Migdal

んらんゔぉ
んらんゔぉ

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キリエニア語について

今回は私が作ったキリエニア語について投稿します。
内容は https://killiena.wordpress.com/ と同じです。
キリエニア語はエスペラントを参考にした擬似自然言語(芸術言語)です。

英語ではKillienian、キリエニア語ではKillenaと呼びます。

ルーツはラテン語で、エスペラントとともに北ロマンス語を形成します。

目次

* アルファベトと発音
* 二重音字
* 硬音文字と軟音文字の発音
* 音韻と発音
* 母音
* 子音
* 文法
* 文型
* 冠詞
* 代名詞
* 人称代名詞
* 指示代名詞
* 不定代名詞
* 指示代名詞、不定代名詞の格変化
* 相関代名詞
* 否定代名詞
* 名詞
* 動詞
* 基本動詞
* 動詞の変化
* 話法助動詞
* 否定助動詞
* 複合助動詞
* 疑問助動詞
* 与格主語
* 形容詞
* 形容詞の限定詞的用法
* 最上級・比較級
* 形容詞の変化
* 数詞
* 数詞の変化
* 数量詞
* 否定数量詞
* 数名詞
* 前置詞
* 接続詞
* 疑問詞
* 疑問詞疑問文
* 主格疑問詞
* 関係詞
* 間接疑問文
* 副詞
* 間投詞
* 借用語
* 固有名詞
* 方言
* 北戸方言
* 南戸方言
* ロネシア方言
*語彙集

アルファベトと発音

キリエニア語で使用する文字:alʻpabhet(アルファベト)は以下の通りである。母音字には硬音文字と軟音文がある。子音は後ろに付く母音が硬音文字のときと軟音文字のときで発音が変わるものがある。軟音文字の時に発音が変わることを軟音化と呼ぶ。強勢アクセントは第一音節に置かれる。また、最終音節が開音節であれば最終音節から二番目を高く発音し、最終音節が閉音節であれば最終音節を高く発音するピッチアクセントがある。

文字 対応するキリル文字 名称 発音(硬音) 発音(軟音) 備考
A a А а a(ア) /a/ 前の子音を軟音化する
Б б Ƃ ƃ bhe(ビェ) /b/
B b В в be(ヴィェ) /b/ /v/ ※子音の後ろに置かれて無音化し前の子音を軟音化する
C c Г г С с ce(シェ) /g/ /s/
D d Д д de(ヂェ) /d/
E e Е е e(エ) /e/ 前の子音を軟音化する
F f ef(エフ) /f/ 外来語のみで使う
G g Ґ ґ ge(ジェー) /g/ /ʐ/
H h И и hta(イタ) /ɨ/ 前の子音を軟音化する
I i І і i(イ) /i/ 前の子音を軟音化する
J j Ј ј jota(ヨタ) /ʝ/
Ĵ ĵ Ж ж ĵo(ジョー) /ʐ/ キリル文字жの翻字用に使う
K k К к ka(カー) /k/
L l Л л el(エル) /l/
M m М м em(エム) /m/
N n Н н en(エヌ) /n/
O o О о o(オ) /o/ 前の子音を軟音化する
P p Р р phe(ピェ) /p/ /ɻ/
Ↄ ↄ П п phi(ピ) /p/ キリル文字п、ギリシャ文字πの翻字用に使う
Q q Ҁ ҁ qu(ク) 外来語以外は”qu”の形でのみ使われる
R r Ҏ ҏ er(エル) /ʁ/
S s Ѕ ѕ es(エス) /s/ /dz/(母音に挟まれたときは/z/)
T t Т т te(チェ) /t/
U u ъ u(ウ) /u/ 前の子音を軟音化する
V v Ѵ ѵ vu(ヴ) /v/
Y y У у ypcilon(ウプシロン) /u/ 前の子音を軟音化する
X x Х х xi(ヒ) /ks/ /x/
Z z З з zeta(ジェータ) /z/
W w Ѡ ѡ w(オ) /o/ 前の子音を軟音化する
Ææ Ӕ ӕ jæs(ヤス) /a/ 前の子音を軟音化する
Ç ç Ҫ ҫ ceçedilla(シェチェヂラ) /ts/
Œ œ Ө ө œ(ヨ) /œ/
ɥ ч cчe(チェ) “cɥ”の形でのみ使われる(稀に“zɥ”)
Ɯ ɯ Ш ш шa(シャ) /ʂ/
ʻ ῾ha(ハ) 二重音字で使われる
ƅ Ь bedeu(ヴェヂェウ) キリル文字ъの転写でのみ使用
Ë ë Ё ё jo(ヨ) /ʝo/ キリル文字Ёの転写でのみ使用
Î î И и î(ウィ) /ɨ/ 前の子音を軟音化する
Ö ö Ӧ ӧ œ(ヨ) /ø/ 前の子音を硬音化する トレマとして使う場合は/o/
Ü ü Ю ю y(ユ) /y/ 前の子音を硬音化する

二重音字

キリエニア語では2つの文字で1つの発音を表すものがある。二重音字と呼ぶ。

文字 対応するキリル文字 発音(硬音) 発音(軟音) 備考
ч /ʈʂ/
he ие
hi иі
io ю /y/
qu ҁу /kv/ /k/
ц /dz/ キリル文字цの転写で使う際は/ts/
῾t Ѳ ѳ /t/ ギリシャ文字θに由来する語で使う
῾p Ф ф /f//ɻ/ 軟音はギリシャ文字῾ρに由来する語で使う
῾h ʻи /h/ ラテン語のh(/h/)の転写に使うことがある
῾a ʻа 無音子音 ラテン語aeに由来する῾ae(/e/)に使われる他、声門閉鎖音を転写する際に使う
῾c ʻг /k/ ラテン語のc(/k)の転写に使うことがある
῾e ʻе /h/ ヘブライ文字の”ה”の転写などに使う
῾o ʻо 無音子音 ラテン語oeに由来する῾oe(/e/)に使われる他、咽頭摩擦音を転写する際に使う
ↄc /ps/ ギリシャ文字ψの翻字用に使う

硬音文字と軟音文字の発音

硬音文字と軟音文字の発音は下記の通りである。

硬音文字 軟音文字 発音
a ӕ /a/
he e /e/
h î /ɨ/
hi i /i/
o w /o/
ö œ /ø/
u y /u/
ü io /y/

音韻と発音

母音

キリエニア語では以下の母音が使われる。

前舌 中舌 後舌
非円唇 円唇 非円唇 円唇
[i(ː)] [y(ː)] [ɨ(ː)] [u(ː)]
広め狭 [ɪ] [ʊ]
半狭 [e(ː)] [o]
中央 [ə]
半広 [ɛ] [œ(ː)] [ɔ(ː)]
狭め広 [æ] [ɐ(ː)]
[a(ː)]

