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Tsuchifude
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前に思いついた難しい言語(言語名は長すぎるので省略)

この言語の根幹をなすネタはもともとは独自に考えついたものでしたが、Twitter(別名X)の#100言語考える タグを確認したところ既出で、かえる氏も同様のアイデアを出されていました(前作ったPaaki語でやったネタも既出かもしれません)。結果的に他人のアイデアを利用したようにみえる形になってしまったかもしれません。ですが実際に作った方はたぶんいらっしゃらないので公開します。
また、この言語の語形成について考えるのはド文系のわたしにとってはかなり難しいものなので(じゃあ作るなという話ですが)、運用上の問題や欠陥、論理的におかしい部分が複数あることが予想されます。すみません。

音素

母音は6つあり、[ɑ̃][ɔ̃][õ][ɑ̃ː][ɔ̃ː][õː]です。それぞれa, o, u, aa, oo, uuとつづられます。

子音は18種類あります。()内はつづりです。両掌衝突音は手をたたく音で、なぜか国際音声記号では定義されていません。

両唇 歯茎 そり舌 硬口蓋 軟口蓋 両掌
吸着音 ʘ(ph) ǀ(sh) !(th) !!(rh) ǂ(ch)
入破音 ɓ(b) ɗ̪(z) ɗ(d) ᶑ(l) ʄ(j) ɠ(g)
放出音 p'(p) t̪'(s) t'(t) ʈ'(r) c'(c) k'(k)
衝突音 (q)

なお、すべての音節が開音節となっています。

名詞の語形成

まず例として「犬」という意味の単語を見ていただきます。
「犬」roophulhoorushocoboothoothoopaalaaruusaajuudaaloothuuqaazaasoqoochooqaachaphoocochoojaalhaatulhaluulhoozooruuzulaaluuthachozaatooshujuukaagaajachakuuruqojarukacoqaphoochaashusuuluuqajuukuugotaachuqookoqoochoosothaqoqukootoozaashaagosaatoogalholabuuthoocoolhoolhukuzokubolotoqaadobuuka...
...の先は長すぎるので省略しています。話者は日常会話では、最後のbuuka以降は省略することが多いです。
わりと長いですが、これはこの言語があらかじめ「~ではない」「~な」といった意味を表す接辞が語基に大量にくっついており、名詞の修飾はこれらの接辞の1つ以上を取り除くことで行うからです。
形態素ごとに区切ると
roophu-lhooru-shoco-boothoo-thoopaa-laaruu-saajuu-daaloo-thuuqaa-zaaso-qoochoo-qaacha-phooco-choojaa-lhaatu-lhaluu-lhoozoo-ruuzu-laaluu-thacho-zaatoo-shujuu-kaagaa-jacha-kuuru-qoja-ruka-coqa-phoochaa-shusuu-luuqa-juukuu-gotaa-chuqoo-koqoo-chooso-thaqo-qukoo-toozaa-shaago-saatoo-galho-labuu-thoocoo-lhoolhu-kuzo-kubo-loto-qaado-buuka...
それぞれの形態素の意味は
roophu「動物」
lhooru「赤くない」
shoco「青くない」
boothoo「緑でない」
thoopaa「黄色でない」
laaruu「黒でない」
saajuu「茶色でない」
daaloo「ほかの犬と比べて大きくない」
thuuqaa「ほかの犬と比べて小さくない」
zaaso「食べられない」
qoochoo「醜くない」
qaacha「かっこよくない」
phooco「美しくない」
choojaa「清潔でない」
lhaatu「汚くない」
lhaluu「ほかの犬と比べてのろまでない」
lhoozoo「ほかの犬と比べてすばしっこくない」
ruuzu「飼われていない」
laaluu「野生でない」
thacho「まずくない」
zaatoo「おいしくない」
shujuu「焼くと香ばしいわけではない」
kaagaa「焼くと変なにおいがするわけではない」
jacha「毒がない」
kuuru「からだが熱くない」
qoja「からだが冷たくない」
ruka「ほかの犬と比べて毛むくじゃらでない」
coqa「ほかの犬と比べてつるつるでない」
phoochaa「怪異でない」
shusuu「人を食わない」
luuqa「脚が54本あるわけではない」
juukuu「頭に角が23本生えているわけではない」
gotaa「嘘つきではない」
chuqoo「正直ではない」
koqoo「死んでいない」
chooso「たれ耳でない」
thaqo「立った耳でない」
qukoo「老いていない」
toozaa「若くない」
shaago「斑点がない」
saatoo「しまもようがない」
galho「からだに呪文が書かれていない」
labuu「流行っていない」
thoocoo「頭でっかちでない」
lhoolhu「集落の長のものではない」
kuzo「異常がない」
kubo「正常でない」
loto「loto(人名)のものではない」
qaado「qaado(人名)のものではない」
buuka「鬼のような形相でにらみつけてこない」
buuka以降もこのような調子で修飾のはたらきをもつ接辞が延々と続きます。しばらくすると「(人名)のものではない」という修飾語が続くゾーンに入るのですが、この(人名)の部分はこの言語において存在可能な音節が任意の数組み合わされたものが無限に続くので、単語の長さは無限となっています。
buuka以降は省略されることが多いと書きましたが、buuka以降の修飾接辞を参照したい場合は続きも全部言う必要があります。2音節の組み合わせを言い終わったら3音節、3音節を言い終わったら4音節…という感じで続くため、6音節の長さの名前をもつ人の所有物とかになると「(人名)の犬」と言うだけで日が暮れる場合があります。
最初の語基の部分は「動物」となっていますが、すべての犬にあてはまる基本的な特徴をあらわす接辞はデフォルトで取り除かれています。
「食べられない」に関してなどは、「食べられないわけではない」という接辞がついていませんが、これは犬は食べられないのが普通であるために取り除かれているからです。とりたてて「食べられない」ことを言い表す方法はなかなかありません。
犬の名前を表したいときには、「〇〇という名前がつけられた動物」という専用の語基のうしろに基本的な修飾を表す接辞と「〇〇という名前ではない」という接辞を何度も繰り返してつけることで表します。
形容詞にあたる語は存在しません。
これ以上語形成について考えると頭が痛くなってしまうのでやめますが、冒頭にも記したとおり問題があることが予想されます。すみません。

言語名

この言語の正式な言語名は明らかになっていません。母語話者は言おうと思えばすべて言えるのですが、長すぎるので単語の全部を伝える方法がありません。「〇〇という言語名ではない」のほか「(事物)を表す単語は〇〇でない」という接辞が延々と続きます。新語ができればその分だけ接辞も増えていきます。

とりあえずこれで終わりますが、今後もこの言語の問題点や新たな特徴について検討を続けていきたいと思いません。
最後にアイデアがかぶっていたかえる氏のツイートのURLを載せておきます。
https://x.com/kaeru2193/status/1821162483551498521

ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。

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