Migdal

ふぃるきしゃ(FILUKISJA)
ふぃるきしゃ(FILUKISJA)

Posted on

人工言語ニョンペルミュ解説

 こんにちは、ふるくしゃです。最近「ニョンペルミュ」という新しい言語を作ったのでその解説をします。


ニョンペルミュとは?

 300ほどの形態素の組み合わせで実用レベルの意味表現を行うことを目的とした人工言語。1音節の形態素それぞれに意味が割り当てられており、それらの合成により派生的な造語を行う。


音韻

 ニョンペルミュの音素は以下の通り。母音の長短の区別や二重母音は持たないが、口蓋化母音の区別を行う。子音は有声性を区別しない。

a i o e u ja jo je ju
p t k f s h m n l

 s, h, nは、口蓋化母音(ja, i, jo, je, ju)が後続する場合に口蓋化し、それぞれ[ɕ, ç, ɲ]となる。

(例)
s /s/ → si [ɕi]
h /h/ → hja [ça]
n /n/ → nje [ɲe]

 tの口蓋化は任意である。

t /t/ → tju [tju]または[cu]

 音節構造は、CVかCVCのいずれかである。尾子音にはs, n, lのみが出現できる。

 アクセントには強弱アクセントを採用する。アクセントは必ず一音節目に置かれる。


文法

 ニョンペルミュは分析的言語であり、語形変化はない。

基本の文

 主語名詞の後に動詞を置くと文になる。

la lju.
私は歩く。

fintjun mjun.
子どもが笑う。

fal lal.
鳥が歌う。

 動詞は目的語をとる場合がある。目的語は動詞の後に置く。

la na tjun.
私は人間だ。

mjas kja man.
動物が肉を食べる。

se sa los.
彼は山に行く。

 動詞が自動詞か他動詞かは、目的語の有無で判断する。

til pis. / la pis til.
ドアが開く。/ 私はドアを開く

pjol nol. / tjun nol pjol.
虫が死ぬ。/ 人が虫を殺す

前置詞

 前置詞句は、動詞の前に置く。

malon pa la le kesmju.
父は私に本をくれた。

 動詞には前置詞として用いられるものもある。

la ki lissitol.
私はハサミを使う。

la ki lissitol si tassil.
私はハサミで(ハサミを使って)髪を切る。

形容詞

 形容詞は名詞の前に置く。

sin hal
青い

fin sjosmin
小さな

 形容詞の一部は名詞としても使える。

ke mal
この家

ke
これ

 形容詞は動詞naの目的語となる。

hal na sin.
空は青い

ni sjosmin na fin.
その花は小さい

 多くの形容詞は動詞の前に置くことで副詞としても使える。

la li lilen folmis.
私は美しい踊りを見る。

se lilen fol.
彼は美しく踊る。

後置詞mi

 後置詞miは名詞の所有者や関係性を表す。

ke na la mi kestun.
これは私のペンです。

 miの被修飾語は省略されることがある。

ke na la mi.
これは私のです。

 数は十進法を用いる。可読性の向上のため、桁が上がるごとにハイフンを挟んで表記する。

0 hje
1 pas
2 lis
3 sjal
4 njen
5 han
6 lol
7 mjes
8 hjos
9 kis
10 fo
11 fo-pas
12 fo-lis
20 lisfo
57 hanfo-mjes
100 fofo
334 sjalfofo-sjalfo-njen
1000 fosju
2023 lisfosju-lisfo-sjal

la sjus lis sjantel hus ke has.
私はこの街に2年間住んでいる。

la kju sjus sjal kjultel mil fi lun.
3分間待ってやる。

 序数詞は、数の後にpeをを付ける。

selsjantel na lisfosju-lisfo-sjalpe sjantel.
今年は2023年(2023番目の年)だ。

fi na fosjupe hutjun.
あなたは1000人目の訪問者です。

助動詞

 助動詞は動詞の前に置く。

la me na ljel.
私は神ではない

la so pel njonpelmju.
私はニョンペルミュを話すことができる

la fa hjuli fi.
私はあなたに会いたい

sesju nun to sen mal.
彼らは新しい家を作り終えた

疑問文

 助動詞meを挟んで動詞を反復させることで諾否疑問文となる。また、単に文末のイントネーションを上げるだけでも諾否疑問文となる。

fi na me na meltjun?
あなたは大人ですか?

se sja me sja lal?
彼は歌うのが好きですか?

 疑問詞疑問文にはnoやそれを含んだ派生語を用いる。

ke na no?
これはですか?

fi na notjun?
あなたはですか?

kelan na nolan?
ここはどこですか?

fi notel nun to kyamju?
料理はいつ出来上がりますか?

manel sus fan no tjos?
お母さんはなぜ怒っているのですか?
(前置詞fanを用いた前置詞句で「なぜ」を表現する)

fi tju nokalnas hu kelan?
あなたはどうやってここに来ましたか?

