こんにちは、Migdalを初めて執筆いたしますtorlotです。トロットと呼んでください!
人工言語コンペも初参加です。よろしくお願いします。
この記事は大変読みにくくなってしまっていますが、どうかご了承くださいませ。
では本題へ…
「邪神、悪魔、亡霊、悪鬼…この世に存在する邪悪な者たち。
その邪悪な存在と交信し、召喚するのに使われるのはある特別な言語。
さて、それはどんな言語でしょうか?邪悪な存在に関する神話や伝説の体系と、交信や呪文に使われる言語を作り解説してください。
ただし、もし「本物」を召喚してしまった場合は自己責任となりますのでご注意を…」
グラヌフ教-Granfw liida(二根五界説)
その昔、全ての魂は優劣を持たず、全てが純粋の状態、あるいは1つの集合体のようでした。
しかし、魂が自由に解き放たれたときに、いわゆる「善い魂」と、いわゆる「悪い魂」とに、別れていきました。
そして、それらの魂は次第に同じような善さ、悪さを持つ魂同士で一定の集合を構成するようになり、また、それぞれ他の魂の集合を排除して、固有の世界を構成し始めました。
それを、後の世に体系だてたものをグラヌフ教、またの名を二根五界説といいます。
上から順にいわゆる「善い魂」です。
トクファ界-tokfa/tʌkfa/
(完全根)
この界に棲む魂の宿主を神と呼ぶ。
ミルト界 -mist/pist/
(強上界)
この界に棲む魂の宿主を神の子と呼ぶ。
ペイト界 -pejt/pɛit/
(上界)
この界に棲む魂の宿主を善精霊と呼ぶ。
グラヌフ界-granfw/grɶd/,/kr̥at/
(地界)
この界に棲む魂の宿主を人間と呼ぶ。
ラミド界 -llamid/rɶbyd/
(下界)
この界に棲む魂の宿主を悪精霊と呼ぶ。
ビミド界 -bimid/bybyd/
(強下界)
この界に棲む魂の宿主を悪魔の子と呼ぶ。
エルヴァ界-ellva/œrvɶ/
(反完全根)
この界に棲む魂の宿主を悪魔と呼ぶ。
下から順にいわゆる「悪い魂」です。
※界の名前のアルファベットはグラヌフ界の人々の言葉で書かれており、
音声記号は後述の善方語、悪方語で記した。
我々人間は、
基本的にはこの二根五界説におけるちょうど中間のグラヌフ界に棲む魂の宿主であるとされています。
しかし、
すべての界が排他的になったとはいえ、交信をしなければこの世界のバランスが保たれません。
そのため、この魂たちは定期的に意思疎通をする必要があります。
そこで、魂らは、宿主を頼って意思疎通をするようになりました。
※「グラヌフ教」という呼称は、あくまで人間の社会における呼称に過ぎず、他の界や、他の言語における呼称は異なっている。
以下はその意思疎通の際に、グラヌフに棲む魂を持つ我々人間が、他の界に棲む魂を召喚したり、他の界に棲む魂と交信をしたりするときに用いる言語についてまとめたものです。
グラヌフ語-Granfw spej
この言語は、
他の界の魂を召喚したり、他の界の魂と交信したりする、危険な行動を伴うので、
必ず複数人の話者を必要とし、
1人の唱和者
と
1人以上(場合により異なる)の儀礼者
によって話される。
儀礼者は、
四肢を動かしたり、体を動かしたりするなど、踊りのようなものを身をもって行うことで、
一般的な線状の言語における、
動詞やその時制、相、法、態、そのほか動詞に付与する内容を話す
(「表現する」の方がより的確であるが、ここでは便宜上、「話す」と記載する)。
唱和者は、
この言語の音声部分を唱え上げることで、主語、目的語、修飾など、
儀礼者の話した内容以外の要素を話す。
儀礼者について
儀礼者の人数について
儀礼者の人数は、意思疎通したい魂の棲む界と、グラヌフ界との界層差の数と同じ数だけ必要とする。
また、儀礼者は皆、息を合わせて同時に同じ動作を行う。
例:
トクファ界とグラヌフ界との界層差は3であるから、儀礼者は3人だけ必要である。
ビミド界とグラヌフ界との界層差は2であるから、儀礼者は2人だけ必要である。
動詞に付与する内容の表示
左手で時制を表す。
時制は、現在、過去、未来の3つ
指を全て開き現在を、
指を全て握り過去を、
親指と親指以外の任意の指1本を合わせて丸をつくり(デコピンの直前のような形)未来を、
それぞれ表す。
右手で相を表す。
相は、単純、完了、発生、進行の4つ
指を全て開き単純を、
指を全て握り完了を、
親指と親指以外の任意の指1本を合わせて丸をつくり(デコピンの直前のような形)発生を、
親指と親指以外の任意の指2本を合わせて丸をつくり(キツネのような形)進行を、
それぞれ表す。
2本の手の位置関係で法を表す。
法は、直説、命令、仮定の3つ
手を接触させて直説を、
手を明らかに離して命令を、
手を頭上で回して仮定を、
それぞれ表す。
2本の足の位置関係で態を表す。
