間、架空のキャラクター、人格を持っている (ように見える) ロボットなどを含む。道具クラスは道具や乗り物、建造物を含む。概念クラスは動詞不定詞や「社会」「正義」などの抽象概念、場所、時間などを含む
未四数は4未満の数、四数は4、超四数は4より大きい数を表す
接頭辞の母音は4つの格を表示する
格 | 母音 | 解説 |
---|---|---|
主格 | -a- | 主語を表す |
属格 | -u- | 名詞を後ろから修飾し、所有・所属などの関係を表す |
対格 | -e- | 直接目的語を表す |
与格 | -o- | 間接目的語を表す |
- 接頭辞の尾子音は4つの指示性を表示する
指示性 | 尾子音 | 解説 |
---|---|---|
不定 | -∅ | 不定のものを指示する。代名詞や固有名詞は通常は不定をとる |
定 | -s | 文脈上に現れたものや聞き手と共通認識のあるものを指示する |
近称 | -t | 話し手の近くにあるものを指示する |
遠称 | -n | 話し手から遠くにあるものを指示する |
例)
sae morae maju.
コピュラ.無.現.直-人間.有生.単.不.与-一.有生.単.不.主
私は人間だ。
tumaç meshop maca.
見る.無.過.疑.能-4と鳴く犬.有生.単.定.対-二.有生.単.不.主
あなたはその4と鳴く犬を見ましたか?
tacuk cetah muju mare.
あげる.無.過.直.能-本.道具.超四.不定.対-一.有生.単.不.与-三.有生.単.不.主
彼は私に4冊より多くの本をくれた。
naran nepat wejotu maju.
できる.無.通.直.能-話す.無.通.不.能-ヨトゥ語.概念.単.不.対-一.有生.単.不.主
私はヨトゥ語を話せます。
数詞
- 4進法を用いる
- 二桁以上の数は桁が小さい順にハイフンを挟んで語幹を並べる
- 数詞は名詞・形容詞のどちらとしても用いられる
4進法 | 10進法 | 数詞による表記 |
---|---|---|
0 | 0 | pah |
1 | 1 | ses |
2 | 2 | ñof |
3 | 3 | qut |
10 | 4 | fae |
100 | 16 | nek |
1000 | 64 | jop |
10000 | 256 | cuç |
haňau qorus qoñof-nek maju.
過ごす.完.現.直.能-年.概念.超四.不.与-18.概念.超四.不.与-一.有生.単.不.主
私は18歳です。
とうことで、「やたら4という数に拘る言語」でした。なぜ4に拘るのかは謎です。上手い説明を思いついた方がいたら教えてね。
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