本日、数日前から構想していた音韻の大きな改訂を実施した。それは二重母音を廃止し、単母音に合流させるというものである。
というのも、実際に作った例文を発音してみて、単母音ばかり出てくる例文の音の響きが良いなと思ったからである。
また、二重母音を単母音にしてもつづりはそのままにすることにより、つづりが一対一対応していないという状況を作り出せる。難解な旧書法を改めて発音が分かりやすい新書法を制定したが、制定後に新たに音変化が生じてしまった、という設定である。さらに、音変化の様式・順序を考えた結果いくつかの例外を作り出すことにも成功した。加えて、/o/という新しい母音音素も誕生した。
具体的にはaeo/ɛø/ > /ɛ/ or /ø/, ia/iɑ/ > /i/, io/iɔ/ > /ɔ/, aai/ɑːi/ > /ɑ/, oe/oe/ > /o/ or /e/, ou/ou/ > /o/, ueu/uø/ > /ø/, ua/uɑ/ > /o/ or /ɑ/である。複数あるものについては後述する。
改訂の結果、単母音とそのつづりの対応は以下のようになった。
単母音 | 改訂前のつづり | 改訂後のつづり |
---|---|---|
/ɛ/ | ae | ae, aeo(※1) |
/e/ | e | e, oe(※2) |
/ø/ | eu | eu, ueu, aeo(※1) |
/i/ | i | i, ia |
/y/ | y | y |
/ə/ | e:(※3) | e:(※3) |
/ɑ/ | a | a, aai, ua(※4) |
/ɔ/ | o | o, io |
/o/ | (なし) | ua(※4), oe(※2), ou(※5) |
/u/ | u | u |
※1…yhaeoh5「~も」という単語では/ø/, その他は/ɛ/
※2…使用頻度の高い少数の語では/e/, その他は/o/
※3…頭子音がs/s/, z/z/, ts/ts/, tsh/tsʰ/, sh/ʃ/の場合は/ɿ/, その他は/ə/
※4…末尾が-p, -t, -k, -ʔの音節では/ɑ/, その他は/o/
※5…ouは常に-t, -n, -k, -ŋを伴う
いかがだっただろうか。正直言って新書法という普段使いする書記体系なのに、複雑にしすぎて私も困るレベルになってしまったのだが、時には困ることも大切である。今後はさすがに新書法を複雑にすることはもうやめ、改訂するとしても旧書法の変更にとどめたい。
【付録】同時に、頭子音/mb/, /nd/ /ŋg/は文頭や区切りの頭(詳細未定)以外に来たときに/pʰ/, /tʰ/, /kʰ/と発音されるように変えた。これらは文頭・区切りの頭以外で発音しづらく、それは嫌な発音しづらさであった(前の記事で述べたような心地良い発音しづらさもある)。また、ネット記事かどこかで「有声破裂音(有声阻害音、有声子音だったか?)が多いほど聞き手に心地良い印象を与える」みたいな情報を見て、では有声破裂音を減らさなければならないと思ったからである。テー語の音韻・音声の設計思想は「異質な響き」である。
ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。
新しい順のコメント(0)