この記事は人工言語コンペ2025年冬 (第10回) 提出作品です。
お題
邪神、悪魔、亡霊、悪鬼…この世に存在する邪悪な者たち。
その邪悪な存在と交信し、召喚するのに使われるのはある特別な言語。
さて、それはどんな言語でしょうか?邪悪な存在に関する神話や伝説の体系と、交信や呪文に使われる言語を作り解説してください。
ただし、もし「本物」を召喚してしまった場合は自己責任となりますのでご注意を…
注意
この記事には一部残酷な表現が含まれます。閲覧の際はご注意下さい。
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よう、やっと目を覚ましたみてえだな。ああ、起き上がらなくていい。ひでえ怪我だからな。今はじっとしておけ。
おいおい、そんなに怖がらねえでくれよ。俺は盗賊なんかじゃない、ただのしがない猟師だ。お前さんが森ん中で倒れてたんで、うちに運んできただけだ。
さあ、まずは何があったのか聞かせてもらおうか。
なになに……森ん中を歩いていたら、空から天使みたいな子どもが現れて、いきなり光の球を投げつけられた……?
……ああ、やはりか。お前さん、そりゃあ「天人」だ。見た目に騙されちゃあいけねえよ。奴らは天使なんかじゃない。悪魔なんだからな。
お前さんここら辺の人間じゃねえだろう?だったら天人を知らねえのも無理ねえな。……そうか、お前さん天人に興味があるのか。なら聞いて行くといい。俺らが奴らにどれほど虐げられきたのかをな……。
奴ら……天人は、何千年も昔から空の上に住んでいる正体不明のバケモンだ。神の使いだとか遠い星からきた宇宙人だとか言われてるが、実際奴らが何者なのかは誰も知らねえ。世界のどこかにある空飛ぶ島に住んでいるとの言い伝えもあるが、そんなもん見たことのある人間もいねえしな。
ただ一つ言えるのは、奴らが人間を虫けら程度にしか思っちゃいねえってことだ。
奴らの見た目はクソガキそのものだが、その能力は人間を遥かに超えている。謎の力で空を飛んだかと思えば、でけえ岩を持ち上げたり、火を起こして村を焼き払ったりする。
お前さんが食らった光の球も奴らの力の一つだな。奴らはその力を使って、人間をオモチャにして殺すんだ。ちょうど悪ガキがトンボの羽をもいで遊ぶみたいにな。俺は奴らの愉しみのために殺された人間、死ぬより酷い仕打ちを受けた人間を何人も見てきた。
そう、俺の親父とお袋もな……。
悪りい悪りい、こんな湿っぽい話、柄じゃねえってのにな。だが俺も、たまにはこうやって話さねえとやりきれねえもんがある。くだらねえ昔話だと思って聞いてくれ。
俺の親父とお袋は、「天人教」の熱心な信者だった。ああ、天人教ってのは、簡単に言やあ天人を神様の使いだって信じて拝む宗教のことだ。俺からすりゃあ馬鹿馬鹿しい限りだが、まあ親父とお袋にはガキの頃にその教えについていろいろ説教を受けたもんだ。
見てくれ、こいつは親父が礼拝の度に持ち歩いていたノートだ。天人教の教えが書いてある。天人教を知りてえなら、俺が説明するよりこれを見る方が早いだろう。良かったら読んでみてくれ。
天人様と我ら卑小なる人間の由来
まだ天地が分かたれたばかりの頃、神は自らを模して双子の御子を創りたもうた。双子は幼いまま決して老いず、そして神力の一端を操ることができた。ある時神は双子に仰られた。
「我は下界をますます豊かにすべく、神殿にて汝らの他に新たな生命を創らんとす。我が生命を創る間、決して神殿に足を踏み入れるべからず」
双子の片方は、この言いつけに素直に従った。
しかしもう片方はこれを守らず、神殿に入り中を覗いてしまった。
神殿の中では神が獣を創っていた。言いつけを破った御子は、一対の獣が子をなすため卑しく交わるのを目にしてしまった。