これらの母音の音素は、以下のように強い発音と弱い発音に分かれる。弱い発音はアクセントの伴わない発音や弱く発音される単語、弱弱しく発生される文に使われる。強い発音はアクセントが置かれた場合や、単語や文を強調してはっきり言う場合に使用する。子音では /ʝ/のみ弱い発音と強い発音の区別がある。

強い発音 弱い発音
開音節 閉音節 子音の直後 その他
/a/ [aː] [a] [æ]
/e/ [eː] [e] [ɛ]
/i/ [iː] [i] [ɨ][ɪ] [jɨ][jɪ]
/o/ [ɔː] [ɔ] [o]
/u/ [uː] [u] [ʊ][ə]
/ɪ/ [ɨː] [ɨ] [ɪ]
/y/ [yː] [y] [u] [jʊ][jə]
/œ/ [œː] [œ] [o] [jo]
/a/+鼻音 [ɐ]+鼻音 [ɐ]+鼻音 [ɐ]+鼻音 [ɐ]+鼻音
 /ʝ/  [ʝ] [j]

子音

キリエニア語では次の子音が使用される。通常使われる発音を太字にする。

両唇音 唇歯音 歯茎音 そり舌音 硬口蓋音 軟口蓋音 口蓋垂音 声門音
破裂音 [p] [b] [t] [d] [c][ɟ] [k] [g] [ʔ]
破擦音 [t͡s] [d͡z] [ʈ͡ʂ] [ɖ͡ʐ]
鼻音 [m] [n] [ɳ] [ɲ] [ŋ]
摩擦音 [f] [v] [s] [z] [ʂ] [ʐ] [ç] [ʝ] [x] [ʁ] [h]
ふるえ音 [r] [ʀ]
はじき音 [ɟ̆]
接近音 [ɻ] [j] [ʁ̞]
側面接近音 [l]

口蓋性母音:子音の後に/i//y//œ/ が続くときには子音が口蓋化(ʲ)する。また、例外的に通常時は円唇性(ʷ)を持ち、口蓋性母音が続くときには円唇性がなくなるものがある。

音韻 非口蓋化音 口蓋化音
/p/ [p] [pʲ]
/b/ [b] [bʲ]
/m/ [m] [mʲ]
/f/ [f] [fʲ]
/v/ [v] [vʲ]
/t/ [t] [tʲ]
/d/ [d] [dʲ]
/ts/ [t͡s] [t͡s ]
/n/ [n] [nʲ]
/s/ [s] [sʲ]
/z/ [z] [zʲ]
/l/ [l] [lʲ]
/ʈʂ/ [ʈ͡ʂʷ] [ʈ͡ʂ]
/ʂ/ [ʂʷ] [ʂʲ]
/ʐ/ [ʐʷ] [ʐ]
/k/ [k] [kʲ]
/g/ [g] [gʲ]
/h/ [h] [hʲ]
/ʀ/ [ʀ] [ɻʲ]
/ʝ/  [ʝ]

自由異音としては次のようなものがある。

[kʲ] 異音として[c]が現れることがある
[gʲ] 異音として[ɟ]が現れることがある
[n] 軟口蓋子音の前で[ŋ]、硬口蓋子音の前で[ɲ]、そり舌子音の前で[ɳ]となることが多い
[nʲ] 異音として[ɲ]が現れることがある。
[h] 異音として[x]が現れることがある
[hʲ] 異音として[ç]が現れることがある
[ʝ] 異音として[j]が現れることがある
[ʀ] 異音として[r][ʁ][ʁ̞]が現れることがある
[ɻʲ] 異音として[rʲ][ɟ̆]が現れることがある
[z] /s/ /z/ /ʂ/ /ts/ /tʂ/ /ʐ/ /n/ の後ろでは [d͡z ]と発音されることが多い
[zʲ] /s/ /z/ /ʂ/ /ts/ /tʂ/ /ʐ/ /n/ の後ろでは [d͡zʲ ]と発音されることが多い
[ʐʷ] /s/ /z/ /ʂ/ /ts/ /tʂ/ /ʐ/ /n/ の後ろでは [ɖ͡ʐʷ]と発音されることが多い
[ʐ] /s/ /z/ /ʂ/ /ts/ /tʂ/ /ʐ/ /n/ の後ろでは [ɖ͡ʐ] と発音されることが多い
[ʔ] 母音の前に [ʔ] が現れることがある。これは音素と見なされない。

文法

SVO語順の屈折語である。倒置を除いて語順通りになる。

文型

文型は6種類あるが、流動的であり目的語や補語は省略が可能である。形容詞が補語となる場合は副詞の形を使う。

第零文型 V(主語を取らない 天候を表す語)

第一文型 SV(自動詞)

第二文型 SVC(S=Cとなる形 補語を取る)

第三文型 SVD(間接他動詞 間接目的語を取る)

第四文型 SVA(直接他動詞 直接目的語を取る)

第五文型 SVAD(直接目的語と間接目的語を取る この時直接目的語と間接目的語の語順は自由である)

第六文型 SVAC(直接目的語と補語を取る この時直接目的語と補語の語順は自由である)

冠詞

冠詞は不定冠詞と定冠詞がある。不定冠詞は単数のみ。

不定冠詞は1を表す数詞をそのまま用いる。

定冠詞は三人称代名詞をそのまま用いる。通常は三人称女性代名詞laが使われ、男性代名詞elが使われる場合は不可算であることを表す。

通常、定冠詞が付く場合には名詞が「弱形」となり、格変化をしなくなる。これは指示代名詞や不定代名詞が付いた場合も同様である。ただし、強調の意味があるときは格変化した形が使われる。

