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第1回架空世界コンペの個人的感想

 どうも、friedriceです。
 姉妹プロジェクトの人工言語コンペもそうしているように、運営でも何でもないですが勝手に皆さんの提出作品について講評(ほぼ感想)を書かせていただきました。あまりクオリティの高いものではありませんが、見ていってくださると嬉しいです。

目次

  • お題
  • 全作品の講評
  • 出題者賞発表後の感想
  • おまけ

個人制作者名について、(基本的に)DiscordまたはMigdalのユーザー名に敬称有で表示しております。どちらかに統一してはおりません。ご了承ください。

お題

ムー大陸とアトランティス大陸があった世界(1936年時点)
発案者:ポ嬢様さん(Discordサーバーネーム)

講評

A.混裵世界 by 中田nakata自由勉遊さん

 トップバッターは中田nakata自由勉遊さんです!この人の作品は今回の提出作品の中で飛びぬけてボリュームが大きく、期間内に作ったとは思えないほどです。
 制作者さんによると、今回の制作をするにあたり「架空世界管理ツール」を使用した、とのことです。このサイト及び制作者さんが配布したjsonファイルを使えば、歴史の流れを地図でゆっくり見たり、地図の分からないところを拡大したり、地球儀で世界を見たりと、様々なことができるので、是非そちらもご参照ください。
 では、本題に入っていきましょう。この世界線でまず目を引くのが、現実の世界線と比較した時の地形の変化です。一応現実と形が似ていることは分かるのですが、おそらくムー大陸とアトランティス大陸があった影響で、海流やプレートなどに変化が起き、そのような地形になったのでしょう。ちなみに、個人的には東南アジアの変化具合が一番好きです。
 地形の変化に伴って、存在する国家やその国境も大きく変化しています。アフリカはより四角く、北アメリカはより自然に、ムーチ(ムー大陸)とアートランティアンス(アトランティス大陸)も興味深い国境(?)になっています。
 歴史を見ていきましょう。先史時代から西暦1936年までの出来事が載せられていますが、ボリュームが大きすぎるので、今回は主に1912~1919年までの国際情勢に絞って見ていきます。1911年以前や1920年以降の歴史も質と量ともに素晴らしいので、是非見てみてください。
 1910年代で一番大きな出来事と言えば、やはり第一次世界大戦(以後WW1)です。この世界でも似たようなものがあり、「混裵世界第一次世界大戦」(以後:KWW1)と名付けられています。戦ったのは「国際協商」陣営と「覇統国」陣営で、おそらくは現実の世界線での「連合国」と「同盟国」に対応していると思われます。
 主戦場はグレストリア州(ヨーロッパ)でしたが、アートランティアンスでの戦いも激しいものでした。世界全体で見ると、WW1と比べて規模がとても大きい戦争になっています。
 KWW1の1年前に、WW1の主要因にもなった「サライェヴォ事件」に似た出来事(サリア危機)が起きていますが、この世界線では戦争は回避されているそうです。KWW1は、国家間の限定的な地域紛争から始まったものが、世界中に拡大したことが原因のようです。このように少し捻ってくるのも上手いなと思いました。というか単純に私の技量が足りないだけで、これくらいの捻りは普通なのかなと思ったりもしました
 WW1といえばの革命・暴動も沢山起こります(不謹慎)。最初はアートランティアンスのアグラシア帝国での社会主義革命(革命後:アグラシア人民共和国)から始まり、次に大朙帝国(大清帝国)での蜂起(明治民国蜂起、おそらく中華民国がモデル)、また、現実の世界線と同じように、1917年にキリア帝国(ロシア帝国)でも革命がおこりました。
 その後多くの戦いを経て、これも現実の世界線と同じように、ハルメンツ帝国(ドイツ帝国)の首都ベルクでも革命が起こり、最終的に(グレストリアでは)覇統国が敗北しました。そして、平和組織「国際同盟」(国際連盟)が設立されました。
 と、KWW1は、WW1の歴史をなぞるように戦争が進みながらも、所々で独特さがあって、そのバランスが丁度良いと感じました。
 最後に、お題に書かれている通り1936年の世界を見てみたいと思います。現実の世界線と似通った所があり、ヨーロッパではファストスト(おそらくファシストがモデル)の政権が誕生し、影響力を強めていました。その東では、コルヴィア社会主義共和国連邦(ソビエト連邦)が構えており、その影響も看過できません。
 ムーチやその周辺では大きな戦争が起こり、多くの政変も生じました。アート後ランティアンスでのアグラシア地域を巡る動乱は、1936年の終わりに終結し、以前と比較してとても小さな領土を持った「アグラシア共和国」が最終的に建国されました。バスコロン(US)での内戦も終結し、東アジアでは軍閥統治の時代に入り、豊葦原瑞穂皇国(大日本帝国)は大陸への野望を深めていました。うーんこれは二次大戦が起こりそうな予感
 まずボリュームが素晴らしくて、ネーミングも投げやりになっていないので、最終的なクオリティが凄まじいです。やっぱり経験者は強いなぁと感じた作品でした。