神は激しく怒り、言いつけを破った御子を獣と同類に貶めてしまった。これが我ら人間の祖先である。
一方、神は言いつけを守った御子を大いに褒め称え、これを模してさらに多くの御子を創りたもうた。そして我ら人間が地上にのさばらぬよう戒める役目を与えられた。これが天人様の由来である。
この来歴から分かるように、穢らわしき我ら人間共が天人様からの戒めを受けるのは至極当然である。我らは自らの祖先が犯した過ちを懺悔し、天人様からの戒めを甘んじて受け入れなければならないのである。
天人様への懺悔
我らは神の御使いであられる天人様に懺悔し、死後天人様に生まれ変わることへの赦しを得なければならない。かくなる上は天人様を我らの元へお呼びしなければならないが、誠に下劣な我らの言語でお呼びするのは許しがたい非礼である。よって、天人様の美麗かつ高尚なる言語を僭越ながらお借りして、天人様にお越しいただきたい旨をお伝えしなければならない。
天人様をお呼びするためのまじないを下に記す。
faluir, faluir, näčkät mäpšäc sčïërïët säčüïn kuiqrüom.
天人様、天人様、穢らわしき声でお呼びするのをお許しくださいnäčqät näpc lïëčïët säčüïn kuiqrüom.
穢らわしき身で触れるのをお許しくださいkafp soačüom hyt mänüïf räfüïk suiküom.
どうか天より舞い降りて、私のこうべの上に降り立ちくださいmänüïs faluif häpctüik sarm.
我らはそなたの玩具ですtant fačtran tarftoat ploaš cäfüït mänüïf näpüïc huipüom.
この願いが叶えれられし折は、我らの卑小な身体を弄びください
どうだ、笑えるだろ? こんな馬鹿げたお伽話、誰が信じるかってんだ。大体、あんな連中になんで俺らが媚び諂わなきゃならねえってんだよなあ?
……だが親父とお袋は本気だった。このメモの通りにオマジナイを唱え、呼び出した天人に殺された。
ひでえ有様だったよ。親父はもぎ取られた頭と手足を滅茶苦茶に付け替えられた状態で死んでいた。お袋は腹に穴を開けられ、そこに手足と頭を突っ込まされていた。まだ腹ん中にいた弟が、その背中に乗っけられていた。
俺だけが、あの天人の気まぐれで生かされた。あの野郎、去り際に何て言ったと思う?
teker, fens takt palk šriaqal narëit tfiaktran makaüm!
人間さん、一生忘れられない思い出ができたね!
クソッ……思い出しただけで吐き気がする。
それで俺は決めたんだ。俺は全ての天人を皆殺しにする。奴らに、俺らが受けた痛みも、恐怖も、屈辱も、全部返してやる。全部だ。そのためだったら俺は……
……ああ、すまねえな。少し熱くなりすぎちまった。話を変えよう。まあ何はともあれ、親父がこういうオマジナイを書き残してくれていたのはありがてえ限りだ。おかげで好きな時に奴らを呼び出して仕留めることができるんだからな。
それに親父は天人の言語についても書き残してくれていてな。敵を殺るにはまず敵を知らなきゃだろう? 俺もこう見えて天人の言語を必死に勉強してな……
なんだお前さん、天人の言語に興味があるのか? へえ、随分と物好きなんだな。まあいい。親父が書いた天人の言語のメモも見せてやるよ。その身体じゃ当分はマトモに動けそうにねえし、勉強してったらいい。
まずは天人共の言語の発音から始めるとするか。早速だが親父のメモの最初のページを見てくれ。
天人様の言語は、11の母音と13の子音を持つ
