先日投稿されたこちらの記事に触発された投稿になります。
長月氏へ
無視しても構いませんし、"辺境の、土着の言語の影響の激しい言語"と扱ってもらっても一向にかまいません
目次
方針
"日本語祖語およびオーストロネシア祖語を参考に琉球語やアイヌ語なども参考にして、架空言語モドキを作ってみることにした"とのことで、参照言語としては
・Proto-Japanese
・Old Japanese
・Proto-Austronesian
・Okinawan
・Ainu
が挙げられている。
今回は
・琉球語(日琉語族の代表)
・タガログ語(オーストロネシア語族の代表)
・アイヌ語(風味付け)
で定量化中原メソッドでいったん単語を組んでみる。Swadesh–Yakhontovリストという35語からなる短いスワデシュリストで単語を作成し、単語リスト内で音声を分析し音韻論をもくろむ。
文法について一つ考えているのは、WALSの各項目を並べて定量化中原メソッドに近いことをすればいいのでは?
語彙
以前に書いた記事で述べたような感じで組んでいく。組んだ結果が以下の通りです
Proto-Chuzaneseの作者である長月氏とは違ったセンスで組むので当然似ている語形とかけ離れた語形があります。基層語彙や上層語からの借用語と考えればよいと思います
似ている語形の例
- 1sg. wanu : anui
- 骨 pune : puni
かけ離れた語形の例
- 卵 dog : kigiku
音韻
母音
とりあえず語彙篇で組んだ単語から母音を抜き出すと以下の11個
ɪ, i, e, a, o, u, y, æ, œ, ɛ, ɝ
うーん、参照言語はどれも5~6母音の普通の言語なので何とか減らしたい
ɪとi、eとɛ、aとæをひとまず自由異音として片づけるとaeiouyøの7母音+rhoticが1つでギリギリ許せそう
特異な点としては
- rhotic こればっかりはもう「基層語のせいです」で押し通すことに…
子音
とりあえず語彙篇で組んだ単語から子音を抜き出すと以下の通り
b, c, d, g, gɣ, h, k, m, n, p, r, s, t, ts, w, ð, ɬ, ɲ, ʃ, ʒ, β, θ
特異な点としては
- 側面摩擦音の存在
- 歯摩擦音の存在 あたりか
正書法
ラテン文字と独自文字(仮名とほぼ1対1対応)を想定
文法
WALSの各項目を並べてみたもの
文法篇については参照言語は
- 日本語(琉球語は項目数が少なかった)
- タガログ語(オーストロネシア語族の代表)
- アイヌ語(風味付け)
の3つ。
まあ何と言うか…日本語とアイヌ語は(地理的に近いとか社会的関係が全然互角じゃないとかあって)文法を箇条書きにしたらだいたい同じなので、参照言語3つで多数決を採ると基本的に日本語に似た感じになる。SOV, AN
- 例: <ワヌヤン ビㇺバ(バン) ケマㇴ。> /wanu=jaŋ bimba(=baŋ) keman/ "私はりんごを食べる。"
日本語と違うところというと、例えば所有が二重標示になっている
- 例: <ワヌガ テバ> /wanu=ga teb=a/ "私の手"
感想
飽きたおおよその方針を示すことはできたと思うのでいったんこのあたりで投稿します、多分加筆する。(20231017)
Top comments (2)
興味深い記事をありがとうございます!
素晴らしい記事をありがとうございます!参考にしてみます(笑)