現在358語あるテー語の単語の中から、個人的に「面白く作れた」と思うものをピックアップ。今回は7つの単語を紹介。
私はもともと内容語について考えるのが好きで、過去の記事では文法を作るのがめんどくさいと書いたが、テー語の制作が本格化してから文法作成も楽しめるようになってきた(ただし膠着語や屈折語の格変化や動詞の活用を考えるのは依然としてめんどくさい)。そんなわけで、内容語も機能語も紹介する。
ae「~できる/よい」
「よい」という意味から文法化が起こって「~できる」という助動詞として使われるようになった。漢文の「能(よ)く~」にヒントを得ている。aeは「(能力、努力などによって、主観的にみて)できる」を表す助動詞であり、zê:「(状況によって、許可されていて、客観的にみて)できる」とは区別される。
ah-tióng「家」
意味はただ「家」だが、ahは単独では意味をなさない形態素「家」、tióngは動詞「隠れる、身をひそめる」である。日本語にたとえれば家のことを「隠れ家」というようなもの。テー語が話されるセンキー大陸には危険な動物や怪異が生息しており、隠れる必要があることからこういう呼び名になった。
bē-pheet「調味料」
bēは「(飲める)水」、pheetは「塩」。液体じゃなくてもこう言う。直訳は「塩水」…。
be「(形態素)飲めない液体」
語族(名称未定)の祖語では「毒」の意味で、バター語では依然として「毒」の意味だが、テー語をふくむヌデッレ語派においては意味が変化している。be-lông「石油」(be+黒い)や、be-bǒe「香水」(be+(食べ物以外のものが)いいにおいを放つ)、be-pheet「(薬の調合などに使う)塩水」(be+塩)などの語に使われる。
chuah「減らす/殺す」
何を「減らす」のだろうか。危険な生物や怪異は殺さなければやっていけないので、テー語には「殺す」を比喩的に表す表現がこのほかにも複数ある。
e「暑がる/暑い/嫌がる/(~したく)ない」
パッテー人(テー語を話す民族)は寒さに適応した暑がり体質なので、「嫌がる」の意味に。そこから、願望の否定を表す副詞としても用いられるようになった。どういうモチベーションか不明だが、テー語助動詞の中には基本となる(一般動詞を否定するのに使う)否定副詞ēnn以外を用いるものがある。
ēnn「(助動詞を使わない文で、主語の前において)~ない/(助動詞の前において)~ない/(動詞句の後において)~できない」
これは大変な単語である。
(甲)一般動詞を否定する副詞…pānn(~である、コピュラ)のほか、he:「食べる」、chuah「減らす、殺す」など一般動詞を否定する。このとき文頭に置かなければならない。
(乙)一部の助動詞を否定する副詞…hlió「~だろう(推量)/~だ(断定)」、zê:「~できる」など、専用の否定副詞をもたない助動詞の直前に置いて否定する。
(丙)助動詞aeの反対を表す助動詞「~できない」…aeの否定はēnnを単体で動詞句の後において表す。これは、もともとēnn aeと言っていたが、「~できない」とよく言う民族性であったために省略されたものであるとされる。ēnnは動詞句の後に単体で現れても他の意味とバッティングすることはなかった(本当にそうか検討中)。
ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。
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やっぱり文化かかという設定を作るのは大事だね。