前回は動詞の活用を学びました。ところで、「A は B である」という文を作るための е̄к も動詞です。そこで、第 5 回は е̄к の活用を学びます。
е̄к の活用
第 2 回では、〈A + е̄к + B〉の形で「A は B である」の意味になることを学びました。この е̄к も実は動詞なので、他の動詞と同じく人称と性によって活用します。これまでに出てきた е̄к と е̄ко という形は、三人称・定の形でした。
е̄к の活用は不規則で、以下のようになります。
赤性 | 青性 | |
---|---|---|
三人称・定 | е̄к | е̄ко |
三人称・不定 | е̄к | е̄ко |
二人称 | сӣк | се̄ко |
一人称複数 | баме̄к | баме̄ко |
一人称単数 | ӣк | ӣко |
まず、三人称における定と不定の違いがありません。どちらも е̄к/е̄ко です。
それ以外の形は、規則活用のように接頭辞と接尾辞を付け加えた形に由来はするのですが、接頭辞と е̄к 本体との間で母音が融合していて、不規則な形になっています。接頭辞と基本形には綺麗に分けられないので、そのまま覚えてしまいましょう。
е̄к の用例
е̄к が一人称や二人称の形になっても、用法は変わりません。〈A + е̄к + B〉の形で「A は B である」の意味になります。ただし、A に相当する一人称や二人称は、е̄к 自身の活用形から分かるので省略されます。
Ӣко фӣхто.
ييک فيخط.
🞂 私はフィーフトです。Баме̄к тӣӯал.
بميک طيووال.
🞂 私たちは学生です。
A に相当するものが不定の場合には注意が必要です。前回学んだように、不定の主語は動詞の後に置かれます。これは動詞が е̄к のときも例外ではありません。
A が不定のときは、A を е̄к の後に置いて〈е̄к + A + а + B〉という形になります。ここで、а という単語が挿入されていることに注目してください。これは、A と B の境界を明確にするための単語です。この役割以上の具体的な意味はありませんが、常に必要です。
Е̄ко боге̄жмо а ше̄лхо.
ييک بݢيژم ا شيلخ.
🞂 炎は明るい。
боге̄жмо 「炎」 · ше̄лах「明るい」
仮に а がなかったとすると е̄ко боге̄жмо ше̄лхо という文になりますが、これでは ше̄лхо が боге̄жмо に係る形容詞だと解釈され、「それは明るい炎です」の意味になってしまいます。
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