Migdal

21世紀之人
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唐突にエルフ語を作りたくなってきた

覚え書きにいくつかアイデアをここに投下。使いたい人はご自由にどうぞ

概要と方向性

目指しているエルフ像は、寒冷で湿潤な気候の深い森に住む狩猟採集民族

  • 息音・摩擦音が豊富、無声音優位の体系にする
  • 鼻音が多い:/m/, /n/, /ŋ/ が語中・語末に現れやすい
  • 低・中母音を豊富に:/a/, /o/, /ɔ/, /ə/ など、暗く深みのある母音。母音調和によって響きを良くする

ヒューマンや他の種族の大昔の歴史を数多くの叙事詩にして口伝する

  • モーラ(拍)の長短対立を設ける
  • 音節構造を規則的に:CVN(子音+母音+鼻音)や CV 型を基本に据える
  • トーン(声調)はないが、ピッチアクセントに意味を持たせる

内向的・閉鎖的・他種族に習得困難

  • 他言語にない音素や発音規則を入れて、母音調和や子音交替などの形態音韻規則を複雑にする
  • 文法的性(grammatical gender)を複雑にして、独特の世界観を作る
  • 外来語を受け入れず、抱合的な造語によって近代的な概念を翻訳する

そのほか

  • 森に住む狩猟民族なので、オノマトペや擬態語が多い(他の種族には少し直感的でないセンスもある)
  • 子音クラスターは控えめ・独特

音韻論と表記

文字体系はまだ考えていない。初学者にとっても、慣れないエルフ文字が出てきたらかなり困ると思う。とりあえず、しばらくはラテン文字での表記法を設定する。

子音

K, J, W, X などはほとんど使われず、外来語のみに出現する。

表記 音素 説明・参考
P, p /p/ 無声両唇閉鎖音
T, t /t/ 無声歯茎閉鎖音
C, c /k/ 無声軟口蓋閉鎖音
F, f /f/ 無声唇歯摩擦音(英語の f
V, v /v/ 有声唇歯摩擦音(英語の v
Fh, fh /ɸ/ 無声両唇摩擦音(日本語の「ふ」に近い)
Vh, vh /β/ 有声両唇摩擦音(スペイン語の語中 v に近い)
Th, th /θ/ 無声歯摩擦音(英語 thin の th)
Dh, dh /ð/ 有声歯摩擦音(英語 this の th)
S, s /s/ 無声歯茎摩擦音
Z, z /z/ 有声歯茎摩擦音
Hy, hy /ɕ/ 無声歯茎硬口蓋摩擦音(日本語の「し」に近い)
Ch, ch /x/ 無声軟口蓋摩擦音(ドイツ語 acht の ch)
Gh, gh /ɣ/ 有声軟口蓋摩擦音(/x/ の有声だが割と区別されず)
H, h /h/ 無声声門摩擦音
M, m /m/ 両唇鼻音
N, n /n/ 歯茎鼻音
Ny, ny /ɲ/ 硬口蓋鼻音(スペイン語 ñ や日本語「にゃ」に近い)
Ng, ng /ŋ/ 軟口蓋鼻音(英語 sing の末尾)
L, l /l//ɬ/ 無声歯茎側面摩擦音(注1)
ly /l/ 歯茎側面接近音(注1)
R, r /r/ 歯茎ふるえ音(注2)

注1:L, l は音節頭では歯茎側面接近音 /l/ だが、音節末では無声歯茎側面摩擦音 /ɬ/ になる。これはウェールズ語の ll に近い。音節末で歯茎側面接近音を発音する場合は ly の表記を使用する

注2:R, r は音節頭では歯茎ふるえ音 /r/ だが、音節末では歯茎接近音 /ɹ/ になる。これは英語の er やトルコ語の音節末の r に近い。

母音

表記 音素 説明・参考
A,a / A,ā /a/ /aː/ 中央低母音
E,e / Ē,ē /e/ /eː/ 前舌中母音
O,o / Ō,ō /o/ /oː/ 後舌中母音
U,u / Ū,ū /u/ /uː/ 後舌高母音
ĕ / — /ə/ 中央中母音、長母音なし(後述)
I,i / Ī,ī /i/ /iː/ 前舌高母音
Ö,ö / Ȫ,ȫ /ø/ /øː/ 円唇前舌中母音

母音クラスと母音調和

厳格な母音調和ではなく、異なるクラス間を行き来できる中間母音がある。

クラス 母音 特徴
前舌クラス(F類) e, ē, ö, ȫ, i, ī 前舌・円唇前舌
後舌クラス(B類) o, ō, u, ū 後舌
中間母音(N類) a, ā, ĕ どちらのクラスにも属せる

基本ルール:語根内にF類またはB類の母音が存在する場合、接辞の母音はそのクラスに従う。N類母音のみの語根は後舌クラスをデフォルトとする。

N類母音の振る舞い
a :「強母音」。強勢あり・なし両方に現れる。前後どちらのクラスの語にも自由に共存できる。ただし方向性を持る。

  • 語根内でF類と共存 → F類に従う:theān → 接辞はF類 -en , -eth, -ely
  • 語根内でB類と共存 → B類に従う:thoar → 接辞はB類 -on, -oth, -oly
  • a / ā のみの語根 → デフォルトのB類扱い:āvar → 接辞はB類