y : 口から力を抜いて発する、曖昧な声
a : 唇を丸めず、口を広げ、舌は後ろ側
e : 唇を丸めず、口を半分狭め、舌は前側
i : 唇を丸めず、口を狭め、舌は前側
o : 唇を丸め、口を半分狭め、舌は後ろ側
u : 唇を丸め、口を狭め、舌は後ろ側
ä : 唇を丸めず、口を広げ、舌は前側
ö : 唇を丸め、口を半分狭め、舌は前側
ü : 唇を丸め、口を狭め、舌は前側
ë : 唇を丸めず、口を半分広げ、舌は後ろ側
ï : 唇を丸めず、口を半分広げ、舌は後ろ側
p : 唇で破裂させる音
t : 歯茎で破裂させる音
k : 口の奥で破裂させる音
f : 唇と歯で空気を擦る音
c : 歯茎で破裂と空気の擦れを同時に起こす音
č : 歯茎の後方で破裂と空気の擦れを同時に起こす音
s : 歯茎で空気を擦る音
š : 歯茎の後方で空気を擦る音
q : 歯茎に舌先をつけ舌の側面で空気を擦る音
h : 喉の奥で空気を擦る音
m : 唇を閉じ鼻から空気を通す音
n : 舌先を歯茎につけ鼻から空気を通す音
r : 歯茎で舌先を震わせる音
l : 歯茎に舌先をつけその側面で響かせる音
試しに少し発音してみたらどうだ? ……おう、思ったより上手いじゃねえか。なに、いろんな言語を学ぶのが好きだから慣れている……? 変わった趣味を持った人間もいるもんなんだな。まあ、だったら話は早い。説明の続きを読むとしようか。
天人様の言語の最大の特徴は、一つ一つの単語の中に感情表現が豊かに埋め込まれている点である。天人様の言語の単語は、基本的に子音だけで意味が完結している。そこに話し手が自由に「感情母音」を挿入して発話することで文が完成するのである。
いかにも、純真無垢で感情豊かな天人様に相応しい言語である。穢らわしき我ら人間が話すのは誠に畏れ多いが、天人様への懺悔のため、以下に文法を示す。
けっ……何が「純真無垢で感情豊かな天人様」だ。奴らに純真さなんざ欠片もあるもんか。奴らにあるもの、そりゃあ人間への悪意と軽蔑だけだ。まあとにかく、お次は文法だな。語学好きのお前さんにゃあそれほど難しくはないだろう。
天人様の言語を扱うには、まず「感情母音」を覚えることが欠かせない。感情母音を挿入しなければ、そもそも単語を発話できないからである。以下は、主な感情母音の例である。
y : 無感情。特に感情を表さない
e : 関心・興味
ë : 無関心
a : 好感・喜び
ä : 悪感・嫌悪
i : 悲しみ
ï : 怒り
o : 発見。何かに気づいた時に用いる
ö : 恐怖
au : 驚き・想定外
äü : 想定内・予想通り
ai : 愛情。特別な相手だけに用いる
äï : 憎悪
ia : 楽しさ・愉快
ïä : 退屈
iu : 理解
ïü : 混乱・困惑
oa : 期待・興奮
öä : 諦観
oi : 同情・共感・慈悲
öï : 非同情・不共感・無慈悲
ao : 賞賛
äö : 失望・呆れ
ae : 納得
äë : 反抗
ui : 尊敬・丁寧
üï: 軽蔑・侮辱
io : 同意・賛成
ïö : 反対
ie : 感謝
ïë : 謝罪
aï : 賞賛
äi : 非難
ïo : 後悔
aö : 願望
aü : 同意の要求・確認
äü : 伝達。相手に知ってもらいたいという気持ち
ou : 自信・信念
ïi: 疑問。文を疑問文にする
uä : 命令・要求
üa : 提案・勧誘
eü : 意志
ëa : 経験に基づく推論
ëi : 知識に基づく推論
ëe : 状況に基づく推論単語内で感情母音を挿入する位置は特に決まっていないが、語中に挿入されることが多く、語頭・語末に挿入されることは少ない。また、語頭・語末では3つ以上、語中では4つ以上の子音することは嫌われ、それらを避ける位置に感情母音を挿入することが多い。