B.パクス・ムーニア世界 by オガネソンさん

 Discordにて画像のみが提出されたのでリンクなしです。皆さんもご自身で作品を見ることを強くお勧めします。また、今回私(のチーム)はムー大陸とアトランティス大陸がある世界地図を制作者さんからお借りしました。本当にありがとうございました。
 地図から見ていきましょう。ムー大陸とアトランティス大陸が増ええいますが、地形はほぼ変化していません。よく見ると、南欧あたりがちょっと変なことになっていますが。
 地形や気候も描かれています。ムー大陸の北部(特に北東部)は温かく、中央部~南部は(亜)寒帯となっているようです。アトランティス大陸は、西側の大半が温帯で、北東部などは多少寒く、南東部は熱帯・乾燥帯のように見えます。
 詳しい歴史は書かれていませんが、この世界の植民地時代(もしくは大航海時代)では、西洋諸国ではなくムー大陸の諸国が台頭したようです。主に大陸北東部の諸国と南部の国が自身の勢力を大きく広げたようです。それらの勢力圏の中には、(現実の世界線で言うと)新大陸ほぼ全体(カリブ海諸島などは除く)、アフリカ大陸の大部分、アトランティス大陸全体、ニュージーランド、台湾、樺太から日本の関東地方までが含まれており、ムー大陸の諸国家が相当強かったであろうことが見て取れます。
 最後に1936年の世界を見て終わりましょう。ヨーロッパは共和制ローマに統一されており(?)、西アジアではオスマン帝国・ペルシャ帝国・大アラビア王国などの大国が乱立しています。ペルシャ帝国領以外の中央アジア地域は、大体トルキスタン連邦共和国の領土となっており(???)、シベリア地域はモンゴル連邦共和国が統一し(?????)、日本はアイヌモシリ王国・大和連邦帝国・琉球王国に分かれており、統一されていません(???????)。アフリカでは植民者相手に何とか耐えたであろうエジプト帝国とリビア王国が隣り合わせになっており、北アメリカでは現実の世界線と比べて国家数が増えています。ムー大陸では植民地時代の国家が未だに残っており、アトランティス大陸では国家名が何も記載されていません。映す価値ナシということなのでしょうか?
 ムー大陸が覇権を握るという、何ともロマン溢れる設定でありながら、他の国々もいい国境(?)をしていて、分かりやすさと格好良さが並立している作品でした。あと、個人的にはアイヌモシリ王国が好きです。

C.ふたりはcontinents by チーム 日本西ムー大陸会社

 私、とりごにさん、はちわれさんによるチーム「日本西ムー大陸会社」の作品です。審査対象内でラストです。もともとはmigdalの記事をメインにして提出するつもりだったのですが、間に合わず言語だけでの提出になりました。
 見出しに参照されている辞書は、ムー大陸で一番多くの人に使われている言語「タラターンガ語」のものです。アトランティス大陸で話されており、大陸統一国家の公用語である「ヴェクティル語」の辞書もご覧ください。
 ちなみに、作品名はノリでつけました。元ネタはプリキュアです。