代名詞

代名詞には人称代名詞、指示代名詞、不定代名詞、否定代名詞がある。人称代名詞、指示代名詞、不定代名詞は否定代名詞を前置(後述)することができ、弱形が存在する。

弱形とは、前に代名詞や定冠詞が前置された時に現れる格変化や数変化が省略された形である。代名詞は否定代名詞が前置されたときのみに現れる。

疑問文を作る際はestar+代名詞弱形で作られる疑問助動詞を用いる。(人称代名詞では縮約形になることがある)一人称代名詞のみ、疑問助動詞が特殊な形となる。

人称代名詞

人称代名詞の活用は次の通り。

一人称 単数 複数
弱形 noso
主格 œ nh
対格 me nos
与格 mi ni
属格 mes mes
疑問助動詞 sums
二人称 敬称 単数 複数
弱形 vo
主格 by vh
対格 ve vos
与格 vi vis
属格 vostres vostres
疑問助動詞 esvo esvo
二人称 親称 単数 複数
弱形 tuo
主格 tu th
対格 te tus
与格 ti tis
属格 tes tes
疑問助動詞 estuo estuo
三人称 男性 単数 複数
弱形 elu elu
主格 el eli
対格 lom los
与格 li lis
属格 les eles
疑問助動詞 estelu estelu
三人称 女性 単数 複数
弱形 loro loro
主格 la las
対格 lam las
与格 ɯi ɯis
属格 lor lor
疑問助動詞 estloro estloro
再帰代名詞 単数 複数
弱形 suo suo
主格 su sh
対格 so shn
与格 shi shis
属格 shes shes
疑問助動詞 estsuo estsuo

指示代名詞

指示代名詞にはti(それ)、ist(これ)、iv(そこ)、kiç(そのようなもの)がある。

不定代名詞

不定代名詞には、um(何か)、alio(別のもの)、totio(すべて、全体)が存在する。

指示代名詞、不定代名詞の格変化

指示代名詞、不定代名詞の格変化は次の通り。

単数 複数 例:um 単数 複数
弱形 弱形 um um
主格 -u -h 主格 umu umh
対格 -un -hn 対格 umun umhn
与格 -i -is 与格 umi umis
属格 -es -es 属格 umes umes
疑問助動詞 est- est- 疑問助動詞 estum estum

相関代名詞

代名詞2つを組み合わせた代名詞があり、相関代名詞と呼ぶ。

相関代名詞は以下の通り

私たちの中の 貴方たちの中の その この なにかの そこの そのような 別の すべての
nosa vosa tia isa uma iva kiça ali tot
œ nosaœ vosaœ tiaœ isaœ umaœ ivaœ kiçaœ aliœ totœ
(代表者としての)私 あなたたちの一員としてのわたし その中のわたし この私 いつかの私 そこの私 そのような私 別の私 私の全て
貴方 by nosaby vosaby tiaby isaby umaby ivaby kiçaby aliby totby
私たちの中のあなた (代表者としての)あなた その中のあなた このあなた いつかのあなた そこのあなた そのようなあなた 別のあなた あなたの全て
それ tio nosatio vosatio tiatio isatio umatio ivatio kiçatio alitio tottio
私たちの中のその人 あなたたちの中のその人 あれ この中のそれ 何かそれと同じもの そこのそれ そのようなそれ 別のそれ その全て
これ istio nosaistio vosaistio tiaistio この中のこれ umaistio ivaistio kiçaistio aliistio totistio
私たちの中のこの人 あなたたちの中のこの人 その中のこの人 ここのこれ 何かこれと同じもの そこのこれ そのようなこれ 別のこれ この全て
なにか umu nosaumu vosaumu tiaumu isaumu umaumu ivaumu kiçaumu aliumu totumu
私たちの中のある人 あなたたちの中のある人 その中の何か この中の何か どれでも そこにある何か そのような何か 別の何か 何かの全て
そこ ivu nosaivu vosaivu tiaivu isaivu umaivu ivaivu kiçaivu aliivu totivu
私たちのところ あなたたちのところ その中のそこ ここ どこか あそこ そのような場所 別のところ あらゆる場所
そのようなもの kiçu nosakiçu vosakiçu tiakiçu isakiçu umakiçu ivakiçu kiçakiçu alikiçu totkiçu
私たちのようなもの あなたたちのようなもの そのようなもの このようなもの どんな~でも そこにあるようなもの あんなもの 別のもののようなもの あらゆるもの
別のもの alio nosaalio vosaalio tiaalio isaalio umaalio ivaalio kiçaalio alialio totalio
私たちの中の別の人 あなたたちの中の別の人 その中の別のもの この中の別のもの なにかの中の別のもの そこの別のもの そのような別のもの 全く別のもの 別の全てのもの
すべて、全体 totio nosatotio vosatotio tiatotio isatotio umatotio ivatotio kiçatotio alitotio tottotio
私たち皆 あなたたち皆 それ全て これら全て 何かすべて そこの皆 そのようなもの全て 別のすべて それぞれ
自身 su nosasu vosasu tiasu isasu umasu ivasu kiçasu alisu totsu
私たち自身 あなたたち自身 それ自身 これ自身 何か自身 そこ自体 そのようなもの自身 別のもの自身 全てのもの自身

否定代名詞

否定代名詞にはnemu(何も・誰も~ない)がある。

否定代名詞は名詞の前について「どのような~も○○ない」という意味を表すことができる。代名詞の前や後ろにも置くことができる。(後ろに置く場合には通常弱形となる)代名詞の後ろに置かれた場合は「ほかでもない○○」「~ではない○○」という意味なる。(肯定文のような意味になる)

複数形のnemiがあり、「何も~(少なくとも複数では)○○ない」という意味になる。動詞の人称変化は前に置かれた代名詞に合わせる。

否定代名詞の格変化は次の通り。

単数 複数
弱形 nem nem
主格 nemu nemi
対格 nemum nemim
与格 nemi nemis
属格 nemes nemes
疑問助動詞 estnem estnem

【例文】

ʻHa nemun meƃlo. (私はどんな家具も持っていない)

Nemi loget in la dom.(その家には2人以上住んでいない)

Nemu noso iret ad ivi.(私たちはそこに行かない)

Nh nem irems ad ivi.(ほかでもない私たちがそこに行く)

La nem koɯb(猫ではないもの)

名詞

名詞も代名詞同様に格変化を行う、性が男性と女性の2種類がある。

格変化の種類は、主格、対格、与格、属格全ての格変化がある第一変化と第二変化(強変化)、変化の弱い第三変化と第四変化(弱変化)、変化をしない第五変化(無変化)の5種類である。固有名詞は全て第五活用となる。また、そのほかに不規則活用がある。

定冠詞や代名詞が前置された場合は通常弱形となり、格変化かや数変化が省略される。不定冠詞が付いたときは格変化を行う。ただし、名詞を強調する時には格・数で変化した形を用いる。