tks → teks 「人間(興味を含意)」
mpšs → mapšas 「声(好感を含意)」1つの単語に複数種類の感情母音を挿入することもできる。
kmm → koamaöm 「食べる(期待と願望を含意)」感情母音は、単語に挿入せず単独で用いることもある。
o 「あっ」(何かを発見した時に用いる)
äü 「ねえ」(呼びかけに用いる)
どうだ、覚えられそうか? まあ人間の言語にはない文法だからな。最初は少し戸惑うだろうが、練習すりゃあ簡単に使いこなせるようになるさ。こういう暗記には慣れてるって? ははは、語学好きさんは言うことが違うぜ。ほら、続きをしよう。
天人様の言語は極めて簡潔な規則を持つ。それぞれの単語の最後の子音が、文中でのその単語の役割を示す。
m : 動詞述語形。文の述語となる動詞
t : 動詞連体形。名詞を修飾する動詞
l : 動詞連用形。他の動詞を修飾する動詞
s : 名詞主格。動作を行う者
f : 名詞属格。所有者
n : 名詞対格。動作の対象
k : 名詞与格。動作の着点や受容者。
p : 名詞奪格。動作の起点、比較対象、原因。
š : 名詞処格。動作を行う場所や時間
c : 名詞具格。動作の手段や道具
č : 名詞共格。動作を共に行う者
r : 名詞呼格。呼びかけ文は主語、目的語、述語動詞の順に並べることが多いが、必ずしもそのように並べる必要はない。また、主語や目的語は、文脈から明らかな場合は省略できる。
mäns faluin šlam.
私は天人様を見る。修飾は前から行う。
faluif puirt šlas
天人様の美しい目faluis qafal tüïkäk sčam.
天人様は飛んで人間の元に来る。一部の動詞は助動詞としても使える。助動詞の修飾を受ける動詞は助動詞の前に置かれ、連用形となる。
faluis qafuil kuiqaëm.
天人様は空を飛べる。
簡単だろ? 不規則なルールなんかねえし、説明することと言ったら本当にこれくらいだ。ノートの後ろに例文がたくさん載ってるから、こまけえことはそれを見ながら覚えりゃいい。あとこっちには親父が作った辞書もある。怪我が治るまでの良い暇つぶしになるだろうさ。
そんじゃ、俺は今日の晩飯を調達してくるとしよう。帰ってくるまでにどこまで覚えてるか見ものだな。そんじゃ留守番は頼んだぜ。
おい、起きろ。朝飯ができてるぞ。
お前さんがうちに来てもう1週間か。怪我の具合も随分良くなったみたいだな。それにしてもお前さんの語学の上達ぶりには驚きだぜ。本当に天人が喋ってんじゃねえかと思うぐらいだ。
さて、それじゃあ俺もそろそろ「反撃」を始めるとするか。何のことかって? 当然、お前さんをこんな目に遭わせた天人の野郎に一泡吹かせてやんだよ。もうこれ以上、奴らに好き勝手やられるのはごめんだからな。
心配すんな。こう見えて俺は今までに数え切れないくらいの天人を仕留めてんだぜ? 簡単なことだ。森ん中の拓けた場所でオマジナイを唱える。天人が来る前に茂みに隠れ、気づかれる前にこの猟銃で脳天ぶち抜けばおしまいさ。
なに、お前さんも付いてきたいって? 何言ってやがる! ダメだダメだ! 言っただろ? お前さんは一度天人に襲われて助かっただけで幸運だったんだ。次出会ってヘマでもしたら、2人仲良くあの世行きだぞ!
……ああちくしょう、分かった分かった! そんなに俺が心配なら付いてきたらいいさ。ただ絶対に俺の隣で大人しくしてるんだからな? せっかく一度助かった命なんだ。俺だって無下にしたくはねえからよ。
じゃあ、飯食い終わって、準備が済んだら出発するからな。それまでに覚悟決めとけよ?
