これは語学・言語学・言語創作 Advent Calendar 2024の4日目の記事です。
ごあいさつ
こんにちは。コキあです。
私は現在「キャア語」という言語を作成しております。
そんなキャア語は2024年12月4日をもって一周年を迎えました。いぇーい。
これからも制作は続けますので何卒よろしくお願いします。
さて、私がキャア語を作りはじめたきっかけの一つはシャレイア語の存在を知ったからなのですが、実はそれ以前にも人工言語を作っていました。
その名も「(本名)語」。(個人情報保護のため、言語名は伏せています。)小学4年生の頃に作り始めた言語で、今でも簡単な文章は覚えています。
その頃は言語に関する知識も全くと言っていいほど持っていなかったため、文法も何もない稚拙な言語でした。ですが、思い出深い言語でキャア語にも影響を与えています。
そんな「(本名)語」を解説しようと思いました。ですが、よく考えると文法なんて存在しない言語の解説なんて不可能に近いです。
というわけで今回は、「(本名)語」の文法を「解読」していきます。(自作言語の解読とは)
なお、ここからは「ホンミョウ語」という名前で言語を呼んでいきます。
ホンミョウ語の文章と語彙
それでは、覚えている限りホンミョウ語の文章を書き出していきます。(ここでの「コキア」は固有名詞です。)
ブルル ニッコ コキア。
▶︎私はコキアです。ブルル イサ イル。
▶︎私は10歳です。メ ブルル ニッコ?
▶︎あなたの名前は何ですか。メ ブルル イサ?
▶︎あなたは何歳ですか。ラ ブルル ニッコ コキア。
▶︎私はコキアではありません。ブルル ミント コキア。
▶︎私はコキアが好きです。
……。少ない。
語彙も書き出していきましょう。
ホンミョウ語 | ニッコ | イサ | ミント |
---|---|---|---|
日本語訳 | 名前 | 年齢 | 好きである |
記憶違いの可能性もあります。
数についても触れておきます。
イ | ヌ | ガ | ゴ | ハ | ン | ヲ | タ | ベ | ル |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 |
大きい桁から順番に数を並べるだけで複数桁の数を表す。
(例)
イル→10
ヲヌガンベ→72369
なんだこれ。
「ブルル」「メ」「ラ」の3つの単語についてはいまいち覚えていません。「メ」と「ラ」に関しては想像がつきますが。
ここから文法を解読することはできるのでしょうか。
ホンミョウ語の文法考察
私の考えた説を2つ紹介します。
なお、ここでは難しすぎる文法が無いようにしています。小学生の頃の自分が難しすぎる文法を使っていないだろうという理由もありますが、単純に知識がないからです。
1つ目は「VSO語順説」です。
動詞-主語-目的語という語順の言語であるという説です。
詳しく解説していきます。
ブルル ニッコ コキア。
▶︎私はコキアです。
この文の場合、「ブルル」が動詞、「ニッコ」が主語、「コキア」が目的語(というか補語)です。
「ブルル」はいわゆるコピュラ動詞です。
直訳すると、「名前はコキアである。」となります。「私」が省略されています。
ブルル イサ イル。
▶︎私は10歳です。
この文の場合、「ブルル」が動詞、「イサ」が主語、「イル」が補語です。
直訳すると、「年齢は10である。」となります。
メ ブルル ニッコ?
▶︎あなたの名前は何ですか。
「メ」は疑問文にするときに使う単語です。ここでは補語がないですが、おそらく「何」という意味の疑問詞を省略しているのでしょう。
直訳すると、「名前は?」となります。
メ ブルル イサ?