基本第一強変化、第一弱変化を取る名詞は男性名詞、第二強変化、第二弱変化を取る名詞は女性名詞となる。

第一強変化 単数 複数 例:vek 単数 複数
弱形 弱形 vek vek
主格 -o -h 主格 veko vekh
対格 -o -h 対格 veko vekh
与格 -on -hn 与格 vekon vehn
属格 -es -es 属格 vekes vekes
第二強変化 単数 複数 例:koƃa 単数 複数
弱形 -a -a 弱形 koƃa koƃa
主格 -au -aus 主格 koƃau koƃaus
対格 -in -ins 対格 koƃin koƃins
与格 -an -ans 与格 koƃan koƃans
属格 -is -is 属格 koƃis koƃis
第一弱変化 単数 複数 例:tremƃle 単数 複数
弱形 -e -e 弱形 tremƃle tremƃle
主格 -e -es 主格 tremƃle tremƃles
対格 -e -es 対格 tremƃle tremƃles
与格 -es -es 与格 tremƃles tremƃles
属格 -es -es 属格 tremƃles tremƃles
第二弱変化 単数 複数 例:bonu 単数 複数
弱形 -u -u 弱形 bonu bonu
主格 -u -hn 主格 bonu bonhn
対格 -hn -hn 対格 bonhn bonhn
与格 -hn -hn 与格 bonhn bonhn
属格 -hn -hn 属格 bonhn bonhn
無変化 単数 複数 例:Japon 単数 複数
弱形 弱形 Japon Japon
主格 主格 Japon Japon
対格 対格 Japon Japon
与格 与格 Japon Japon
属格 属格 Japon Japon

動詞

動詞は時制(現在・過去・未来)によって変化する。

不定詞は助動詞がついた時のみに使われる。ただし、動詞を強調する際には助動詞がついた場合であっても主語の人称と助動詞の時制に合わせた形を使う。(人称不定詞)

基本動詞

estar(コピュラ)、ʻhaber(持っている)、῾par(する)は助動詞としても使われる。これらを基本動詞と呼び、文法上助動詞の一種として扱われる。

estarは過去分詞と組み合わせて完了相、不定詞と組み合わせて将然相(今から~する)を表す。

ʻhaberは過去分詞と組み合わせて過去時制、不定詞と組み合わせて未来時制を表す。(時制が不完全な動詞と組み合わせて意味を限定するほか、大過去、大未来、条件法、命令法を表すのに使われる。)

ʻhaberの現在形+不定詞→未来時制(直近の未来(将然)の意味はない)
ʻhaberの現在形+過去分詞→過去時制(現在完了の意味はない)
ʻhaberの過去形+不定詞→条件法
ʻhaberの過去形+過去分詞→大過去
ʻhaberの未来形+不定詞→大未来
ʻhaberの未来形+過去分詞→命令法

῾parは過去分詞と組み合わせて受動態を表す。活用は次の通り。

estar
不定詞 estar
現在 一人称 sum
二人称 es
三人称 est
過去 一人称 esti
二人称 estis
三人称 estit
未来 一人称 estoms
二人称 estos
三人称 estot
現在分詞 estat
過去分詞 ῾pö
ʻhaber
不定詞 ʻhaber
現在 一人称 ʻha
二人称 ʻhas
三人称 ʻhat
過去 一人称 ʻhabi
二人称 ʻhabis
三人称 ʻhabit
未来 一人称 ʻhabӕ
二人称 ʻhabӕs
三人称 ʻhabӕt
過去分詞 ʻhaby
現在分詞 ʻhet
῾par
不定詞 ῾par
現在 一人称 ῾pa
二人称 ῾pas
三人称 ῾pace
過去 一人称 ῾pari
二人称 ῾paris
三人称 ῾parit
未来 一人称 ῾para
二人称 ῾paras
三人称 ῾parat
現在分詞 ῾pacit
過去分詞 ῾pacet

動詞の変化

変化の種類は6つである。三人称は主語を省略することが可能である。活用は次の通り。

助動詞型 例:grar
不定詞 -ar grar
現在 一人称 -ems grems
二人称 -es gres
三人称 -et gret
過去 一人称 -ims grims
二人称 -is gris
三人称 -it grit
未来 一人称 -ams grams
二人称 -as gras
三人称 -at grat
分詞 -u gru
第一変化 例:lernas
不定詞 -as lernas
現在 一人称 -ams lernams
二人称 -as lernas
三人称 -at lernat
過去 一人称 -ims lernims
二人称 -is lernis
三人称 -it lernit
未来 一人称 -as lernas
二人称 -as lernas
三人称 -as lernas
分詞 -it lernit
第二変化 例:logir
不定詞 -ir logir
現在 一人称 -ems logems
二人称 -es loges
三人称 -et loget
過去 一人称 -a logæ
二人称 -a logæ
三人称 -a logæ
未来 一人称 -as logæs
二人称 -as logæs
三人称 -as logæs
分詞 -is logis
第三変化 例:vag
不定詞 vag
現在 一人称 vag
二人称 vag
三人称 -t vagt
過去 一人称 vagt
二人称 vagt
三人称 -t vagt
未来 一人称 vag
二人称 vag
三人称 -t vagt
分詞 -t vagt
第四変化 例:gaja
不定詞 -a gajas
現在 一人称 -a gaja
二人称 -as gajas
三人称 -as gajas
過去 一人称 -a gaja
二人称 -a gaja
三人称 -a gaja
未来 一人称 -as gajas
二人称 -as gajas
三人称 -as gajas
分詞 -as gaja
第五変化 例:plubӕ
不定詞 plubӕ
現在 一人称 plubӕ
二人称 plubӕ
三人称 plubӕ
過去 一人称 plubӕ
二人称 plubӕ
三人称 plubӕ
未来 一人称 plubӕ
二人称 plubӕ
三人称 plubӕ
分詞 plubӕ

話法助動詞

devar(すべき)、krugar(できる)、lacær(させる)、betar(だろう)、ir(し続ける)、aprezar(好き)、volar(したい、欲しい)を話法助動詞と呼ぶ。それぞれ動詞としても使うことができる。irを動詞として使う際は「行く」という意味になる。これらは動詞の意味であっても文法上は助動詞の一種として扱われる。

活用は次の通り。

不定詞 -ar
現在 一人称 -ems
二人称 -es
三人称 -et
過去 一人称 -ims
二人称 -is
三人称 -it
未来 一人称 -ams
二人称 -as
三人称 -at
過去分詞 -u
現在分詞 -at

否定助動詞

動詞または助動詞の否定に使われる否定助動詞naʻpがある。通常の否定文は否定助動詞を使って表現される。助動詞同士は通常並べることができないが、否定助動詞と疑問助動詞だけは例外である。

活用は次の通り。

不定詞 naʻpar
現在 一人称 naʻp
二人称 naʻps
三人称 naʻpt
過去 一人称 naʻpari
二人称 naʻparis
三人称 naʻparit
未来 一人称 naʻpa
二人称 naʻpas
三人称 naʻpat
過去分詞 naʻpcit
現在分詞 naʻpcet

