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フクロウナギ
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りんご文を例文として説明するPaibbai文法(1)

ざすろんさんによる、「りんごが食べたい58文」を例文とし、例文に現れたPaibbai語の文法要素を随時説明していきます。

今回はZ1~Z14までの例文を載せます。

Z1~Z14

Z1.私はりんごを食べる.

ìpàbió gó ubúwia.
ìpàbi-o go ubu-wia.
実-クラス7単数 ~を 食べる-一人称単数

 名詞にはそれが8種類ある名詞クラスのどれに属するか、また単数か複数かを示す接辞が付きます。下の表には名詞接尾辞のほか、それぞれの名詞クラスに属する名詞の代表的な意味を示しています。

名詞クラス 単数 複数
1(男) -ba -bai
2(女) -da -dara
3(獣) -íga -ígai
4(鳥) -ide -idere
5(魚) -'ka -'kai
6(草) -idi -idiri
7(木) -o -ou
8(場所) -gi -gei

 対格の役割をもつ名詞句には助詞"go"が付きます。
 文の中心となる動詞は動作主の人称を表示しないといけません。"ubu"「食べる」の場合、人称接辞をその後ろに付けることで人称を表示します。一人称は発話者とその(親族、友人、仲間など)の人物、二人称は聞き手とその周囲の人物、三人称はそれ以外の人物を指します。

人称接辞 単数 複数
一人称 -wia -wiài
二人称 -ra -rài
三人称 -i -o

Z2.私はりんごを食べた.

ìpàbió gó ubóuáwia.
ìpàbi-o go ubu-ia-wia
実-7単 ~を 食べる-完了-一単

 接辞"-ia"を動詞と人称接辞の間に付けることで完了を示します。

Z3.彼はりんごを食べている.

Z1.に同じ

Z4.彼女はりんごを食べ終わっている.

ìpàbió gó ubóú bwo.
ìpàbi-o go ubu-i bwo.
実-7単 ~を 食べる-三単 完了

 Paibbai語に時制/相に値する文法範疇は完了しかなく、進行相、継続相はありません。
 文末に"bwo"を置くことで完了を示します。接辞"-ia"と大きな意味の違いはありません。

Z5.彼女はりんごを食べ終わっていた.

Z4,に同じ

Z6.私の妻はりんごを食べたことがある.

ìpàbió gó ba waidé ubóú bwo.
ìpàbi-o gó ba waide ubu-i bwo.
実-7単 ~を 一単 妻 食べる-三単 完了

 名詞句の先頭に人称代名詞を置くことでその人物が話し手と聞き手のどちらに属しているかを示せます。一人称代名詞は話し手とその周囲の人物、二人称代名詞は聞き手とその周囲の人物、一人称包括代名詞は話し手、聞き手両方の周囲の人物、三人称代名詞はそれ以外の人物を指します。

人称代名詞 単数 複数
一人称 ba bài
二人称 da dài
一人称包括 dee daài
三人称 i o

 主格や具格(〜を使って)の役割を持つ名詞句には名詞クラスを示す接辞や助詞は付きません。

Z6.補足

私の妻は籠でりんごを運んだ。
ìpàbió gó bùowé ba waide géiai ri.
ìpàbi-o gó bùowe ba waide gi-ia-i bwo.
実-7単 ~を 籠 一単 妻 持つ-完了-三単 歩く

Z7.私の妻はりんごを毎日食べる.

epé bwakuí ìpàbió gó ba waidé ubóu.
epe bwakui ìpàbi-o go ba waide ubu-i
日 繰り返し 実-7単 ~を 一単 妻 食べる-三単

Z8.私と私の妻は昨日りんごを食べた.

epé ìpàbió gó bá wí waidé ubóuao.
epe ìpàbi-o go ba wi waide ubu-ia-o.
昨日 実-7複 〜を 一単 〜と 妻 食べる-完了-三単

