タリム盆地においてトカラ語の文章として発見されているもののほとんどは仏教関連の史料ですが、トカラ語Bには文学的なものもあり、中には恋文と見られるもの(B-496, 亀茲で発見された)さえあります。このことはトカラ語話者たちが、"完全に仏教化して自分たちの文化を失ったわけではない"ことを示していると主張する研究者もいます。
今、タリム盆地の外(天山北路)で発見されるトカラ語Dの資料は宗教文章よりも日常的な手紙が多くを占めている特異性があります。ここで、トカラ語Dの文例として、ある書簡に現れた短い詩を紹介します。
mohañ rauci säñc
naśañ tseñśi säñc
śakar swotsä yäśśä
ṣpä θu mant yäśä
罌粟は赤く
菫は青く
砂糖は甘く
そして貴方も
上の文章は全部嘘です。元ネタ?"Roses are red"(「へたくそな詩」の典型例)。
造語メモを残します。
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