【例文】

Naʻp mando phiskh.(私は魚を食べない)

Naʻp krugar stiras bwsh, (私は車を運転することができない)

Krughems naʻpar stiras bwsh, (私は車を運転しないことができる)

複合助動詞

否定助動詞・疑問助動詞を除いて、助動詞は通常同じ文中に1つしか置くことができないが、下記の複合助動詞を使うことはできる。(活用は後ろに複合された助動詞に合わせる)

複合助動詞の一覧は次の通り

esti-
しつつある
estar estiestar
しつつある 今のところしつつある
ʻhaber estiʻhaber
後でする しつつあるようになる
devar estidevar
すべき しているべき
krugar estikrugar
できる していられる
lacær estilacær
させる している状態にさせる
betar estibetar
だろう しつつあるだろう
irar estiirar
し続ける していつづける
aprezar estiaprezar
好き しているのがすき
volar estivolar
したい していたい
῾par esti῾par
する しているようにする
ʻhabi-
後でする
estar ʻhabiestar
しつつある しようとしている
ʻhaber ʻhabiʻhaber
後でする する予定がある
devar ʻhabidevar
すべき 今後するべき
krugar ʻhabikrugar
できる 今後できる
lacær ʻhabilacær
させる しようとさせる
betar ʻhabibetar
だろう 今後するだろう
irar ʻhabiirar
し続ける するのを繰り返す
aprezar ʻhabiaprezar
好き 後でするのが好き
volar ʻhabivolar
したい 今後したい
῾par ʻhabi῾par
する しようとする
devi-
すべき
estar deviestar
しつつある 今のところすべき
ʻhaber deviʻhaber
後でする しないといけなくなる
devar devidevar
すべき しなければならない
krugar devikrugar
できる しないといけなくなれる
lacær devilacær
させる しないといけなくさせる
betar devibetar
だろう すべきだろう
irar deviirar
し続ける すべき状態が続く
aprezar deviaprezar
好き (主語)にとってはすべき
volar devivolar
したい すべきでいたい
῾par devi῾par
する しなくてはいけないようにふるまう
krughi-
できる
estar krughiestar
しつつある ~の能力がある
ʻhaber krughiʻhaber
後でする できるようになる
devar krughidevar
すべき できるべき
krugar krughikrugar
できる できるかもしれない
lacær krughilacær
させる できるようにさせる
betar krughibetar
だろう できるだろう
irar krughiirar
し続ける できることが続く
aprezar krughiaprezar
好き できることがすき
volar krughivolar
したい できるようでありたい
῾par krughi῾par
する できるようにする
laci-
させる
estar laciestar
しつつある させている
ʻhaber laciʻhaber
後でする させるようになる
devar lacidevar
すべき させるべき
krugar lacikrugar
できる させることができる
lacær lacilacær
させる させさせる
betar lacibetar
だろう させるだろう
irar laciirar
し続ける させ続ける
aprezar laciaprezar
好き させるのがすき
volar lacivolar
したい させたい
῾par laci῾par
する させるようにする
beti-
だろう
estar betiestar
しつつある しそうである
ʻhaber betiʻhaber
後でする しそうになる
devar betidevar
すべき ~に違いない
krugar betikrugar
できる かもしれない
lacær betilacær
させる してもよい
betar betibetar
だろう ~であろうに
irar betiirar
し続ける しそうな状態が続く
aprezar betiaprezar
好き すればいい
volar betivolar
したい したほうがいい
῾par beti῾par
する 予定する
iri-
し続ける
estar iriestar
しつつある し続けている
ʻhaber iriʻhaber
後でする し続けるようになる
devar iridevar
すべき し続けるべき
krugar irikrugar
できる し続けることができる
lacær irilacær
させる し続けさせる
betar iribetar
だろう し続けるだろう
irar iriirar
し続ける ずっと~し続けている
aprezar iriaprezar
好き し続けるのが好き
volar irivolar
したい し続けたい
῾par iri῾par
する し続けるようにする
aprezi-
好き
estar apreziestar
しつつある 今好き
ʻhaber apreziʻhaber
後でする 好きになる
devar aprezidevar
すべき 好きであるべき
krugar aprezikrugar
できる 好きになれる
lacær aprezilacær
させる 好かせる
betar aprezibetar
だろう 好きだろう
irar apreziirar
し続ける 好きでい続ける
aprezar apreziaprezar
好き 好きでいることが好き
volar aprezivolar
したい 好きになりたい
῾par aprezi῾par
する 好きにふるまう
voli-
したい
estar voliestar
しつつある 今はしたい
ʻhaber voliʻhaber
後でする したくなる
devar volidevar
すべき したくあるべき
krugar volikrugar
できる したくなれる
lacær volilacær
させる したくさせる
betar volibetar
だろう したいだろう
irar voliirar
し続ける したい状態が続く
aprezar voliaprezar
好き したい気持ちが好き
volar volivolar
したい したくありたい
῾par voli῾par
する したくふるまう

【例文】

Devibetat naʻpar romphit.(それは壊されないでいるべきだろう)

Krghivolams raular Killiena.(私はキリエニア語を話せるようになりたい)

疑問助動詞

疑問文は前述の疑問助動詞を使って表される。疑問助動詞はestに代名詞の弱形をつなげて作られる。(一人称代名詞を除く)
疑問助動詞には過去分詞も存在し、「~かどうか」という意味になる。このとき従属文のコピュラは通常省略される。語順は、動詞の前に置かれ、他の助動詞の後ろに置かれる。活用はest-の部分をestarと同様に変化させる。現在分詞は作れない。

【例文】

Estti un ῾peneto?(これは窓ですか?)

Tu iras estarvo ad no skol valiketeshes? (君は毎日学校に通っているか?)

By bhesons estarvo un macɥo?(マッチは要りますか?)

Naʻpar estelu mando lom?(彼はそれを食べないのか?)

La animal estelu un xynda?(その動物は犬ですか?)

Devat esterloro gyntrotar?(彼女は走るべきですか?)