対格の役割を持つ名詞句は発話者が意識しない限り複数形では使われません。
助詞"wi"を用いることで随伴(〜と)を表します。"wi"は2つの名詞句がどちらも同じ名詞クラスを持つ場合に使われ、そうでない場合は単なる並列か、"ui"が使われます。

Z8.補足

私と私の妻は昨日りんごと魚を食べた.
epé ìpàbió uí tìkáká gó bá wí waidé ubóuao.
epe ìpàbi-o ui tika-ka go ba wi waide ubu-ia-o.
昨日 実-7複 〜と 魚-4複 〜を 一単 〜と 妻 食べる-完了-三単

Z9.私と私の妻は6日前にりんごを食べた.

enob epé ìpàbió gó bá wí waidé ubóuao.
enob epe ìpàbi-o go ba wi waide ubu-ia-o.
6 昨日 実-7複 〜を 一単 〜と 妻 食べる-完了-三単

Paibbai語は"i"「1」"o"「2」"ai"「3」の3つの固有の数詞を持ちます。数詞は単数の名詞句の前に置かれたり、単数の名詞クラス接辞を伴って単独で現れたりします。

Z9.補足

ba i waide-da または i ba waide-da
私の一人の妻

私と私の妻は昨日それを2つ食べた.
epé oó gó bá wí waidé ubóuao.
epe o-o go ba wi waide ubu-ia-o.
昨日 2-7単 〜を 一単 〜と 妻 食べる-完了-三単

4以降の数詞はオセアニア諸語から借用(後でちゃんと勉強する)されたものが使われます。

Z10.彼らは明日りんごを食べる.

epé dwódwó ìpàbió gó ubóuao.
epe dwódwo ìpàbi-o go ubu-ia-o
日 次 実-7単 ~を 食べる-未来-三複

接辞"-ia"は過去のことだけでなく、未来や離れた土地のことなど発話者と動作が起こっている状況が離れていることを表すことがあります。

Z10.補足

彼らは今、島でりんごを食べている(だろう)。
pàwé dádédegí ìpàbió gó ubóuao.
pàwé dádéde-gí ìpàbi-ó gó ubu-ia-o.
今 島-8単 実-7単 ~を 食べる-遠隔-三複

 場所を表す助詞の"gi"があるとき、クラス8の名詞である"dádádegi"には置きません。

Z11.彼らは6日後にりんごを食べる.

edob epé dwódwó ìpàbió gó ubóuao.
edob epe dwódwo ìpàbi-o go ubu-ia-o
6 日 次の 実-7単 ~を 食べる-未来-三複

Z12.彼女らは3日間りんごを食べている.(食事としてりんごだけを食べている)

ai epé dwób ìpàbió gó ubóuao.
ai epe dwob ìpàbi-o go ubu-ia-o
3 日 ~から 実-7単 ~を 食べる-未来-三複

助詞の"twa"「~に」、"dwob"「~から」は移動の方向、起点を表します。移動は"ri"「歩く」などの物理的な移動だけでなく、「~になる」などのような変化、時間経過も含みます。

Z12.補足

彼はりんごを取る
ìpàbió dwób géi
ìpàbi-o dwob gi-i
実-7単 ~から 取る-三単

りんごが3つになる
ai ìpàbió twá pa`i.
ai ìpàbi-o twa pa
3 実-7単 ~に これ

Z13.彼女らはりんごを5分間食べ続けている.(りんごを食べる所要時間に5分かかっている)

Z12に同じ

Z14.彼は常にりんごを食べている.(四六時中ずっとりんごを食べている)

ai paguí paguí ìpàbió gó ubóubóu.
ai pagui pagui ìpàbi-o go ubu-ubu-i
全て 時 反復 実-7単 ~を 反復-食べる-三複

 "ai"を名詞の複数形の前に置くことで「全ての~」を表します。また、"pagui"「時間」などのように名詞クラスをもたない名詞があります。そのような名詞で複数を表すときは名詞を反復します。
 動詞を反復させることで、動作が何回か行われていることを表します。Z12,Z13のように実際には動作が繰り返されていてもそれを強調させない場合は動詞は反復されません。

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