▶︎あなたは何歳ですか。
こちらも補語に「何」や「いくつ」といった疑問詞が抜けていると考えられます。
直訳すると「年齢は?」となります。
ラ ブルル ニッコ コキア。
▶︎私はコキアではありません。
「ラ」は「ブルル」を修飾する副詞か助動詞かその類です。否定を表します。
直訳すると「名前はコキアではない。」となります。
ブルル ミント コキア。
▶︎私はコキアが好きです。
「ミント」は「好きなもの」という名詞です。
直訳すると、「好きなものはコキアである。」となります。
省略や抜けが多いですし、「ミント」の意味が記憶と違いますが、納得はできる説ではないでしょうか。
2つ目の説は「SVO語順説(コピュラは名詞を並べる)」です。
主語-動詞-目的語という語順の言語であるという説です。
詳しく解説していきます。
ブルル ニッコ コキア。
▶︎私はコキアです。
この文の場合、「ブルル」が「ニッコ」を修飾する形容詞、「ニッコ」が主語、「コキア」が目的語(補語)です。
「ブルル」は「私の」という意味です。
「ブルル ニッコ」=「コキア」という関係になっているわけです。
直訳すると、「私の名前はコキアである。」となります。
ブルル イサ イル。
▶︎私は10歳です。
この文の場合、「ブルル」が「イサ」を修飾する形容詞、「イサ」が主語、「イル」が目的語(補語)です。
直訳すると、「私の年齢は10である。」となります。
メ ブルル ニッコ?
▶︎あなたの名前は何ですか。
ここでは「ブルル」は「あなたの」という意味です。「ブルル」は状況によって(例えば、平叙文なのか疑問文なのか)意味が変わります。
「メ」は疑問文にするときに使う単語です。ここでは補語がないですが、おそらく「何」という意味の疑問詞を省略しているのでしょう。
直訳すると、「あなたの名前は?」となります。
メ ブルル イサ?
▶︎あなたは何歳ですか。
こちらも補語に「何」や「いくつ」といった疑問詞が抜けていると考えられます。
直訳すると「あなたの年齢は?」となります。
ラ ブルル ニッコ コキア。
▶︎私はコキアではありません。
「ラ」は文全体を修飾する何かです。否定を表します。
直訳すると「私の名前はコキアではない。」となります。
ブルル ミント コキア。
▶︎私はコキアが好きです。
この文の場合、「ブルル」が主語、「ミント」が動詞、「コキア」が目的語です。
「ブルル」は「私」という意味の名詞です。
英語では主格(Iとか)と所有格(myとか)では形が違いますが、ホンミョウ語では同じです。
「ミント」は「好きである」という動詞です。
直訳すると、「私はコキアが好きである。」となります。
「ブルル」が万能すぎますが、まあ理解はできます。あと、私が言語を作るならSVO語順にしそうです。(キャア語もSVOだし。)
他の説を思いついた方がいらっしゃいましたらぜひコメントで教えてください。
まあ、小4の私は文法なんて考えていないでしょうし、「文法なんてない!」が正しいとは思いますが。
ホンミョウ語がキャア語に与えた影響
実は、いくつかの単語がキャア語にも引き継がれています。
ホンミョウ語 | ニッコ | イサ | メ |
---|---|---|---|
日本語訳 | 名前 | 年齢 | …か? |
キャア語での意味 | 名前 | …歳 | …か? |
また、キャア語で「好きである」という意味の単語「ミトートノ」の由来は、ホンミョウ語の「ミント」だったりします。
あとは、数詞の作り方などもホンミョウ語に近いです。(キャア語の数詞についてはこちらの記事で詳しく解説しています。)
おわりに
語学・言語学・言語創作 Advent Calendar、初参加です。楽しんでいただけたでしょうか。
この記事を読んでいる皆さんの中にも、幼い頃に人工言語を作っていた人がいるのではないでしょうか。その言語を思い出して「この頃の言語は可愛いなあ〜」と悦に入るのもいいと思います。
それではこのあたりで。
最後まで見てくださり、本当にありがとうございます。
おまけ
✅ 【キャア語で歌ってみた】Bling-Bang-Bang-Born
せっかくなので簡単そうなところだけでも訳しますか。
鏡よ鏡答えちゃって
▶︎ラ チシューン=チシューン メカーカシュ ニアシアWho's the best? I'm the best! Oh yeah
▶︎メ ドパモ ガー シュスリ/ニャ ガー シュスリ//エ レイ生身のまま行けるとこまで
▶︎カラ ルドール ルール リー:メイン ルーヅ リュリ
スマーTo the next, To the 1番上
▶︎ロロ デルレン ギャズ:ロロ シュイミ イフ ハーテ
リズム合わせないといけないのが本当に大変。ギリギリ歌える程度の音数になってしまいました。あと、無理やり訳したので微妙に意味が違う部分もあります。
誰か、歌ってみて。
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