Migdal

Eihab Nothlazahl
Eihab Nothlazahl

投稿

自戒的超エゴイスティックミニマル哲学言語:"Ego(仮称)"

タイトル詰め込み過ぎたか…?

どーも。Eihab Nothlazahlという名前で普段存在しているモノです。
矛盾と混沌氏の"物体記述語"にインスパイアされてミニマル言語を創りました。
氏の物体記述語は客観的かつ単純に語を表すのがコンセプトでしたが、この言語のコンセプトは、「全部主観」です。

水槽の脳に代表されるような、この世のもの、今見ているものが実在するか否かは、自分がこの世にいる限り決して判断できないという理論を基に作成したのがこの言語です。
そのため、この言語では、「私は存在する」といった文以外のいかなる文においても、断定の表現を用いることができません。「〜と知覚する」「〜と感じる」「〜と考える」「〜と知っている」という表現をせず、「〜である」と断定することは原則として禁止されています。
そのような表現を意識的に用いることで、自分は世界を正しく見ている、自分の見る世界が絶対である、などという浅はかな思考から脱却する。それがこの言語の目的です。

また、自分が知覚できているものとそうでないものの区別も明確になっています。
知覚しているものの実在すらも疑いの余地が無くならないのですから、知覚できないものなんて信用に値するわけがありません。同様の理由で、他人の人格、意識の存在すらも確定させません。そのためにこの言語には命令表現や二人称という概念が存在しません。この言語では自分以外の個人を一切尊重しない、というか個人という概念自体が曖昧模糊なものとして切り捨てられます。

加えて、この言語を用いる時はあらゆるものから名称が剥奪されます。自分の名前すらも。この記事での挨拶が変なのもそのためです。
他言語の語彙の使用も許されません。それは、物事に固有の名前を付けることはそのものの本質を理解することから逃げていることに等しいため(という私のエゴ)です。

音韻

/s z[t͡s] ß[ʃ] f v h k g q[c] x[ɟ] c[t͡ʃ] j[d͡ʒ] n m ñ[ɲ] r l[ɾ~l] w y[j]/
/a e i o u ä[æ] ü[ɯ] ö[ɔ]/

音節構造

(C)V

アクセントは高低アクセントが基本で、語頭にアクセントが来ます。

形態

単語は複数の要素を組み合わせることで形成され、名詞と動詞は形成のされ方が異なります。

名詞

輪郭 サイズ 色彩 (物性 認知性) (動作)
子音 w-/y-/∅- 母音 子音 母音 子音 母音

以下、(輪郭、色彩、物性、認知性)の四つを要素と呼びます。
物性と認知性のどちらかのみを省略することはできません。

単数 複数
a u

サイズ

中・不定
w- ∅- y-

輪郭

輪郭
不定形・知覚不可 z 長い・細長いもの v
定形・知覚可 s 平面・面 f
円・丸いもの ß 流動性のあるもの・液体 h

色彩

色彩
白・明るい色 d くすんだ色・彩度の低い色 p
黒・暗い色 t 輝くもの・光沢のあるもの j
鮮やかな色 b 透明なもの・不定 c

物性

物性
有機体・有機物 e 空間・広がり ö
無機体・無機物 o 音声 ü
力・エネルギー u 不定 a
概念・観念 ä

認知性

認知性は、話者が、その物体に対して抱いている印象などを指します。

認知性
良い・善い x 正しい g 不定 r
悪い q 誤った k

程度を表す補助要素もあります。子音の後ろに付けます。
w:非常に、かなり
y:少し
 

動作

動作は、一般動作基幹動作に二分されます。
基幹動作は、後述する基幹動詞になる基幹形を持ちます。

一般動作
ある・何かにある i 移動する ei なる・変わる ui
動く ai 現れる・知覚できるようになる oi
基幹動作 基幹形
知覚する・外界の情報を受け取る a A
考える・認識する・理解する e E
感じる・思う o O
知る・知っている u U

例:hacer 透明な無機物の液体「水」
ßutorai 動く黒い無機物の円「タイヤ」
facöi 空間のある複数の面「箱」
fwaceiöißatoraii 複数のタイヤのある移動する大きな箱「車」
 

動詞

要素(複数可) (文法基) 動作
子音+母音+… m+母音 n+母音

文法基

i:否定
ä:使役
ö:過去
∅:現在
ü:未来

例:nei「移動する」
mönei「移動した」
neinoi移動して現れる「出てくる」

人称代名詞

一人称 知覚非一人称 非知覚非一人称
一般形 ego aso azo
省略形 G S Z

この言語には二人称という概念が存在しないため、自分かそれ以外か、知覚できるか否かで人称を区別します。

その他の機能語

ñe:並列(〜と)
ña:疑問詞
m:因⇒果(だから)
n:果⇒因(なぜなら)
l~':節形成・関係節開始('で節終了)

その他の文法

基本語順:SVO
文中の動詞が基幹動作のみでない場合、文末には必ず基幹形の基幹動詞を配置すします。
基幹動詞は基幹形そのままで存在し、必ず話者を主語にとります。
疑問文は語末に?を付け、イントネーションを末尾で上げます。
補助疑問文は不明箇所を疑問詞で置換します。

例文

G no, m G ni O.:「我思う、故に我あり」
G mino l G ña'.:「私は私が誰なのかわからない」
l zacäxo ni sacexai' zacax E.:良い考える概念が動く良い有機体にあることは良いと思う「健全なる精神は健全なる肉体に宿れかし」
vaterei müneinoi U.:長くて黒い動く有機体(複数)が移動して現れると知っている「クロマグロがとんでくる」

総括

ミニマル言語作りたいなーと思って、どうせならというノリで変な思想をぶち込んだのがこの言語です。まだまだ人工言語には素人なので、ツッコミどころは大変多いと思いますが、ご容赦ください。

やっべこの言語で「言語」表せないやんけ!

新しい順のコメント(1)

たたむ
 
mujunkonton profile image
矛盾と混沌

哲学的ですごく好きです!裏歌詞を訳してるとこも素敵ですね。
こういうタイプのミニマル言語が流行ってほしい