よし。だいぶ森の奥へ来たな。この拓けた場所なら奴らを呼び出すのに丁度良い。いいか? オマジナイを唱えたら、すぐにあのでかい倒木の後ろに隠れるぞ。天人が降りてきたら俺が仕留めるからお前さんはただじっとしてりゃいい。
そんじゃあ準備はいいか? 唱えるぞ。
faluir, faluir, näčkät mäpšäc sčïërïët säčüïn kuiqrüom.
天人様、天人様、穢らわしき声でお呼びするのをお許しください
näčqät näpc lïëčïët säčüïn kuiqrüom.
穢らわしき身で触れるのをお許しください
kafp soačüom hyt mänüïf räfüïk suiküom.
どうか天より舞い降りて、私のこうべの上に降り立ちください
mänüïs faluif häpctüik sarm.
我らはそなたの玩具です
tant fačtran tarftoat ploaš cäfüït mänüïf näpüïc huipüom.
この願いが叶えられし折は、我らの卑小な身体を弄びください
よし、隠れろ!
…………
äü, kyrsyš tekef mepen fains haünoam?
あれえ、今人間さんの声聞こえなかった?
myns hionäüm. teker, qenfkes trïim?
聞こえたよねー。人間さん、どこにいるの?
……!? 天人が2体!? まずいぞ! これじゃ片方を一撃で仕留めてももう片方にやられる!!
teker! sčuäm! mančač hoapüam!
人間さーん! 出ておいでー! 一緒に遊ぼうよー!
o! tekes lenen tont rort pocok pëeqnaüm?
あ! もしかしてあのおっきな木に隠れてるんじゃない?
クソッ! 察しのいい奴らめ!
……お前さん、すまんが生きて帰れる保証はなくなった。こうなった以上俺らにできることは、殺されねえのを祈りながら、奴らの気が済むまで付き合うことだけだ。手足の1本や2本失くすかもしれねえが、どうか許してくれ。じゃあ行くぞ!
faluir, fanuin šlat sčas raral lapam. cäfüït mänüïk fanuis sačat sčas kuileam.
天人様、お会いできて光栄です。我ら卑小な人間共の元へお越しくださりありがとうございます。
oa! teker, manč šoapïim?
わあー人間さん! 一緒に遊んでくれるの?
io, faluik čansoat plak.
……ええ、天人様が満足なさるまで。
a! fyl, tant rakiac šoapüam!
やったー! じゃあこのボールで遊ぼうよ!
tant rakan coakqoat hyt čonf loncot pocok loačriat fals kamtäüm!
このボールを蹴って、あの高い木のてっぺんに当てた人が勝ちね!
ボールって……生首じゃねえか……!! クソ野郎共が……!!
io, io.
……ええ、もちろん。
kyrsyč tekef mešes qoapüum!
じゃあ人間さんたちからやってみて!
ちくしょう、何でこんなことを……! だがやらなきゃ俺らもこの生首と同じ運命だ。俺からやるぞ! おらあっ!!!!
ia! liačäöl näörm.
あははは! 届いてないよー
teker, cpoal moakčüum. henqet tekes roašküum!
人間さんもうちょっと頑張ってよ。次、もう1人の人間さんね!
次はお前さんの番だ。……すまねえ。こんなクソみてえな遊び、やりたくねえのは分かっているが……。
どうした? もしや、怪我が治りきってねえのに歩いたせいで、足が痛えのか? ……分かった。
faluir, täns mänk kirqüïl fähküïm. faluis coakqüum.
天人様、この者も私同様の非力です。どうぞ天人様がお蹴りください
äë, čpäëčäl näörm. ae, mans roaškeüm. eü!
えーつまんないなあ。まあいいや。じゃあ次私ね。えいっ!
o! roks ščäitim!