α.アトランティダ・イ・ムー by 矛盾と饂飩さん

 ここからは制作者の希望により、もしくは提出期限に間に合わなかったことにより審査対象外となった作品を見ていきましょう。とはいっても、全部制作者の希望によるものなので、クオリティは普通に保障されてます。
 Discordにて架空世界を基盤にした小説のPDFファイルのみが投稿されているので、リンクなしです。小説作品のネタバレが含まれますので、この講評を読む前に、一度作品を読むことをお勧めします。ちなみに、制作者さんはmigdalにて「矛盾と混沌」というアカウント名で活動されており、ミニマム言語の作成をしていることなどで有名です。
 この物語は、ムーに住む兄ホセとアトランティス(アトランティダと呼ばれる)に住む弟アントニオのガルシア兄弟が、互いに送り合う手紙と、その背景描写によって構成されています。彼らはスペイン人で、二人ともがその植民地であるムーとアトランティダで働いているそうです。この記事では、主にその手紙に注目しながら、この世界線における1936年のムーとアトランティダ、およびスペインの様子を見ていきたいと思います。
 物語は、1936/1/18のアントニオからホセへの手紙から始まります。その内容によると、2月にスペインで総選挙が行われるようで、ここは現実の世界線と同じです。アトランティダ先住民の若者たちが、現地語の使用や自治権の取得など現地人の権利拡大を求めている、とも書かれています。
 彼が住むサンタ・ルシアは、アトランティダに多くある漁港の一つです。天候によって収入が大きく左右される漁師が多くいますが、彼(およびホセ)は現地に建設された診療所で修道士・宣教師として働いていると思われます。また、アトランティダの面積はおよそ二十万平方キロメートルと書かれています。
 2つ目の手紙は、長い船旅をしたアントニオの手紙を読んだホセが、4/16に弟に宛てて書いたものです。彼は長い間ムーで働いており、その間に地域の支配国家がスペインからアメリカに代わりましたが、そのままムーに留まったようです。ムーには、行政をするアメリカ人、彼のように留まっているスペイン人、中国人商人など、様々な人がいるようです。ちなみに、彼はプエルト・デ・サン・ミゲルという所に住んでいます。
 ムーは「総面積五十万平方キロメートルに及ぶ島々の集まり」と書かれており、大陸ではないと考えられます(間違っていたらごめんなさい)。オーストロネシア系ではない言語を話す人々もおり、先住民たちには多様な文化があると思われます。アトランティダの人々と同じく彼らも、自分たちの言葉を護ろうと思っていました。
 また、2月の総選挙が終わった後も、共和派と保守派の政治的対立、特に教会への待遇を巡ってのものが続いている、とラジオが告げていました。
 3つ目の手紙は、7/7、アントニオからホセへの手紙です。手紙が届くまでにおおよそ3ヵ月弱かかるということが分かります。じわじわと大きくなっていた対立がついに破裂し、スペイン本国では軍部の反乱が起こり、現実の世界線と同じように血で血を洗う戦いが始まる予感がします。アトランティダでも、駐留軍と総督府、労働組合、自治・独立派などの間での緊張が高まっていました。
 9月に入ると、アトランティダでも軍部の圧力が強くなっていきました。政治集会は統制され、民主的な自由ではなく国や海外領土全体の秩序を重きに置く考えが強まっていました。その中で、アントニオはホセへもう一つ手紙を書きました。その内容は詳しくは語られていません。
 (9月の手紙を入れて)5つ目の手紙は、12/20、ホセからアントニオへのものです。ついにスペイン本国では内戦が始まっていました。現実の世界線とは時期が違うものの、絵画でも有名な街ゲルニカのあるバスク地方が爆撃されることもあったようです。
 そんな中、ムーに留まっているスペイン人の中でも小さな対立が起こり始めました。反乱軍を支持し、教会に訴えかける人、共和派を支持し、ムーで集会を起こそうとする人、どちらにもつけない中国商人、自分たちの言葉を守ろうとする現地人など、色々な人と話して、ホセは改めて教会の立場や自分がするべきこと、そして「スペイン」とは何かについて考えていました。そして、ホセが手紙を書きあげたところで背景描写は終了します。
 物語は、手紙の中でホセが「自分たちはとにかく目の前の人を助けなければならない」とアントニオを励ましたところで終わります。スペインがその後どうなるかは分かりませんが、兄弟両方の信念が最後に伝わってきました。
 戦時・紛争時の人々を描く小説はあまり読んだことがなかったのですが、少し弱々しくともまっすぐな心情描写が多くあり、とても心に訴えかけてくる作品だと思いました。世界全体を描写しているかと言われればアレですが、このように一つを切り取るのも良いなぁと感じました。

コンペ全体の感想

今回の出題者賞は中田nakata自由勉遊さんの「混裵世界」(作品番号A)でした!おめでとうございます!
 今回は、第一回にふさわしくお題もシンプルなもので、だからこそ制作者の皆さんのセンスが光る作品が多かったと思います!あ、このこと運営による選考理由に書かれてますね
 (もう話すことが無いので)次回開催の話に移りますが、次回は1月と結構近いです。今回は提出数が少なかったので、次回はもっと多くなるといいなと思います。そう言いながら私自身も参加できるかは分からないですが。
 今月(投稿時)は人工言語コンペもありますので、是非そちらにもご参加ください!改めて、架空世界コンペ初回、お疲れ様でした!また、最後までお読みいただきありがとうございました!

おまけ:私たちの作品の制作記およびあとがき
参加チーム名「日本西ムー大陸会社」
Menber
  • とりごに
  • はちわれ
  • 炒飯

 タラターンガ語を作りました。これ以外ほとんど仕事してなくて顔ない!
by とりごに


 アトランティス大陸の設定を書いたはちわれです。
 地図の方を主に作成しました。ぜひご覧ください!
by はちわれ


 こんにちは、炒飯です。Discordの鯖名は今の所ちゃはーんになってます。
 今回は人工言語コンペと違って、これまでの技術がなかなか活きなかったので困りました。他の参加者の皆さんの半数(うちのチームを1と数える)は自作地図を使って投稿されていたので、やはりそういう面での知識や技術がないと歯が立たないなぁと強く感じました。
 それ以外にも、期間が長いからと舐めてかかって記事のスケールを見誤ったり、migdalが死んで蘇生してを繰り返したりと、アクシデントが沢山降りかかったので、最終的に言語だけを審査対象として提出することになってしまいました。これでは人工言語コンペになってしまい本末転倒です
 現在、期間中に完成しなかった記事を整えてから投稿するために鋭意編集中です。是非私たちの作品をご覧ください!
 お題発案者のポ嬢様さん、共に制作してくださったとりごにさんとはちわれさん、地図を貸していただいたオガネソンさん、運営の皆さん、本当にありがとうございました!
 by 炒飯

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