ĕ :「弱母音」。強勢なし専用。完全な「透明母音」として、調和規則を一切トリガーしない。

  • 語根の調和クラスはĕ以外の母音が決定する
  • ĕ自体は接辞に現れない(交替形 e/o のどちらかになる)
  • 特殊ルール:語根内にN類(a / ĕ)のみ存在のとき、接辞は a になる -an, -ath, -aly

強勢母音の引力:語幹に母音の不調和があり、かつ無強勢の母音が短母音の場合、強勢が置かれる母音に他の母音の音が引っ張られる。

CÓ.cis → ['koːkɪs]
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この場合、二音節目の i (F群母音)が一音節目の o (B群母音)に引っ張られて、わずかに後舌化する。

母音 強勢要素 変化後の音素 備考
e B群 [ɘ] 英語の betterer に近い
i B群, a [ɪ] 英語の biti
o F群 [ɘ] 英語の betterer に近い
u F群 [y] 仏語の humeurhu

二重母音

二重母音のクラス帰属は第一要素(核母音)で決定する。

二重母音 第一要素 クラス 備考
aw a N類(デフォルトB) B類語根と自然に共存
ua u B類 B類として振る舞う
öa ö F類 F類として振る舞う

音節構造と音素配列

音節の基本構造は以下の通り

(C)(C) V (C)
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  • 頭子音(Onset):0~2個。任意
  • 核(Nucleus):母音1つ、または二重母音1つ
  • 末子音(Coda):0〜1個。制限あり(後述)

音節の重さ:詩の韻律は軽音節(L)と重音節(H)の配列パターンで作る。

種類 拍数 構造
軽音節(L) 1 短母音 + Coda無し CV: vo, the, na
重音節(H) 2 長母音、または短母音+Coda有り CVː:vō, thē / CVC:von, thes
超重音節(HH) 2 長母音 + Coda有り CVːC:vōn, pthēs

超重音節は、の行内では2拍として数えられるが、行末では3拍として数える。行内に超重音節が連続して続くことは好ましくない。

音節頭(Onset)の規則

単子音Onset:全ての子音が頭子音に立てる。ただし、

  • ng は語頭に立てない(音節頭では内部・語中のみ)
  • ĕ は語頭音節の核になれない(弱母音のため)

二子音Onsetのクラスターについて、制約あり

第一子音 第二子音として許容
閉鎖音 p, t, k r, l のみ pr-, tr-, kl-
摩擦音 f, v, s, z r, l, n, m のみ fr-, sn-, vn-
鼻音 m, n r, l のみ mr-, nl-

禁止クラスターは以下の通り

  • 閉鎖音+閉鎖音:pk-, tp- など
  • fh, vh, th, dh, ch, ny, hy は常に単独

例外クラスター(稀に出現)

  • mny /mɲ/:語中で頻出。語頭でも稀に出現
  • cth /xθ/:特殊な綴り
  • chv /xv/:語中で頻出。語頭でも稀に出現
  • lv /lv/:l を /ɬ/ っぽく発音
  • pth /pθ/:語頭にのみ出現
  • thn /θn/:語中で頻出。語頭でも稀に出現

アクセント

基本規則:語根の第一音節に第一強勢。重音節の接辞は第二強勢を持てる。

規則1:第一音節強勢。全ての語根は第一音節に強勢を持つ。接頭辞がつく場合、接頭辞に強勢が移る。

VO.lar     → VÓ.lar
a + NA.thos  → Á.na.thos
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規則2:重音節引力。第二音節が超重音節(CVːC)の場合、強勢が引き寄せられる。

normal:  FÁ.ro.mel
rule-2:  fa.RŌLN  (第二音節がCVːC → 強勢移動)
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規則3:規則3:複合語の強勢。二つの語根が複合する場合、第一語根に第一強勢、第二語根に第二強勢。

Coy + caule  →  CÓy.càule
(forest) (ancient) →  ancient forest
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ピッチアクセント
強弱だけでなく音の高低も区別する。強勢音節に二種類のピッチを設定。

名称 表記法 ピッチ 文法的意味
平声(level tone) ā 高→高、平坦 中立、叙述
降声(falling tone) â 高→低、下降 断定、命令、詠嘆

短母音の強勢音節はピッチ対立を持たず、中音域で固定される。ピッチ対立は長母音・二重母音を持つ重音節のみに出現する。また、朗詠の場合、行末の長母音・二重母音は必ず降声になる。短母音の場合は少し低音域になる。逆に、行中点(最も重要な語)以前やクライマックスでは、文法的に降声であっても平声で朗詠されることが多い。

弱音節の振る舞い
強勢のない音節の母音は ĕ に弱化する傾向があるが、全ての無強勢母音が ĕ になるわけではない。

  • 無強勢の短母音、かつ開音節 → ĕ に弱化しやすい
É.lev.na → É.lev.nĕ
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  • 無強勢でも長母音 → 弱化しない(長さを保つ)
  • 無強勢でもCoda持ち(重音節) → 弱化しない
  • 複合語の第二強勢音節 → 弱化しない