命令文

 命令文用の二人称代名詞loを使った文は命令文となる。

lo ne la!
助けて!

lo men ljantjun.
全ての人を愛しなさい。

主語共有文

 一つの主語の後に、複数の動詞句を置くことができる。これにより、「XしながらYする」または「XしてからYする」が表せる。

la lassa fjeltentol sa nilkjes.
私は飛行機に乗りながら(=飛行機で)外国に行く。

fi tjo me lju kja.
歩きながら食べてはいけない。

節の名詞化/関係節

 節の前にteを置くことで名詞化できる。

la fis te fi na tastitjun
あなたが王であることを知っている。

 teによって名詞化した節の後にmiを置くと関係節となり、名詞を修飾できる。

la li te fi pa la sja mi kesmju.
私はあなたが(私に)くれた本を読む。

 teとmiで囲んだ節は関係節だけでなく、名詞の内容を説明する補文としても使える。

la kju pa fi fis te tastofin tjun kofan mel kol mi kespelmju.
君に愚か者が大金を失った話をしよう。

接続詞

 sas, lelといった接続詞は二つの句を並列する働きをする。

la kja man sas kjasosjol.
私は肉野菜を食べる。

la lel fi tjo sa.
あなたが行くべきだ。

 tel, lus, fos, hjenといった接続詞は文末に置き、後続の文との関係を示す。二つの文の間にはコンマを打つ。

hallu fontis hu fos tel, la me fan mal.
昨日は雨だったので、家から出なかった。

fi ljas fos, la konnas ljas.
あなたが嬉しいなら、私も嬉しい。

 接続詞は単独でも用いられる。

la mil sel pa se njon hjupel. hjen, la me fusfis te se sja no folkal.
彼とは少し話したことがある。しかし、彼がどんな性格なのかは分からない。


造語

 派生語の語構造は主要部後置であるため、品詞は末尾の形態素のそれに依存する。

fjel「飛ぶ」+ tes「腕」→ fjeltes「翼」
li「見る」+ len「良い」→ lilen「美しい」
tas「頭」+ to「作る」→ tasto「考える」

 以下は派生語の主要部としてよく用いられる形態素である。

mis「~すること・~であること」
fjol「踊る」+ mis → fjolmis「踊り、ダンス」
mjus「愛する」+ mis → mjusmis「愛」

 自動詞と他動詞が同形である場合は、他動詞の前にha「何か、もの」を付ける

例)nol「死ぬ、殺す」
nol + mis → nolmis「死」
ha + nol + mis → hanolmis「殺し」

mju「~されるもの」
kja「食べる」+ mju → kjamju「食べ物」
fis「知る」+ mju → fismju「知識」

tjun「人」
fin「小さい」+ tjun → fintjun「子ども」
ma「生む」+ tjun → matjun「親」

lan「場所」
kja「食べる」+ lan → kjalan「飲食店」
mu「売る」+ lan → mulan「店」

tel「時間」
fjas「塵、粉」+ tel → fjastel「瞬間、秒」
non「影、暗い」+ tel → nontel「夜」

tol「道具、機械」
ten「動く」+ tol → tentol「乗り物」
si「切る」+ tol → sitol「刃物、ナイフ」

nas「~のような・~的な」
kju「~しようとする」+ nas → kjunas「意図的な」
kjas「驚く」+ nas → kjasnas「驚くべき」

mel「大きい」
sil「線」+ mel → silmel「長い」
mas「力」+ mel → masmel「強い」

fin「小さい」
sil「線」+ fin → silfin「短い」
mas「力」+ fin → masfin「弱い」

ti「~をする」
pul「背中」+ ti → pulti「背を向ける、背く」
tas「知る」+ ti → tasti「率いる、統率する」

ku「~に変わる、変える」
tjan「汚い」+ ku → tjanku「汚れる、汚す」
ljun「綺麗な、清潔な」+ ku → ljunku「掃除する、洗う」


 解説は以上となります。この言語、響きが結構気に入ったので歌唱用言語としても使いたいと思ってます(前に作った即興歌唱用言語はどうなったのかって? 無事にこの言語の糧となりました)。今は実用例文集のニョンペルミュ訳を進めていますので、やる気が続けばまた記事を書きます。
 では、また次の記事でお会いしましょう。hjufanmis!(またね!)

Top comments (2)

Collapse
 
atridott profile image
Atridott

Ke pelmju na len!

Collapse
 
fruksha_bidima profile image
ふぃるきしゃ(FILUKISJA)

la ljas te fi pel njonpelmju. pjalmis!(ありがとう!)