2021/12/22 追記:
以下、制作コミュニティ内部用の文書みたいな状態になっていたのと、色々見直した&見直さなければならないので、それが済みしだい新たに執筆したい
参考:
- アラインメントとは: アラインメント (言語学) - Wikipedia
- -bix = 絶対格, -∅ = 能格, -eca = 因格
概要
現代オ゛ェジュルニョェーッ語のアラインメントは、
- 動詞周り → 対格型
- コピュラの人称接辞が自動詞主語・他動詞主語と呼応するという点で
- 名詞周り → 活格的能格型
- 能格が一部で活格的な振る舞いをするので、この能格を「活格的」であると形容している
となっている。
このように一文のなかに対格型と能格型がほぼ常に共存することから、分裂能格(相などによって対格型と能格型が使い分けられる)に対してこれを「混合能格」型言語と称している。
古来、動詞周りは対格型(現代と同じ)、名詞周りは中立型(主語と目的語で形の変化をもたない)となっていたのだが、のちに〈影響を受ける〉ことを意味する接辞 -bix が生まれ、絶対格接辞へと発展した、という経緯による(能格無標という特殊さもこのため)。
概説
大まかに、普通の能格型言語をベースとして、そのものが影響を受けない場合は絶対格接辞 -bix がつかない、と考えると分かりやすい。
詳細
- 能動態, -bix主語
- 普通の自動詞文
- 能動態, -∅主語 (活格型的)
- 主語がその動作による影響を受けない場合(等式文〈英語の S be C〉の他、「居る」「暮らす」など)、あるいはその影響をあえて強調しない場合(当然のこととして述べる場合など)に用いる
- 近年は、-bix の一般化により、特定少数の言い回しを除き、普通に -bix主語 文となることも多くなっている(特に口語)
- "特定少数の言い回し": 等式文, etc.(検討中)
- 能格 -∅ であるか絶対格接辞 -bix の省略であるかが文法的にも判断しづらい場合がある
- 能動態, -∅主語 & -bix目的語
- 普通の他動詞文
- 能動態, -∅主語 & -∅目的語 (二重斜格型的)
- 目的語がその動作による影響を受けない場合(「見る」「放置する」など)、あるいはその影響をあえて強調しない場合(当然のこととして述べる場合など)に用いる
- 近年は、-bix の一般化により、特定少数の言い回しを除き、普通に -∅主語 & -bix目的語 文となることも多くなっている(特に口語)
- 能格 -∅ であるか絶対格接辞 -bix の省略であるかが文法的にも判断しづらい場合がある
- 能動態, -eca主語 & -∅目的語 (三立型的)
- 能動態, -∅主語 & -∅目的語 に似るが、主語と目的語の人称と数が一致しているため明示的に区別したい等の理由で主語を因格としたもの
- 中立型アラインメントの時代は何らかの方法で区別していたとみられるが、現代ではそれが失われているため
- 主語・目的語のいずれも、通常の自動詞主語 -bix と異なる格であるという点で、三立型的であるといえる
- 能動態, -∅主語 & -∅目的語 に似るが、主語と目的語の人称と数が一致しているため明示的に区別したい等の理由で主語を因格としたもの
- 受動態
- 通常の受動態とほぼ同じ
- -bix が生まれる以前から既に受動態は存在していた
- -∅主語(受動者が影響を受ける場合も、そのニュアンスを態々出す必要がないことから -bix はつかず無標となっている)
- 動作主を明示しない形でも他者の意志であることを強調したい場合に、能動態 主語のみ よりもよく用いる
- 「扉がひらいた」よりも「扉がひらかれた」としたほうが行為者がいるニュアンスが出る
- 普遍的事実を述べるときにもよく用いる
まとめ
オエル語のアラインメントは、
- 動詞周り → 対格型
- 名詞周り → 能格型
- 名詞周り(祖語) → 中立型
- 名詞周り(一部) → 活格型的
- 名詞周り(一部) → 二重斜格型的
- 名詞周り(一部) → 三立型的
と、主要6タイプのアラインメントを全てカバーしている。
なお、「階層型アラインメント」というアラインメントのタイプが存在するようなのだが正体不明であり、あわよくばオエル語に取り込むべく現在鋭意調査中である。
この記事は、次の Scrapbox 記事をもとに一部を変更したものです: 文法:アラインメント - Brxōdƣez, lanva?! (2021年11月13日時点)
Latest comments (3)
ちなみにまだどこにも説明していませんでしたが(汗)、元記事の転載として扱いたい場合は、編集画面の設定の正規化URLに元ページのアドレスを指定するといいです。
グーグルの点数が元ページの方に合算されるというしくみらしいです。
ありがとうございます!やってみました
おお