始めに
この記事はevlíblという言語で合成語の作成のために使用している単語遺伝子というものについて簡易的に説明するものとなります.
evlíblとはotalnsから派生した言語であり,「全ての単語は『単語遺伝子』を持つ」「合成語は合成する単語の単語遺伝子の混成により作成される」という仕組みを追加した言語です. この理由については以下の2点となります. 特に後者は重要で,「どんな組み合わせで作成しても言語の発音として許容されないものが出てしまう」と問題が起こりにくくなります. ちょっとした蛇足
そもそもevlíblとは?
それ以外も多少変わっていたりするけど今回は無関係なので省略
何故otalnsを派生元にしたか
それでもかなり苦しい時はあったけども,前にやろうとした時よりはかなりマシだった
単語遺伝子の基礎情報
始めに,evlíblの単語遺伝子は "0,1,2,3" の4つの数字を使用して表されます.
そして,これらの数字3桁を1組としたものを最小単位である「遺伝子パーツ」と呼びます.
(例:023)
この遺伝子パーツを少なくとも文字数分だけつなげたものを「遺伝子データ」と呼びます.
遺伝子データは遺伝子パーツをスペース区切りで繋げて表します.
(例:303 023 031 013 013 202)
単語はこの遺伝子データを2組持ち,同一のインデックスのうちの一方が単語文字列として発現するということになっており,これを「単語遺伝子」と呼びます.
単語遺伝子は遺伝子データをコンマ区切りで繋げて表します.
(例:303 023 031 013 013 202,202 332 320 013 210 001)
evlíblにはa,e,i,o,u,ö,üの長音に対応するá,é,í,ó,ú,ő,űが存在しますが,これらは遺伝子パーツではそれぞれaa,ee,ii,oo,uu,öö,üüという組み合わせで表されます.
合成語の単語遺伝子の作成方法 (単語遺伝子の混成作成)
合成語の単語遺伝子は,以下のような手順で作成されます.
手順は2単語の場合ですが3単語以上を組み合わせる場合は2つ目以降は全て同様の方式となります.
- 遺伝子データに突然変異を発生させるための処理を行う
-
(遺伝子データの長さ) / 2 + 1
の分だけ,遺伝子データの「先頭から」(以降 A)と「末尾から」(以降 B)とを,それぞれの単語から切り出す - それぞれの単語から使用する遺伝子データを1つ選択し,それらのうちの「前方の単語の A」と「後方の単語の B」,「後方の単語の A」と「前方の単語の B」を繋げる
- 繋げた遺伝子データから単語として可能な並びを探し出して単語文字列とする
実例
上記の説明だけでは分かりにくいので以下に例を示します.今回は突然変異は無しとします.
- imíri: 020 301 020 020 100 122, 121 102 121 020 001 233
- velti: 312 303 233 201 122, 012 003 030 300 233
(遺伝子データの長さ) / 2 + 1
の分だけ,遺伝子データの「先頭から」(以降 A)と「末尾から」(以降 B)とを,それぞれの単語から切り出す
- imíri
- A: 020 301 020 020, 121 102 121 020
- B: 020 020 100 122, 121 020 001 233
- velti
- A: 312 303 233, 012 003 030
- B: 233 201 122, 030 300 233
それぞれの単語から使用する遺伝子データを1つ選択し,それらのうちの「前方の単語の A」と「後方の単語の B」,「後方の単語の A」と「前方の単語の B」を繋げる
- 020 301 020 020 030 300 233 (imiiöel)
- 312 303 233 121 020 001 233 (evlüibl)
繋げた遺伝子データから単語として可能な並びを探し出して単語文字列とする
imiiöel + evlüibl → evliibl → evlíbl
突然変異
evlíblの遺伝子混成遺伝子データに変化を加えるエッセンスとして「突然変異」という処理を行なっています.
行なっている処理は以下のようなります.
遺伝子パーツに対して
- 変異
- 遺伝子パーツの値の一部が本来の値から変化する
- 位置交換
- 遺伝子パーツ内の値の位置が交換される
- 逆転
- 遺伝子パーツ内の並び順が逆になる
遺伝子データに対して
- 重複
- 遺伝子パーツが 1 つだけランダムに重複する
- 欠損と同時には発生しない
- 欠損
- 遺伝子パーツが 1 つだけランダムに欠損する
- 重複と同時には発生しない
- 位置交換
- 遺伝子パーツの位置が交換される
evlíblの遺伝子パーツ
最後に,evlíblでの遺伝子パーツを例として記載します.
遺伝子 | 転写 | 遺伝子 | 転写 | 遺伝子 | 転写 | 遺伝子 | 転写 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
000 | a | 100 | r | 200 | y | 300 | e |
001 | b | 101 | 201 | t | 301 | m | |
002 | f | 102 | a | 202 | s | 302 | z |
003 | n | 103 | d | 203 | 303 | v | |
010 | u | 110 | g | 210 | e | 310 | t |
011 | h | 111 | o | 211 | f | 311 | |
012 | w | 112 | u | 212 | h | 312 | e |
013 | u | 113 | j | 213 | ö | 313 | g |
020 | i | 120 | x | 220 | ü | 320 | i |
021 | m | 121 | ü | 221 | k | 321 | p |
022 | a | 122 | i | 222 | y | 322 | ü |
023 | j | 123 | n | 223 | v | 323 | l |
030 | ö | 130 | b | 230 | o | 330 | z |
031 | r | 131 | k | 231 | p | 331 | w |
032 | 132 | ö | 232 | d | 332 | o | |
033 | x | 133 | s | 233 | l | 333 |
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