もうすぐ春だ。
春になれば肌寒い季節は終わり、ぽかぽか陽気にずっと寝ていたい時期の出来上がりだ。
お前はどの季節でも不精な奴だろ、だと?
春といえば、何を思い浮かべるだろうか?
今、私が住んでいる日本だと「桜」を思い浮かべるが、タミル・ナードゥ州だとタミル旧正月の祭りがあるので、家の玄関に色の付いた砂で模様を描くコーラムが思い浮かばれる。ドイツだと白アスパラが美味しい時期なのだとか。
さて、どんな文化圏でもこういう風に季節を表す代表的なイメージが見られる。
ことここに至れば、私みたいのは自分の言語にある季節を表すイメージが気になってくる。
リパライン語には、季節やある時期と結びつく単語がもちろん幾つかある。
ただその前に、気をつけるべきことはユエスレオネは雨季(
khelezert
)と乾季(
nelezert
)の二期の季節しか無いということだ。しかし、地上に居た頃はところによって四季があったため、現代のユエスレオネ人の季節意識とリパライン語の言語表現には少し隔たりがあることに気をつけておかねばならない。
季節との繋がりで意識に上ってくるのはルーリア祭だ。
ルーリアは修正理歴のヴェルガナ月の二週間を祝う移動祝日で、ラダウィウムと呼ばれるコケモモに似た果実をシロップ漬けにしたお菓子ニスティッラダウ(
nistilladau
)がよく食される。大体、ヴェルガナ月というとピリフィアー歴(太陽暦)の冬頃を指すので、ニスティッラダウと聞くと年末の雰囲気がしてくるものだ。スパイス入りのミルクセーキであるリウスニータ(
li'usnirta
)もルーリアの名物だ。いせにほでも描写されていたが、どんな街中でも一軒はリウスニータの屋台が出ている。
さて、このまま続けると「お前は食いもんにしか興味がないのか」と言われそうなので、植物や生物の話に行ってみよう。
年末年始の風物詩といえばフォルネクス(
pholneks
)という樹木の種の一斉飛翔である。フォルネクスはWP媒花で、ウェールフープの力を使って種が自ら飛翔する。一斉に飛び立つ種たちはまるで妖精の大群のようで、見る人を圧倒させる。フォルネクスの種を表すラフェール(
laferl
)という単語は冬から春への季節の変わり目を予感させる。
今度は海に行ってみよう。ファイクレオネには、ゾシュハーヒウケ(
dhoxkharhiurk
)と呼ばれる首長竜のような動物が居る。体長は5~10メートルほどで魚を捕食するのだが、一部の種は交尾の時期になると沿岸に集まって海岸にまで聞こえる鳴き声を響かせるという。ユエスレオネでは殆ど聞くことはないが、PMCFに住んでいる者たちにとっては風物詩になっていそうだ。
さて、こんなところだろうか。多分、他にも季節にまつわる表現は色々とありそうだが、それはまた今度紹介することにしよう。
皆さんの作っている・勉強している言語で、季節にまつわる面白い表現があれば是非コメントで紹介してもらいたい。
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