Migdal

Tsuchifude
Tsuchifude

Posted on

【覚書】架空言語の地名の作り方

 今回はみじかい記事になりますが、「地名をどうつくるか」ということについて、すこし書いておきます。
 さきにいっておくと、わたしは人名や施設に由来する地名や瑞祥地名(和光市やみどり市など、縁起のいい言葉をつけた地名)よりも、自然地形をもとにした地名をつけるほうが好きです。
 また、本記事の内容には筆者の無知による不正確な情報が含まれている可能性があります。

地名にしか出てこないような語を入れてみる

 地名には古語や変な語が残存していることがあります。現代の日本語において、崖を「まま」「はき」「ほき」などと言うことはありませんし、川辺を「つる」と言うこともありませんね。しかし、地名には未だにこのような語が生きています。
 これにならって、自言語の地名においても、単体では絶対に使わないような謎の語・形態素を入れてみましょう。

別の言語で名づけられた地名を輸入してみる

 「台湾」とはいったいなに語由来なのでしょうか。こたえは、何語かは正確にわからないけれど漢語ではない先住民の言語とされています。
 しかし、別の言語をいちいち作るのは大変なので、たとえば「明らかに響きがこの言語の地名っぽくない…」みたいな音にしてみるのはどうでしょう。わたしが作っているネ語の場合、固有語ならば2音節の地名が多いのですが、かつて話されていた先住民の言語に由来する地名の場合に、3音節にするとか、あるいは2音節だけれどもなにも意味が分からない地名にするなどです。

転訛させる

 現代でも単独で・あるいは語中で通用する形態素を使う場合でも、ちょっと音を変えたりしてみてはいかがでしょう。たとえば、jiŋという形態素とtuoŋという形態素を組み合わせて地名にする場合に、jiŋ tuoŋそのままでなく、jin tuoŋにするとか、あるいはʔin duoŋとか、jyŋ tuoŋとか、など考えられます。

新しめの地名は意味が分かるようにする

 新しめの地名、たとえば城下町の「紺屋町」「大手町」、あるいは現代の「夢洲」や「希望ヶ丘」、「パルテノン銀座通り」や「イタリアン抹茶チョコクリーム鯛茶漬け久保三丁目」(そんな地名はない)などは、ストレートに意味がわかるようになっています。最近新しく開発された土地の場合は、わかりやすい地名をつける方がいいと思っています。
 あるいは、移民によって開墾された土地の場合、その土地の名前をつけるか、既存の地名に「新しい」を意味する語をつける(ニューヨークなど)、方角を意味する語(北広島など)をつけるといったようにするのもいいかと思います。

好みによっては施設や人に由来する地名もつける

 いままで、自然地形に由来する地名の話ばかりしてきましたが、人に由来する地名をつけていることもあります。英語とかだとそうだろうし(詳細は知らない)、日本でも「太郎左衛門新田」「豊田」「八重洲」などあります。
 「銀座」「国府」など、施設や建物に由来する地名というのもたまにあります。

とはいえわかりやすい地名もつけてみよう

 私は地名に詳しくないので日本語の大きな地名の話ばかりしてきましたが、言語によってはわかりやすい地名を多くつけている場合もあるのではないかとおもわれます(詳しくは知りません)し、小字レベルになるとシンプルな地名も増えてくるとおもわれます(詳しくは知りません・ふたたび)。
 そもそも日本語の地名は意味と関係ない漢字をあてているからわかりにくいのであって、「大久保(おおくぼ)」は大きな窪んだところですし、「田無(たなし)」は田を成しているところです。さらに「平(たいら)」など、字面も音も「平らな土地」でしかない場合もあります。
 結局のところ、わかりにくい地名ばかりでもバランスがよろしくなく(そもそも古語の残存や転訛ばかりだと逆に不自然にもなりうる)、わかりやすい地名も相当数つくっていくべきではないかと思います。また、好みによっては、わかりやすい地名ばかりにしてもいいでしょう。創作なんどは個人の自由なものです。それをいったらこの記事の存在意義はなんなんだとなりますが。

 一度Tsuchifudeさんとは「みじかい記事」の定義について話し合う必要がありそうです。 終わり

人気順のコメント(0)