Nh saphems ῾pöelu dagbdo xed.(私たちは今日雨が降るかどうかを知っている)

与格主語

主語を与格の形にすることで、「(行為者の意思によらず)~してしまう」という意味を表すことができる。

形容詞

形容詞は性と格によって変化する。名詞を修飾する際は、前置するか後置するかで意味が異なる。動詞や形容詞、文全体を修飾できる副詞の形があり、名詞が属格の場合は副詞形を使う。また、形容詞が補語となるときも副詞形となる。

それ以外は同じ形である。中性形は男性名詞の無生物を修飾する際に使われ、それ以外は通性形を使う。その後ろに文(動詞文)を続けると「~と同様に○○な」という意味になる。

【例文】

un cel bhiate(美しい空)

un cel bhiate estit xer(昨日と同じように美しい空)

un xynda rosæ(凶暴な犬)

形容詞の限定詞的用法

形容詞は名詞の後ろに置かれると「~な○○」といういみになる。を名詞に前置すると「○○という~なもの」という意味になる。この時、名詞は複数形となる。前置する場合専用の形があり、これを「冠詞形」と呼ぶ。冠詞形は性の変化はない。また、属格の場合は副詞形を使う。

【例文】

un svana clauca(白い白鳥)※白くない白鳥もいると想定している

clauc svanas(白鳥という白いもの)※白鳥は白いものであるという認識

最上級・比較級

「~よりも○○」 ということを表すには形容詞の数詞または数量詞+比較級で表す。通常は数量詞noを使う。数詞の場合には「より~な〇つの」という意味になる。数量詞kualkを使うと「より~ないくつかの」という意味になる。

最上級は数詞または数量詞+副詞形で表す。通常は数量詞noを使う。数詞の場合には「最も~な〇つの」という意味になる。数量詞kualkを使うと「最も~ないくつかの」という意味になる。

比較級・最上級の場合には修飾する名詞の性や格に従い、数詞または数量詞が変化する。(形容詞は比較級形や副詞形のままとなる)

比較対象はその後ろに文(動詞文)を続ける。

【例文】

un cel noble bhiatim(より美しい空)

un cel noble bhiatim estit xer(昨日より美しい空)

du rosim xyndas(より凶暴な2匹の犬)

un cel noble bhiate(もっとも美しい空)

no bhiate cel(空という最も美しいもの)

形容詞の変化

変化の形は以下に示す5種類(数詞型変化、-a変化、-e変化、-al変化、-el変化)がある。mabb(悪い)のみ不規則変化となる。

数詞型 例:bon
比較級 -im bonim
冠詞形 bon
通性 -obla bonobla
中性 -oble bonoble
副詞形 -shime bonshime
-a変化 例:grot
比較級 -im grotim
冠詞形 grot
通性 -a grota
中性 -e grote
副詞形 -ele grotele
-e変化 例:precoce
比較級 -em precocem
冠詞形 -e precoce
通性 -a precocæ
中性 -e precoce
副詞形 -ele precocele
-al変化 例:universa
比較級 -a universa
冠詞形 -a universa
通性 -a universa
中性 -ale universale
副詞形 -ale universale
-el変化 例:sme
比較級 -e sme
冠詞形 -e sme
通性 -ela smela
中性 -e sme
副詞形 -e sme

不規則変化

mabb
比較級 malim
冠詞形 mabb
通性 mabæ
中性 mabe
副詞形 male

数詞

数詞は形容詞として扱われる。数詞にも形容詞と同様に比較級があり、否定数量詞の後ろについて「~個もない」の意味を表すのに使われる。また、前述のとおりunは不定冠詞としても使われる。また、「2」は2つで対をなす場合とそうでない場合で違う語を使う。cent(100)やmila(1000)、milion(1,000,000)などは名詞であり、下の桁が続く場合はe(~と)で繋げる。古風な表現としてdek centh(1000)のように10~99の数詞+centの形がある。後ろに動詞句を伴うと、「~するだけの〇つの」という意味になる。

数詞の通性形、中性形は倍数詞として使われる。(倍数詞は後置修飾される)後ろに動詞句を伴うと「~するほどその〇倍の」という意味になる。

数詞の副詞形は序数詞となる。後ろに動詞を伴うと「~するほどその〇倍」という意味の副詞となる。

数詞一覧は次の通り。

1 un
2 du
2(両方) 対の場合などに使われる amƃa
3 tri
4 quar
5 quhin
6 shes
7 shep
8 okt
9 nabb
10 dekno
11 dekun
12 dekdu
13 dektri
14 dekquart
15 dekquhin
16 dekshes
17 dekshep
18 dekokt
19 deknabb
20 dudekno
21 dudekun
22 dudekdu
23 dudektri
24 dudekquart
25 dudekquhin
26 dudekshes
27 dudekshep
28 dudekokt
29 dudeknabb
30 tridekno
100 un cent
101 un cent e un
234 du centh e tridekquart
1000 un mila
2345 du milas e tri centh e quartdekquhin
10000 dek milas
234567 milas de du centh e tridekquart e quhin cent e shesdekshep
1000000 milion
2000000 du milionh
10000000 dek milionh
100000000 milionh de un cent
1000000000 un bhilion
1000000000000 un trilion

数詞の変化

数詞の変化は次の通り。(1と2、-deknoで終わる数詞のみ不規則変化となる)

1
比較級 unim
冠詞形 un
通性 ῾prela
中性 ῾prele
副詞形 prime
名詞形 uno
2
比較級 duim
冠詞形 du
通性 dobla
中性 doble
副詞形 kunde
名詞形 tvo
両方
比較級 amƃaim
冠詞形 amƃa
通性 baja
中性 baje
副詞形 amƃshime
名詞形 amƃo
他の数詞
比較級 -im
冠詞形
通性 -obla
中性 -oble
副詞形 -shime
-deknoの変化 例:dudekno
比較級 -deknoim dudeknoim
冠詞形 -dekno dudekno
通性 -deknobla dudeknobla
中性 -deknoble dudeknoble
副詞形 -deknoshime dudeknoshime
名詞形 -deknon dudeknon

数量詞

kualk、noは「いくつか」という意味を持つ。kualkは3以上の場合、noはそれ以外でも使うことができる。

変化は次の通り。

不明数
比較級 noim
冠詞形 no
通性 nobla
中性 noble
副詞形 noshime
名詞形 non
複数
比較級 kualkim
冠詞形 kualk
通性 kualka
中性 kualke
副詞形 kualke
名詞形 kualko

否定数量詞

ʻpioは「一つも~ない」という意味を表す。

比較級があり、数詞と組み合わせることで「~しかない」という意味を表す。また、数詞や形容詞の比較級を後ろに置くと「~もない」「~でない」という意味になる。

変化は次の通り。

比較級 ʻpim
冠詞形 ʻpio
通性 ʻpiobla
中性 ʻpioble
副詞形 ʻpioshime

数名詞

数詞や数量詞の名詞形を数名詞と呼ぶ。数名詞は数字を表す名詞として使われる。例えば、unoは「1」という数字を表し、tvoは「2」という数字の意味になる。また、「~つのもの」という意味にもなる。後ろに動詞句を伴うことで「~すること」という動名詞を作ることができる。

