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私が創作している言語

この記事は、語学・言語学・言語創作 Advent Calendar 2023の4日目の記事です。

去年に引き続き辞書アプリについて記事を書こうと思いましたが、進捗が悪すぎて書くことができませんでした。楽しみにしていた方には申し訳ありません。

というわけで私が行っている創作言語について「サクッと」紹介したいと思います。

近況

少し悲しい話かもしれません。私は社会人1になってしまいました。

学生のときは時間がたっぷりありましたが、社会人になると時間は限られてしまいます。もともと、私は色々なことに興味があります。言語以外にも、技術、特にプログラミングや、ここ数年だとVRでの交流に興味があります。
特に最近はもうずっとVRChatのフレンドさんと交流しています。交流といっても、一緒にDiscordにいたり、ゲームをしたりしています。これによって創作の進捗や技術力の向上が伸びるわけではありませんが、私にはこれがたまらなく幸せなのです。

辞書アプリの進捗は遅いし、創作言語もなかなか語彙数が増えていきません。
とはいえ、言語に飽きたわけではありません。
時間は限られていますが、それでも前に進んでいきます。

どんな言語を作っているか

私は、個人言語を1つ、国際補助語を1つ作っています。
厳密には架空世界の言語が1つありますが、今回は省略します。

個人言語120210823

120210823という個人言語を作っています。

みんなで幸せになろう!

これは秋の特別展で投稿した作品です。

文法とかまだはっきりしていませんが、
絵文字みたいな文字で文を作ります。
語彙数は120( 0 dBTOK0\ \text{dB}_\text{TOK} )を超えています。

Discordサーバーはこちらから

国際補助語

22という国際補助語を作っています。
22世紀のための国際補助語として「22」という名前をつけています。
21世紀のための国際補助語が「ノシロ語」であれば、
22世紀のための国際補助語が「22」です。

西暦2100年までに完成予定です。

先程の言語と打って変わって、こちらはギチギチに決まったことをRFCとして文書化しています。
ここで読むことができます:https://github.com/skytomo221/22/tree/master/doc/rfcs

この国際補助語の目標は以下の通り。
RFC 5: 言語の目標
言語の目標

RFC 4: 層
言語の層

Discordサーバーはこちら

22の単語

22の単語はロジバンのように世界に存在する主要な言語から音を取って生成します。
具体的なアルゴリズムは複雑なので、ここでは紹介しませんが、
22-word-generatorにプログラムと日本語によるアルゴリズムの説明が書かれています。

以下に具体的な単語を示します。

日本語 22
mi 〈S〉は私である
mapebi 〈S〉はりんごである
rexuni 〈S〉は赤い
bimati 〈S〉はねこである
cikarabi 〈S〉は〈O〉が好きである
kameri 〈S〉は〈O〉を食べる

ここで紹介した単語はすべて動詞です。
〈S〉は主語、〈O〉は目的語です。

22の文法

ここでは形態論より上の階層について、適当に紹介します。

22の文法はエスペラントに似て、語末で品詞を分けることができます。

語末 品詞
i 動詞
o 名詞
a 形容詞
- 合成語

例えば mo という単語は「私」という名詞です。
bimati という単語は「〈S〉はねこである」という動詞です。

「〈S〉はねこである」の〈S〉に mo を当てはめてあげると文が完成します。

Mo bimati. (吾輩は猫である。)

mapebo という単語は「りんご」という名詞です。
kameri という単語は「〈S〉は〈O〉を食べる」という動詞です。

「〈S〉は〈O〉を食べる」の〈S〉に mo(私)、〈O〉に mapebo (りんご)を当てはめてあげると文が完成します。

Mo kameri mapebo. (私はりんごを食べる。)

実は語順は〈S〉〈O〉の位置が逆転していなければ、問題ありません。
つまり動詞は文のどの位置にあってもかまいません。
以下の文はすべて同じです。

Kameri mo mapebo. (私はりんごを食べる。)
Mo kameri mapebo. (私はりんごを食べる。)
Mo mapebo kameri. (私はりんごを食べる。)

もちろん、りんごに食べられることもありますので、そういうときは逆転させましょう。

Mapebo kameri mo. (りんごは私を食べる。)

少し名詞の意味について説明します。

bimati は「〈S〉はねこである」という動詞ですが、
bimato と語末の i を o に変更すると、名詞になります。
bimato は正しくは「『〈S〉はねこである』の〈S〉に当てはまるもの」という意味です。
「『〈S〉はねこである』の〈S〉に当てはまるもの」……というのは、結局のところ、ねこですので、ねこという意味になります。

何を言いたいのかわからないかも方もいると思いますが、
例えば kameri (〈S〉は〈O〉を食べる)を名詞にすると、どういう意味になるか考えてみましょう。
kamero は「『〈S〉は〈O〉を食べる』の〈S〉に当てはまるもの」という意味になります。
「『〈S〉は〈O〉を食べる』の〈S〉に当てはまるもの」……は、食べる人、とか、食べる動物、という意味になります。
これを踏まえると、以下の文が理解できると思います。

Kamero mi. (食べるのは私だ。)

mi(〈S〉は私である)も名詞にすることができるので、
当然以下の文を作ることができます。

Mi bimato. (私は猫です。)

これは "Mo bimati." とさほど意味が変わりません。

まとめ

2つの言語を紹介しました。
まだまだ未発達な言語ですが、これからもよろしくお願いします。
良い年末を!


  1. フォロワーの方に「学生も社会に属しているのだから《社会人》という言葉はおかしい」「会社員というだけで自ら社会の人の書いて社会人であることを主張するのはおこがましい」とおっしゃる方がいたかもしれません。ただ、一般的には《社会人》という単語が使用されていますので、ここではそれを使うことにします。 

Top comments (2)

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navufu profile image
なゔふあゔふ • Edited

些細な話ですが、RFC 5: 言語の目標にて、非曖昧性がAmbiguousなのはUnambiguousの誤記ですかね。(ところで形容詞と名詞が混在してるのは意図的?)

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slaimsan profile image
スライムさん

ロジバンの考え方をシンプルにした感じで、好き