あ! ボール割れちゃった!
ia! mïortial cïokqiam.
あはは! 強く蹴りすぎちゃった
fainf saks nüïčkiftäm.
足汚れちゃったねー
nüïčäkaüm.
汚いねー
クソッ……なんて連中だ。おぞましいなんて言葉じゃ足りねえくれえのゴミクズ野郎じゃねえか……!
äü, rakšoal "tliacpsačian" toatüam.
じゃあ次は、「指折り」やろー
io, oa.
いいねー
teker, "tliacpasčoan" sfïim? rans snan poapsiam hyt makt flaf tlan coapiam. roaktal mašt tlan makt flas koamtäüm!
人間さん、「指折り」って知ってる? 全員で追いかけっこして、捕まえた相手の指を折るの。1番多く指を集めた人の勝ちね!
...teker, qens sčïim? fčëel nirïim?
……人間さん、どうしたの? やりたくないの?
iu! tekef cpet tles kekliul noraüm?
そっか! 人間さんは折れた指が生えてこないもんね
fyr, teken foaträüm rakak! šrsš kičkïot rikis "tliacpsačian" qiket tekek säürm.
じゃあさ、人間さんたちもボールにしてあげるよ! さっき壊しちゃったボールもね、指折りを嫌がった人間さんだったんだよ
mans ceft tekeč "tliacpasčoan" hapl koact pylš rert tekef netes sčïüm hyt čenk rïüraul tïüšnäüm. hänkqäm syp, čent neten rakak faträüm.
私たちが小さい人間さんと指折りしようとしたらさ、大きい人間さんが2人来てすごく怒ったの。うるさかったからその2人をボールにしてあげたんだよ
……!!
čent rakac ceft tekeč hoapal kčoam nik, ceft tekes nipïül niräüm. syp, hapt teken poapsal träüm.
そのボールで小さい人間さんと遊ぼうとしたのに、小さい人間さん動かなくなっちゃってさ。だから遊び相手を探してたんだ
tekes rakak ftoal fčïim? lyš, "tliacpasčoan" hapïim?
人間さんもボールになりたい? それとも指折りがいいかな?
……ざけんなよ
teker, qenes sčïim? fenf pens räräl taurtäüm.
人間さんどうしたの? とっても怖い顔してるよ?
ざっけんなよ!! いつもいつも俺らをオモチャにしやがって!! 俺らが何をしたってんだ!! てめえらに何をしたってんだよ!! その2人も!! 俺の親父もお袋も!! 殺される筋合いなんてなかっただろうが!!
qaunäön rïipium?
何て言ってるの?
säökniul räöpiul näörm fyr säöfiul käöqiul näürm.
ちゃんと喋ってくれないと分からないよー
返せ!! てめえらが笑いながら殺した人間全員返せよ!! でなきゃあ今ここでぶっ殺してやる!! クソ野郎共が!!!! 死ねええええええええ!!!!!!!!!
au, ia! kiacpäm, äi. täküïr, triatiat pianüïn käkäl näruäm hyt šüïmčuäm. äü, PIS PIS! täküïs liapat plyš tänän küïkaüm?
うわっ、あははは! 危ないなあ、もう。人間さん、怖い顔しないで笑ってよ。ほら、ぴーすぴーす! 人間さんは嬉しい時こうやるんでしょ?
が……あ……?
に……にげ……ろ……
o, täküïs tiaküïm.
あー人間さん死んじゃったー
tüïkiom.
死んじゃったねー
čiaqöïsüïm.
かわいそーう
čiaqüïsiom.
かわいそうだねー
o, hänqüït täküïr, qenep piašpïim?
あ、もう1人の人間さん。そんなに震えてどうしたの?
äü, šüïmčuäm. nöïlfäüm, täküïs miarsaš tiakäüm.
ほらあー、笑って? 大丈夫だよ、人間さんもすぐ死んじゃうからね
人間さん、私たちに勝てるだなんて思わないでね?
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