ランディ(LANDI)は、国際補助語として使用されることを目的として作られた人工言語の一つです。日本人の清水隆紀によって作られ、令和元年に初めてインターネット上(旧Twitter)で公開されはじめました。完全な形としては、令和5年に「人工言語ランディ」(日本語版)と「LANDI」(英語版)にまとめられ、そのPDF文書ファイルは誰でもダウンロードすることが可能です。
ランディは、18の音素と136の単語から成り、最小の努力で最大の意味を表現することを目指しています。
・・・名称・・・
LANは「言語」という意味であり、英語の Language に由来しています。LAN自体で「言語」を表すので、LANDI語のような言い方は重言になります。DIはタイ語で「良い」を意味する ดี(diː)に由来します。よって、LANDIは「良い言語」という意味になります。
・・・音韻・・・
ランディの発音は日本語に似ていて、開音節が基本です。
母音は u, i, a, e, o の5種類です。
それぞれ日本語の ウ、イ、ア、エ、オ と同じ発音です。
子音は f, h, m, l, n, s, ʃ, p, b, t, d, k, g の13種類です。
fu と hu は別の意味の単語になるので注意してください。
閉音節は、基本的に「ん」で終わる場合のみ存在し、その発音は後続音によって m, n, ŋ 等に変化します。
lu と su は、後続音が母音でない限り、母音 u を省略して閉音節にできます。例えば aluta は alta と発音し、asuta は asta と発音します。
ランディには実質的に -l, -n, -s, -ln, -ns の5種類の閉音節が存在します。
・・・音節表・・・
この音節表における x は ʃ の音素を表しています。
閉音節の「ん」は後続音によって m, n, ŋ 等に変化しますが、ここでは便宜上すべて n で表記しています。
この音節表にある136種類の音節が、そのままランディの136個の全単語になります。
・・・文字・・・
文字は「7セグメント文字」を用います。
ここでは基本となる90種類の文字を掲げます。
ランディに存在する5種類の閉音節( -l, -n, -s, -ln, -ns )は使用頻度が高いので、特別に専用の文字が設けられています。
修飾される語は修飾語の前に現れ、後置修飾の形になります。
白い鳥 fimpo, 黒い魚 haŋgo
( 鳥 fin, 魚 han, 白い po, 黒い go )
主語、動詞、目的語(SVO)の順になります。
主語の後には su を挿入し、目的語の前には lu を挿入します。
コピュラ(英語の be 動詞や日本語の「です」)にあたる単語は存在しません。この場合、動詞は省略されますが、主語と述語を分離するために su を挿入します。
私は下を見る i su du lu don → is dul don
( 私 i, 見る du, 下 don )
これは良い言語だ ni su lan di → nis landi
( これ ni, 良い di, 言語 lan )
獣が水を飲む lin su gin lu ha → lins giln ha
( 獣 lin, 食べる・飲む gin, 水 ha )
lu の直前が -n の場合、-nl は発音しにくいので -ln に形が変化します。
主語は省略可能です。
( 下を見る dul don, 水を飲む giln ha )
否定文は、動詞の後に na を置きます。
( 下を見ない dunal don, 水を飲まない ginnal ha )
諾否疑問文は、文末に lu? を付加します。
( 下を見る? dul doln?, 水を飲む? giln hal? )
疑問詞疑問文は、尋ねたい箇所をuで置き換えます。
( 何を見る? dul u?, 何を食べる? giln u? )
命令文は su を xi に変えます。
鳥が魚を食べる fins giln han → 鳥よ、魚を食べよ fin xi giln han
下を見てください xi dul don
今回の解説は、このへんまでにしておきます。
ランディの解説PDFは305ページまでありますが、ほとんどは物語の翻訳文です。ぜひお訪ねください。
p001~006 ランディ概要
p007~013 全文字の詳細
p013~032 全文法の詳細
p032~073 全単語の詳細
p073~115 総合的な復習
p116~304 サンプル文章
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