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red_camellia52
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niemai語の授業の時間です

皆様こんにちは。本授業の講師を務めさせていただくかめりぁと申します。

本日はですね、南西ヨーロッパのniemai王国で話されているniemai語について皆様にお話ししていきたいと思います。


まずはniemai王国について話しましょうか

niemai王国というのは、イベリア半島西部に位置する国です。西岸海洋性気候に属します。

かつては何の変哲もない国だったんです。しかし、西暦1427年。この国に宇宙由来の生体ブラックホールが衝突します。

はい、その名のとおり生きるブラックホールです。

このブラックホールが少々特殊でしてね。重力波を放出することで、人間の思考を引き延ばし、常に踊り続けるようにしてしまうんです。ちょうどダンシングペストのように。

また、このブラックホールは人間の声の周波数を嫌うようでして。人間が声を出すと、非常に強力な重力波を放出し、天変地異を引き起こすんです。

そのため、この国では現在に至るまで、声を出すことは禁忌とされています。宗教、法律、社会通念すべてにおいて。


次は言語について話します

かつては普通の言語が話されていたのですが、ブラックホールによって声が出せなくなってしまいました。つまり、普通の話し言葉が話せなくなったのです。

そこで人々は「踊り」に目を付けました。踊りの振り付けを元来の発音に当てはめ、踊りで会話するようになったのです。話し言葉の代わりに。

上半身を使用する振り付けを「kanigil」といい、下半身を使用する振り付けを「esgil」といいます。

kanigilで表される単語は名詞・形容詞・前置詞・接続詞などで、esgilで表される単語は形容詞・副詞などです。

kanigilとesgilを同時に踊ることで、ある程度の名詞句なら一度に表せるようになりました。

また、時間の経過に伴って、単語を表さない振り付けである「nekaitio」が出現し始めます。ステップだったり、ターンだったりなどです。

ちなみに、文字はアルファベットが使用されます。かつてはniemai文字が使用されていましたが、西洋文化圏との接触により、アルファベットが使用されるようになりました。

ヨーロッパなのに語彙がヨーロッパらしくない。という意見もあるかもしれません。その理由は、かつてのniemai王国は高い軍事力を持っていて、ローマ帝国に征服されなかったからです。

語彙は輸入せず、文字だけ輸入しました。

また、文字と振り付けの対応表は以下の通りです。

kanigil 前振り 後振り 右振り 左振り
右手 a o i s
右足 u j e z
右肘 t d k g
左肘 b p n m
頭部 r l
esgil 打ちつけ 前振り 後ろ振り 右振り 左振り
右足 t a i u s
左足 d o e j z
右爪先 k
左爪先 g
右踵 b
左踵 p
臀部 n m r l

次は文化ですね

この国では、現在に至るまでカトリックが信仰されています。

かつてのミサは静謐で厳かなものでした。ブラックホールが衝突した時も、それは変わりませんでした。

人々は声を出せず、踊りで会話するので、神父のお話も踊りで行われるようになります。

踊りというのだから派手になる。といわけでもなく、今までのように厳かに踊り、聖書の一片一片を教えます。

そのように、様々なところに踊りが加わり、声が出せなくなった結果、文化は大きく変わります。

声楽はすべて廃止され、舞踏芸術が大きく発展し始めます。

また衣服は、生活における踊りを美しく見せるため、レースやフリルがついた華やかな服へと移行していきました。


気晴らしに例文を2つ紹介します

これは、niemai王国東部の漁村であるmiseltiaで唄われている唄です。魚のかかった網を引き揚げるときに唄われているものです。最近では学校でも教えられるようです。

tesma nilmemi tila tas isemi isiu,
elia pikemi tas nilm emilas
isio isio isio...

魚は来たかと鳥に聞くと、
鳥は「波に聞け」と言った
よいしょ、よいしょ、よいしょ、

次に紹介する例文は、この前のテレビの街頭インタビューです。

tolastio keuemi ukasim. ikema eias sak?

as iaks tas uls usaniap enak
elia miemi uls mial, uls egail, uls tolas

tolastioが不倫しましたが、どのように思いますか?

とても非常に悲しいです
彼はとても美しく、とても誠実で、とてもかっこよかった

現代のniemai語は、形容詞や副詞など、esgilが多いように思いませんか?特に、「とても非常に」という言い回しは日本でもあまりしません。

このようにesgilが昔に比べて多くなった理由は、後で説明します。


エネルギー革命が起きます

技術の進歩は目を見張るものがありますね。人々は生体ブラックホールの生態を解明しました。

そうやら生体ブラックホールは、人々が踊ることで生じる振動をエネルギーに変換しているようです。

そこで人々は、その生態を応用し、振動をエネルギーに変換する装置を開発しました。常に踊る必要があるのも相まって、人々は踊ってエネルギーを作るようになりました。

それらの装置は、総称して「elmatio」と呼ばれます。また、elmatioを使用してエネルギーを生み出す行為は「elma」と呼ばれます。


言語にどのような影響を与えたのでしょうか?

町中にelmatioが設置され、人々の言語、つまり踊りはelmaに最適化されていきました。

具体的には、効率よくエネルギーを生み出すため、謂わば「タップダンス」のようになっていきました。

どういうことかというと、「タップダンス」は足を使って行われるように、人々も足を多く使って、効率的に地面に振動を与えつつ会話するようになった。
つまり、esgilを多く使うようになったのです。


文化にはどのような影響が?

踊りがタップダンスのようになっていったことで、靴は今までのトウシューズのようなものから、ローファーへと変わっていきました。

しかし、宗教ごとにおける文化は今までと変わりません。今まで通り、静謐に厳かに踊ります。タップダンスのようにもなりませんでした。

つまり、一般生活におけるダンスのみ、タップダンスのようになっていったのです。


まとめ

niemai王国に落ちた生体ブラックホールは、生活から声を奪い、常に踊るようにしました。

そこで人々は、踊りで会話するようになりました。

舞踏芸術も発展し、ミサも踊りで行われるようになりました。

その後、人々は振動でエネルギーを作り出す装置を開発しました。

それに人々は適応し、一般生活で使うダンスはタップダンスのようになっていきました


終わりに

niemai王国へは、LCCで12万ぐらいでいけます。

常に踊る必要がありますし、声をだしてはいけませんが、皆さんいい人ばかりです。

ぜひniemai王国のクールでスタイリッシュなタップダンスを見てみてください。

Let's Dance!

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