叙事詩の散文的朗読(物語部分)では弱化が起きるが、歌唱・儀礼的朗唱では弱化せず全母音をはっきり発音する=日常語と詩語の乖離

詩と韻律

未定(面白そうだが複雑なのでよく考えて設定したい)

統語と形態

  • 基本的な語順はSOV。ただし、強い屈折性と抱合性を伴う
  • コピュラ動詞と存在動詞は区別する
  • 主に接頭辞、頭位修飾(メタ設定:詩の朗読上、韻 rhyme が定型的にならないようにするため)である
  • 法(mode)、相(aspect)、主語の性(gender)、コンバーブに従って動詞が複雑に屈折・膠着する
  • 形容詞と副詞の区別がなく、名詞に近い文法的性質を持つ
  • 動詞に分詞、動名詞はなく、不定詞がそのまま名詞として扱える
  • 抱合的な造語が可能

名詞・形容詞の格変化

名詞には5つの文法的性(gender)があり、格変化が異なる。数による格変化はない。形容詞・副詞は品詞として特に大きな違いはなく、ほとんど様態名詞として機能する。

名詞の文法的性は以下の通り

対象
人性 エルフ、理性存在、精霊的存在
有生性 動物、昆虫、森や川など意思あるもの
無生性 山、石、実体のある意思なきもの
創造性 人工的、道具的、実体のない概念
禁忌性 神的、魔術関係のもの

それぞれ複雑なニュアンスや揺れがあり、また状況によって同じ名詞でも異なる性を使い分ける場合がある。覚えるしかない。例)
死体 → 無生性
祖霊 → 人性
死者 → 禁忌性

名詞は以下のように活用する(母音調和により e/o か i/u に変化)

人性 有生性 無生性 創造性 禁忌性
主格 ithne-
対格 e- e- ithne-
与格 eil- il- il- il- ithneil-
属格 es- es- e- es- ithnes-
処格 il- il- il- il- ithiel-
奪格 eala- eala- en- en- ithneala-
様態格 en- en- en- en- ithnen-
呼格(注1) - - - - me-

注1:最終音節が短母音の場合、ピッチが低くなる。長母音や二重母音の場合、降声(ā → â)になる。

形容詞の比較に関しては、「と比べると超えている」galēa や「劣っている」 mnyas 、「一番である」 anyelve などの形容詞を連用して表現する。

動詞の活用

動詞は以下のスロットが順に連なる形で活用する。

[法接頭辞] - [相接頭辞] - [性接頭辞] - [抱合名詞根] - 動詞語根  - [コンバーブ接尾辞]
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法接頭辞

接頭辞 意味
直説法 現実の出来事
接続法 si- 仮定・願望・希求
命令法 ep- 命令・促し
禁止法 enep- 不可能も意味する
反実仮想法 vhen- 「もし〜ならよかったのに」
証拠法 mir- 伝聞・推定

相接頭辞

接頭辞 意味
完結相 el- すでに完結し今は行なっていない
継続相 ith- 進行していて当分継続する
反復相 re- 繰り返しまたは習慣的
開始相 nihi- 今していないが近未来に行う
無標 時制中立・叙述

主語の性接頭辞

接頭辞
人性 en-
有生性
無生性
創造性
禁忌性 ithien-

コンバーブ接尾辞:主動詞に従属する副詞的な動詞節を作る

接頭辞 意味
継起 -ies 〜してから
同時 -iene 〜しながら
原因 -imlath 〜なので
逆接 -impthas 〜にもかかわらず
条件 -ivhis 〜ならば

コピュラ動詞:書きかけ

抱合の仕組み

書きかけ

構文

構文体系

SOVが基本だが、格標示があるため語順変更はある程度自由がある。ただし、語順には情報構造上の意味が含まれる。

  • SOV(基本)→ 中立・叙述
  • OSV → 目的語が話題(主題化)
  • VSO → 動作の強調、詠嘆、文語的
  • V → S省略、O抱合、日常的に最多用

話題化構文:日本語の「は」に相当。文頭に話題格 -mi / -mu を置き、それが主語・目的語・その他いずれを指すかは文脈と動詞形式で判断する。
例)

関係節構文:エルフ語には関係代名詞がない。コンバーブの転用によって関係節的意味を作りだす。被修飾名詞を文中に残したまま、修飾節の動詞にコンバーブを付けて前置する。
例)

補文構文:動詞の不定詞(=名詞として機能)をそのまま対格に置く。補文標識は不要。
例)

疑問構文:疑問詞は文頭に置き、動詞に疑問法接頭辞 ec- / oc- を付加する。疑問詞自体も様態名詞として格変化する。

疑問詞 意味
何(人性を想定)
hostas 誰(人性以外を想定)
huscu いつ
horma どこ
sin なぜ
sīlom どのように
sidhīa どれくらい 

態と構文

書きかけ

語彙とカテゴリー

未作成

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