お久しぶりです。ふぉげにーずです。
言語の誕生日を考えたことはあるでしょうか。私は現在4つの言語を制作していますが、全て決まった誕生日があります。ですが、そもそも言語の誕生日とは何なのでしょうか。言語は長時間かけて成長し、少しずつ成立していくものなので、この日が誕生日!と決めるのは野暮な気がします。しかしながら私はどうしても自作の言語に誕生日が欲しいので、言語の誕生日とは何なのか考えてみました。
誕生日とは
上に述べた通り、本来言語には誕生日などありません。ではなぜ誕生日という概念があるのでしょうか。誕生日とは元々動物において、子が親の体内や卵から出て、外で生きるようになった日です。人間に限って言えば、母親の胎内から排出されるという誕生が起きた日です。つまり、言語において誕生というイベントを当てはめることができれば、言語の誕生日というものをあらしめることができそうです。
誕生というイベント
まず、誕生とはどういうイベントなのかを考えるために、誕生の前後の子の状態を考えましょう。生まれる前の、胎児の状態では、羊水に包まれて保護され、へその緒で繋がれて酸素や養分などを母体から受け取っています。一方、生まれたばかりの幼児の状態では、自ら呼吸を行い、母乳を飲んで養分を得ます。つまり、胎児は生きることをするために、呼吸や摂食という基本的なことを母親に依存しなければならず、逆に、幼児は歩行や物体の操作などはできず、そこは他者の助けを借りなければなりませんが、一人で生きることができます。したがって、誕生とは子が母親に依存しなければ生きることができない状態から助けは借りつつも一人で生きることができるようになったタイミングということになります。
言語の成立
では、言語における誕生とはどういうイベントなのかを考えるために、言語が成立する過程を整理していきましょう。ここでは人工言語に限って考えていきます。人工言語ができる過程は作る人によって異なりますが、案だし→文字、発音決め→文法作り→単語作り→文法作り→単語作り。。。大まかにこのような順に従うと思います。前の段落で述べたことを踏まえて、この過程を見ると、最初の四段階くらいまでが胎児で、それ以降が幼児かなと思えます。ただ、まだ曖昧なので言語においても誕生の前後での言語の状態を考えましょう。作りたての言語は必要な文法も十分な単語もなく、まともに会話することができない状態です。それが少しずつ成熟し、ある程度に会話できるようになっていきます。これは前の段落で述べた、一人では生きることができない状態から、一人で生きることができる状態に移ることと対応していると考えられます。つまり、人間においての生きることとは、言語においては会話されることに対応します。
言語の誕生
以上から、言語における誕生のタイミングとは、言語がその言語だけでは会話されることができない状態から、助けを借りつつもその言語だけで会話されることができるようになるタイミングということになります。“その言語だけでは“会話されることができないというのは、他の言語から単語をそのまま使い回したり、仮の文法を立てなければならないということを指します。言語を作って例文を書く時に、単語がなくて日本語や英語をそのまま転写して無理やり文を作ったという経験はないでしょうか。その後単語や文法が充足して、完全な文を書く、いや、発音も決めて、カタコトでもいいから会話できるようになっていきます。作者以外を大きく巻き込むことに成功した言語は、人工言語の中では少ない方であるとしても、会話できるレベルまで持って行けた言語は多数だと思います。よって、会話されることができるようになった時点を言語の誕生と考えることが妥当であると思います。
そして肝心の言語の誕生の具体的なイベントが何かと言うことですが、これは作った言語でたくさん例文を書くということだと考えます。言語を作った時に試しに例文を書いてみるということがあると思います。この時初めて作った言語がどのような様態を持つのかがはっきり分かり子を出産した母親のような感動を覚えます。大袈裟です。
結論
今まで書き連ねた持論で全ての人工言語の誕生日を確定させることはできません。すみません。ただ、誕生日を確定させるのに一つ言えることは、言語を作ったら例文をたくさん書いとけということです。例文を書かない、つまり誕生させない状態で言語を育てるというのは、胎内で大人にまで成長するのと同じことです。外界に適応しないまま、言語の様態が分からないまま育てるとまともに話せない言語になリます(フォゲノ語)。逆に例文を書けば、その瞬間が言語の誕生であり、その日が誕生日だということです。ただ、一、ニ文しか例文を書かないというのは胎児が母親を内側から蹴るのと等しいので、できれば日常会話ができるくらいに例文はたくさん書いておくと良いでしょう。
ふぉげにーずでした。
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