態は能動、受動の2つ
足を自然な状態、座るときは正座の形にして能動を
足を交差した状態、座るときはあぐらの形にして受動を
それぞれ表す。
その他の動詞に付与する表示は、割愛する。
簡単な動詞表現
〜を解放する
上記の手足の形や位置関係を守りながら、立つ。
この一連の動作全体を「起立動作」という。
〜を〜に移動する
上記の手足の形や位置関係を守りながら、座る。
この一連の動作全体を「着席動作」という。
〜を話す
上記の手足の形や位置関係を守りながら、立った状態で回転する。
この一連の動作全体を「起立回転動作」という。
〜を願う
上記の手足の形や位置関係を守りながら、座った状態でお辞儀する。
この一連の動作全体を「頭垂動作」という。
唱和者について
唱和者には善方語と悪方語があり、
グラヌフ界よりも、
善い方にある界と意思疎通をするときは善方語を、
悪い方にある界と意思疎通をするときは悪方語を、用いる。
この、善方語、悪方語と儀礼者の人数で、対象界を、決定する。
善方語の音素
p t k
r̥
ɸ f s ʃ
ɸ
(全て無声音)
i ɯ
ɛ ʌ
a ɑ
(全て非円唇母音)
悪方語の音素
b d g
r
β v z ʒ
β̞
(全て有声音)
y u
œ ɔ
ɶ ɒ
(全て円唇母音)
それぞれ、有声/無声 と 円唇/非円唇 の音素は対応していて、それぞれ交代させると善方、悪方を交代することができる。
唱和者は、儀礼者とともに、動詞周辺以外の要素を声に出す。
文型
唱和者は、
二項動詞のとき、
主語→目的語
の順で唱和する
三項動詞のとき、
主語→間接目的語→直接目的語
の順で唱和する
修飾は前置修飾。
命令法のときは、主語は必ず二人称またはそれに該当する者に変える。
実践
では、実際に悪魔のうちのお1方、dreag/drœɶg/さんを召喚して対話を試みてみましょう。
儀礼者は動作名を、唱和者は発音記号を記す。
まず、dreagさんは、ミルヴァ界の悪魔ですから、儀礼者を3人と唱和者を1人用意します。では、儀式を行いましょう。
①
儀礼者:起立動作/現在時制/単純相/直説法/能動態
唱和者:/zœdry bug/
対訳:私は儀式を開始する
②
儀礼者:起立動作/現在時制/発生相/直説法/能動態
唱和者:/zœdry œrvɶ/
対訳:私はエルヴァ界を開放する
③
儀礼者:着席動作/現在時制/単純相/命令法/能動態
唱和者:/drœɶg grɶd ʒœdrɶː/
対訳:ドレアグよ、お前自身をグラヌフ界に移動させろ
(ドレアグよ、グラヌフ界に来い)
一回では召喚できない可能性があります
そんなときは、②→③を繰り返しましょう。
ドレアグさんがやってきたら、
④
儀礼者:起立動作/現在時制/発生相/直説法/能動態
唱和者:/zœdry œrvɶ gɶːg/
対訳:私はエルヴァ界を閉鎖する(/gɶːg/は否定)
⑤
儀礼者:頭垂動作/現在時制/発生相/直説法/能動態
唱和者:/zœdry zœv/
↓
儀礼者:起立回転動作/未来時制/単純相/直説法/能動態
唱和者:/zœdry ʒœβdɔr/
対訳:私はそれをしたい、私は世界を話す
(私は世界についてを(あなたと)話したい)
了承されたら、対話しましょう!
対話が終わったら、
⑥
儀礼者:起立動作/現在時制/発生相/直説法/能動態
唱和者:/zœdry œrvɶ/
対訳:私はエルヴァ界を開放する
⑦
儀礼者:着席動作/現在時制/単純相/命令法/能動態
唱和者:/drœɶg œrvɶ ʒœdrɶː/
対訳:ドレアグよ、お前自身をエルヴァ界に移動させろ
(ドレアグよ、エルヴァ界に帰れ)
ドレアグさんが帰ったら、最後に、
⑧
儀礼者:起立動作/現在時制/発生相/直説法/能動態
唱和者:/zœdry œrvɶ gɶːg/
対訳:私はエルヴァ界を閉鎖する(/gɶːg/は否定)
⑨
儀礼者:起立動作/現在時制/単純相/直説法/能動態
唱和者:/zœdry bug gɶːg/
対訳:私は儀式を終了する(/gɶːg/は否定)
以上の流れで召喚して、対話をしましょう!
補足
実は、この言語は禁忌が存在します。
この言語において、最も重大な禁忌とは、
1人で儀礼者と唱和者を同時に行なってしまう
ことです。
これをしてしまうと、あなたは「無力界」という魂の7界から離れた界に転送され、永遠に無の世界で生き続けることになります。
くれぐれもそれだけはしないように。
終わりに
先述の通り、今年初めてコンペに参加しましたが、結構大変ですね…
次も参加していきたいと思います。
もし、この言語を「いいな」と思っていただけたら、いいねをお願いします!
励みになります。
ではでは、またどこかで!
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