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ひとくちコラム#1 - 最古の文字記録

皇竜歴1091年現在、解読されているうちで最古の文字記録は、準神代の虎人族の言語(原始虎人族語)で書かれた碑文である。

今では失われた口承詩が刻まれており、その口承詩は、戦士ビュテュン(Bütün)と魔獣カラカンヌ(Qaraqannı)の戦いについて記述されている。

この碑文は、少なくとも原始耳長族語よりは少し古いと目されている。

虎人族は、今では北部連合国に人口の大部分が住んでいて、文字は耳長族の文字から派生したものを使うが、原始虎人族語の文字は起源が不明である。

それでも解読できたのは、驚くべきことに言語構造と語彙が現代のものとほとんど変化していなかった ―少なくとも現代語の知識で理解が可能なほどには近似していた― ことに加え、古代耳長族語でこの碑文を研究・翻訳した文献が見つかったためである。

原始虎人族の文字は、おそらく彼らの爪で刻まれており、それ故に直線的な形態を持つ。

私たちの世界で言うルーン文字のような形で、デーヴァナーガリーのようなアブギダであった。

無標状態で子音書記素に付く母音はa/äが基本であったようだが、どうもこの文字は虎人族語の音韻体系と相性が良くなかったようで、いくつかの尾子音や子音クラスタが表記にあらわれていなかったり、本来は区別するのであろう異なる母音・子音のいくつかのペアが書き分けられていなかったりしていることが碑文からわかる。

例えば、彼らの言語は後舌母音と前舌母音が対立をなすのだが、その対立を書き分けることはできなかったらしく、戦士ビュテュンの名は実際にはButu、魔獣カラカンヌの名は実際にはKalakaniと記されている。

カラカンヌとビュテュンの名の例からもわかるように、この文字にはqとk、rとlの区別が存在せず、nを尾子音とする閉音節をあらわすこともできなかったと見られている。

以上のような事実から、この起源不明の文字は、少なくとも虎人族起源のものではないだろうということが言われている。

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