Migdal

クライネット@ベーレン語
クライネット@ベーレン語

投稿 • に更新

未公開自言語で言オリ

※これは「語学・言語学・言語創作 Advent Calendar 2022」に載せるための記事です。

はじめに

どうも、言語学界隈に入りたてのクライネットです。大した知識もなくぽっと入ってきた私でしたが一年間弱でたくさんの創作者さんがフォローしてくださって、たくさん話せていい界隈だなと思ってます。

それはさておいて、私の自作言語「ベーレン語」は本格的に文法などが出来てきて、ちょうどそろそろ公開しようという所だったので、ここではその紹介宣伝を兼ねて「言オリ風クイズ」をします!
※言オリというのは言語学オリンピックの略で、マイナーな言語の文法や語彙を提示された例文から推測して問題を解くというものです。
私は一度も言オリやったことないので、過去問を見様見真似で作りました(おい)。

まあともかく、皆さんに楽しみながらベーレン語を知っていただければいいなと思って作りました。

第一問 コピュラ

以下の例文をもとに、2つの問題に答えてください。

 Ikh Beren sen. 私は魔族です。
 Jie stas sent. あの人は男性です。
 Jie nit Beren sent. あの人は魔族ではありません。

(1)「あの人は魔族です。」をベーレン語で表してください。
(2)「Ikh stas sen.」を和訳してください。

第一問解答
(1)あの人は魔族です。 → Jie Beren sent.
(2)Ikh stas sen. → 私は男性です。
・Ikh = 私 Jie = あの人(彼、彼女)
・コピュラは動詞Senで表し、
一人称:sen 二人称:sens 三人称:sent と活用します。

第二問 格

以下の例文をもとに、2つの問題に答えてください。

 Kenent'et lev. 知を愛する。
 En denen'el. 家の中で。
 Denen'et dem. 家を建てる。
 Els gon'es. 家族と一緒に。

(1)「家族を愛する。」をベーレン語で表してください。
(2)「Els Beren'es.」を和訳してください。

第二問解答
(1)家族を愛する。 → Gon'et lev.
(2)Els Beren'es. → 魔族とともに。
ベーレン語には"格"というものがあり、「〜を」「〜に」といった意味を持ちます。主に名詞の語尾にマーカーを付けて表します。
属格(〜の):-'es
与格(〜に):-'el
対格(〜を):-'et
また、前置詞のかかる名詞は、その前置詞の種類に合わせて格の語尾をつける必要があります。

第三問 助動詞

以下の例文をもとに、2つの問題に答えてください。なお、助動詞は太字になっています。

 Ikh co jet kole duntes. 私は彼に話しています。
 Ikh staive tekehh. 私は歩き始めた。
 Ikh te't gakeke ikas. 私は茶が飲みたい。
 Ikh nit staive ikihh. 私は歩きたくなかった。
 Jie te't gakekihht kenihh. 彼は茶を飲んだはずだった。

(1)「彼はそのとき泣いていた。」になるように()を埋めてください。
Zor jie vainet ().
(2)「Jie staivet duntes kenas.」を和訳してください。

第三問解答
(1)彼はそのとき泣いていた。
 → Zor jie vainet duntehh.
(2)Jie staivet duntes kenas.
 → 彼は歩いているはずだ。
助動詞には原形の語尾が"-e"のものと"-an"のものがあり、それぞれ以下のように活用します。
-e の場合 現在:-es 過去:-ehh 未来:-ev
-anの場合 現在:-as 過去:-ihh 未来:-av
・dunte(-es/ehh/ev) = 〜している(進行相)
・teke(-es/ehh/ev) = 〜し始める(開始相)
・ikan(-as/ihh/av) = 〜したい(願望・欲望)
・kenan(-as/ihh/av) = 〜のはずだ(確信)

助動詞は動詞やコピュラの後に置きます。


第四問 命令形

以下の例文をもとに、2つの問題に答えてください。

 Zet os'et demos. ここに門を建てろ。
 Met belos. 僕を殴れ。
 Jet ardos. 彼を信じろ。

(1)「彼を殴れ。」をベーレン語で表してください。
(2)「Zet staivos.」を和訳してください。(ヒント:第二問の例文に出てきた動詞を使う)

第四問解答
(1)彼を殴れ。 → Jet belos.
(2)Zet staivos. → ここを歩け。
命令形は動詞の原形に -os をつけて表します。命令文でも語順などは変わりません。
※zetは「ここで」「ここに」等を表す副詞。

第五問 数詞

以下の例文をもとに、2つの問題に答えてください。なお、数詞は太字になっています。

 Al erdir. 3つの机。
 Est alet gvait velihht. それは3つの都市を襲った。
 Ikh onet celt gevihh. 私は1本の剣を取った。
 Flot döel os. 2つの門を通り抜けて。

(1)「1つの机。」をベーレン語で表してください。
(2)「Döet celt gevos.」を和訳してください。

第五問解答
(1)1つの机。 → On erdir.
(2)Döet celt gevos. → 2本の剣を取れ。
ベーレン語の数詞は以下の通り
1=on 2=dö 3=al 4=vis ……
数詞にも格の活用があり、修飾される名詞の代わりに形が変わります。(西洋言語の冠詞に近いです)
属格=-es 与格=-el 対格=-et

次は最終問!実践編と題して締めくくらせていただきます。

第六問 実践

以下の語彙と、今までの知識をもとに、下の文の空欄を埋めてください。

(1)
ドイツは二度に渡り勝利をおさめた。
Doich () bres gaizihht.
※()内は数詞です

(2)
神よ王を救い給え。
Lohh, Genif'() enlok().

(3)
彼は優しいはずだ。
Jie sult () ()es.
※2つめは助動詞です。 sult = 優しい

(4)
"宝玉と3本の剣を持ってこい"と王は言った。
Genif cain "hon'() ant () celt leh()" kolihht.
※leh = 運び込む

第五問解答
(1)döet
「2つの勝利を得た」と考えて訳す。

(2)et / os

(3)sent / ken
形容詞もコピュラで表し、三人称なのでsentです。

(4)et / alet / os
hon(宝玉)は名詞単体なので-etをつけます。
celtも目的語ですが数詞alがつくのでalの方に-etをつけます


はしがき

さて、皆さんは何問解けたでしょうか。解けても解けずとも、少しでもこの「ベーレン語」に興味を持ってくれたなら嬉しい限りです。

ZpDICの方に辞書をあげていて、文法書ももうすぐできる(はずな)ので、ぜひ親しんで欲しいです。また、ここMigdalでもベーレン語に関する投稿をしていきたいと思っているのでぜひ見てください。

古い順のコメント(0)