前置詞

前置詞は名詞句、代名詞句または形容詞句の前に置かれる。前置詞の後ろに置かれた名詞や代名詞は特定の格となる。(格の支配)

形容詞句の場合は文語的表現であり、前置詞に合わせて特定の形になる。

前置詞一覧

前置詞 形容詞 意味 形容詞
de 主格 冠詞形 ~によって、を使って 属格 副詞形 ~の、から
sen 主格 中性形 ~にもかかわらず 属格 副詞形 ~なしに
xe 主格 冠詞形 ~から 属格 副詞形 ~の中から
a 与格 通性形 へ、 の方向へ 属格 副詞形 ~まで
anter 与格 通性形 ~の前へ 属格 副詞形 ~の前で
aʻpt 与格 通性形 ~のそばへ 属格 副詞形 ~のそばで
ba 与格 通性形 ~の上へ 属格 副詞形 ~の上で
bhi 与格 通性形 ~の後ろへ 属格 副詞形 ~の後ろで
blo 与格 通性形 ~に向かって 属格 副詞形 ~に対して
bu 与格 通性形 ~の間へ 属格 副詞形 ~の間で
cirker 与格 通性形 ~のまわりへ 属格 副詞形 ~のまわりで、のあたりに、の頃
in 与格 通性形 ~の中へ 属格 副詞形 ~の中で
ja 与格 通性形 ~の外へ 属格 副詞形 ~の外で
phe 与格 通性形 ~であればあるほど 属格 副詞形 ~の分だけ
pro 与格 通性形 ~故に 属格 副詞形 ~によって
pu 与格 通性形 ~のために 属格 副詞形 ~が理由で
su 与格 通性形 ~の下へ 属格 副詞形 ~の下へ
supher 与格 通性形 ~の上方へ 属格 副詞形 ~の上方で
trans 与格 通性形 ~の向こうへ 属格 副詞形 ~の向こうで
ko 対格 中性形 ~に加えて 属格 副詞形 ~と一緒に
lau 対格 中性形 ~のそばを通って 属格 副詞形 ~に沿って、したがって
pri 対格 中性形 ~について 属格 副詞形 ~の範囲内で、以内で
tra 対格 中性形 ~を通り抜けて 属格 副詞形 ~を通して
e ~と~
u ~または~

接続詞

接続詞は動詞句または形容詞句の前に置かれる。時制の一致は無い。

動詞は通常不定詞となるが、特に時制の意味を表す必要があるときは現在形、過去形、未来形を使う。

形容詞句を使う場合は詩的文語的表現である。そのとき形容詞は接続詞に合わせて特定の形になる。

接続詞 形容詞
kau ~するや否や 通性形
quanque (~だ)けれども 通性形
vel まるで(~する)ように 通性形
ce もし~なら 通性形
gis まで 通性形
ƃvel ~たとしても 中性形
kom ~として 中性形
que ~という、ということで 中性形
dum の間 中性形
kor ~だから 中性形
quam ~よりも 中性形
kai そして
nek ~もまた~ない
au または
ced しかし

疑問詞

疑問詞は以下の通り。

意味 疑問詞 名詞
事物 quî 主格
人物 quu 主格
個別 quîju 主格 どれ
所有、所属 dequu 対格 誰の、何の、誰のもの、何のもの
性質 quîkiç 対格 どのようなもの
場所 uby 与格 どこ
時間 quan 与格 いつ
理由 porque 与格 なぜ、何の~のために
方法 quîe 与格 どうやって
数量 quîom 与格 いくら
程度 quhe 与格 どのように

疑問詞疑問文

疑問詞疑問文は疑問助動詞で作られた分に疑問詞を組み合わせることで作る。

【例文】

Quî el estelu kantar?(彼は何を歌っているのか?)

主格疑問詞

疑問詞が主格の場合は疑問助動詞を過去分詞形にして疑問代名詞を中心とした名詞句となる。その時、疑問助動詞は過去分詞形となる。また、疑問詞が名詞を修飾するときは必ずこの文型となる。なお、疑問詞が名詞を修飾するときは通常弱形となるが、名詞を強調するときは疑問詞の種類によって名詞の格が決定される。

【例文】

Quu el estatlu kantas?(誰が歌っているのか?)

関係詞

疑問詞は全て関係詞として使うことができる。疑問詞疑問文から疑問助動詞を抜いた形となる。

間接疑問文

疑問助動詞と疑問詞を組み合わせた疑問詞疑問文を文中に挿入すると、間接疑問文を作ることができる。

副詞

副詞は形容詞や動詞を修飾するほか、名詞も修飾することができる。文末に置かれた場合は文全体を修飾し、それ以外は直前の語を修飾する。

間投詞

間投詞は単独で文となる。

借用語

借用語は必ず一文字目を大文字で書く。読み方は基本借用元に合わせるので読み方の規則は存在しない。
借用語の名詞は原則借用元の複数形を使う。不明な場合は語尾の母音に合わせてキリエニア語の複数形を使うことも可能である。対格は主格と同じ形を使い、与格と属格は数によらず主格の複数形と同じ形を使う。借用元に複数形が存在しない場合には属格を複数形として扱う。属格も複数形も存在しない場合には無変化となる。性は借用元に合わせる。借用元で男性名詞か中性名詞であれば男性名詞となり、女性名詞か通性名詞であれば女性名詞となる。借用元に名詞の性がないときは、生物性の意味を持つ単語であればそれに合わせ、それもない場合(無生物など)は対格を持つ言語からの借用であれば女性名詞、対格を持たない言語からの借用であれば男性名詞となる。

借用語の動詞は借用元の直接法一人称単数現在かそれに相当する形を不定形、未来形、現在形の一人称と二人称に使う。それ以外の形は借用元の過去文詞に相当する形を使う。不明な場合は語幹の母音に合わせてキリエニア語と同じく活用をさせる。

借用語の形容詞は借用元に形容詞の中性形と通性形がある場合、その形をそのまま借用する。性があるが中性形や通性形がない場合はそれぞれ男性形、女性形で代用する。借用元に形容詞の性がない場合、元の形を通性形、副詞の形を中性形として用いる。それらも存在しない場合は元の形を通性形、語尾に-eを付けた形を中性形として使う。比較級や冠詞形は通性形と同じ形、副詞形は中性形と同じ形を使う
エスペラント諸語や古語からの借用語は借用元の屈折を維持する。名詞は与格がない場合は対格と同じ形で使い、対格がない場合は主格と同じ形を使う。属格は常に単数形を使うが属格がない場合は主格の複数形と同じ形を使う。
ただし、動詞は常に単数形を使う。
形容詞は主格単数形を中性形、対格単数形を通性形として使い、主格複数形を冠詞形として使う。比較級がある場合はその主格単数形を比較級として使うが、比較級がない場合は対格複数形を使う。副詞の形も流用する。

これらの規則はあくまで原則的なものであり守らなくてもよい。

固有名詞

固有名詞は前述の通り無変化となる。固有名詞から派生した形容詞や動詞も原則として無変化となる。固有名詞から派生した言葉も固有名詞と同様に常に1文字目を大文字にする。ただし固有名詞の意味から離れて使われている語はこの限りではない。借用語と同様に読み方の規則はなくそれぞれ単語ごとに決まっている読みで発音する。

方言

キリエニア語の方言は北戸方言と南戸方言、ロネシア方言に分かれる。標準語は北戸方言に属する。キリエニア語とエスペラントは方言連続体を成しており、南戸方言は北戸方言とエスペラントの中間の方言である。そのため、南戸方言の語彙は北戸方言の語彙の一部をエスペラントと同じ語彙に置き換えたものとなる(南に行くに従ってエスペラントと同じ語彙は増える)。主に、エスペラントで複合語にならず一語で表すことができるものはエスペラントと同じ単語に変わり、そうでないものは北戸方言と同じものになる。ただし、エスペラントの/iu/、/ew/はそれぞれ/y/、/ø/に変わり、アクセント母音によって母音調和が起きるため、発音は若干異なる。

北戸方言

標準語の属する方言群であり、文法もほとんど同じであるが、標準語である首都方言より南方に行くと後述する南戸方言に音韻、文法、語彙が近づく。
また、首都方言よりも北になると口蓋化した子音はそうでない子音と音韻的に区別され、後ろの母音に関わらず口蓋化音となる。また、北では音素/æ/が存在し標準語のiaの音が対応する。また形容詞通性形の語尾が単数-a、複数-æと名詞の単複で区別される。動詞も第一変化の現在・未来、第二変化の過去・未来、第四変化の全体で主語が複数形の時に語幹aがæに変化し単複を区別する。主語の語彙は北に行くほどゲルマン語由来の語彙が増える。また形容詞中性形は数えられない名詞や概念、抽象的な名詞を修飾するのみで使われ、それ以外の名詞では性別や有生性に関わらず通性形が使われる。

南戸方言

南戸方言の文法は https://w.atwiki.jp/killiena/ に記載の通りである。
目次は https://w.atwiki.jp/killiena/pages/2.html

北戸方言と違い、子音は後続母音によって口蓋化を起こさない。
また、アクセントは基本子音で終わる語の場合最終音節、そうでない場合は後ろから二番目の音節に置かれる(北戸方言の高低アクセントと同じ位置である)。ただし、複合語の場合は意味の中心となる場所に置かれる。また助動詞farの活用の一部でアクセント位置が不規則的になる。外来語もアクセント位置が保存される。このようにアクセント位置が基本の位置とずれる場合にはアクセント記号が置かれる。
標準語と違って軟母音、硬母音は表記だけでなく発音上も区別される。/a//o//u//ɛ/を硬母音、/æ//ø//y//i/を軟母音と呼ぶ。ä,ö,üは表記上は硬母音として扱われ発音は軟母音となる。ĥ,ŷ,ŵは表記上は軟母音として扱われ発音は硬母音となる。
母音調和が有り、アクセント位置の母音が硬母音の場合は単語全体の母音が硬母音に変わり、軟母音の場合は単語全体の母音が軟母音に変わる。
また、標準語と違い、「ʻ」は子音文字の後ろに置かれる。
https://w.atwiki.jp/killiena/pages/12.html

文法で主に標準語と違う点は次の通り。
・形容詞が男性形、女性形、中性形に分かれる。男性形は男性を表す名詞や無生物を修飾する際に使われ、女性形は女性を表す名詞や通性的に生物を表す名詞を修飾する際に使われる。中性形(原形)は標準語の比較級と同じで数詞の後ろに置かれて「〜であればあるほど〇〇」の意味となる。標準語と違い、他の形容詞の後ろに直接置くこともできる。
・形容詞が叙述形で使われるときは常に女性形となる。
・形容詞の女性形は文全体を修飾する副詞としても使われる。
・接続法は形容詞の接続法形を使って表す(https://w.atwiki.jp/killiena/pages/22.html)。形容詞を含まない文を接続法にする場合は形式的にunuを末尾に置く。ただし、boinとʽhabの場合はfar boin +形容詞接続法形、far ʽhab +形容詞接続法形としなければならない。接続法は仮定法(現実にはあり得ないことを述べる用法)でのみ使われる。
・与格が無く、代名詞と組み合わせて作られた目的名詞(https://w.atwiki.jp/killiena/pages/21.html)の属格で表す。
・二人称代名詞+動詞の三人称語尾で命令を表す。
・名詞または代名詞は前置詞格があり、前に前置詞または代名詞や定冠詞が来る場合に使われる(標準語の弱形に相当するが、前置詞・代名詞・定冠詞が付く場合には必ずこの形とならなければならない)。
・名詞や代名詞の前置詞格を他の名詞の後ろに置くと、「〜である〇〇」という同格の意味となる。
・単数不定冠詞+名詞・代名詞の複数形で敬称を表す。
・不可算名詞には不定冠詞が付かない。
・動詞の原形(不定詞)は単体で補語や目的語になることができる。
・他動詞が目的語を取らない場合、再帰の意味を持つ。また、自動詞もS+V+Cの文型を持つもの以外は、目的語を取ると他動詞に変化する。(https://w.atwiki.jp/killiena/pages/23.html)

ロネシア方言

ロネシア(Lonesia)方言は下記リンクの通り。

https://n-kunnnn.hatenablog.com/entry/2017/12/17/220243

載っていない単語は標準語に準じる。
音素fはf〜ɸで発音される。
音素ɸはf〜ɸ〜hwのいずれかで発音しても良いものである。
音素vはv〜βで発音される。
音素βはv〜β〜wのいずれかで発音しても良いものである。
音素ʝはʝ〜ʒのいずれかで発音しても良いものである。
標準語との音韻対応は次のとおり。

標準語→ロネシア方言
ʂ→ʃ
ʈʂ→ʧ
ts→θ
t(ʻtと綴られるもの)→θ
d͡ʐ→dʒ
k→q
k(+e,i,y,œ)→k
kv→kw
h(+e,i,y,œ)→x
u+母音→β+母音

語彙集

語彙集(辞書)はこちら

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