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ランディ(7セグ語)
ランディ(7セグ語)

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人工言語創作論もどき

ルンス語(旧ランディ)の創作過程

そもそも私は、なぜ人工言語を作ろうと思ったのだろうか。それを話すとなると、私が小学生だった頃にまで遡らなければならない。私は、1+2=3という数式に納得していた。古今東西を問わず、1+2=3は正しい。塩酸+水酸化ナトリウム⇒水+塩という化学反応も、古今東西を問わず正しいので私は納得していた。そっちの分野の勉強は得意だった。しかし「おとこ」を漢字で書くと「男」になることや、キリスト教の伝来が1549年だったこと等は、もちろん知識として知ってはいるが、興味はなかった。たまたま結果としてそうなっただけのことを、いちいち暗記するために貴重な脳みその一部を費やすことが苦痛だったので、そっちの分野の勉強は苦手だった。特に「語学」ほど無意味な学問はないと考えていた。語学ほど、古今東西によって一貫性のないものはない。中学生になると、いやでも英語を習う。国語も苦手だったが、英語も学習意欲がわかない。私は非合理的・非論理的なものが嫌いだ。不規則なものがあれば規則的に直そうとしてしまう。そこで私は、まず文字から直そうとした。日本語の文字も英語の文字も恣意的すぎる。ハングルは比較的よく出来ている。だから私はハングルを好きになった。でも韓国語の発音にはクセがある。当時の私は、破擦音 tʃ に濃音 ttʃ と激音 tʃʃ があるのが気持ち悪かった。その点、日本語の発音は簡素で好きだった。でも、ta, tʃi, tsu, te, to のような不規則性もあり、なかなか私が満足のできる言語はなかった。高校生になった私は「こういう言語があればいいのにな」「なければ自分で作ってみよう」という思うに至り、それまで思考を巡らせていた様々なアイディアを形にしようと試みた。そして、究極的な国際補助語を作ろうとした。まず、文字は完全に中立・公正でなければならない。そのため簡易性・効率性を重視し、従来の筆順、書きやすさ、美しさを軽視した。文字の候補としては、次のようなものが考えられた。

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次に、これらの文字に発音を対応させていく。文字の形状に相応しい発音を、合理的に定める必要がある。その結果、発音の候補として下記の一覧表のようなものが考えられた。なお、lu, nu su には対応する文字が当初の候補の中には無かったので新しく作った。また、lu, nu su に関しては、母音 u が脱落しやすいので、-l, -n, -s, -ln, -ns を尾子音として採用し、対応する文字も新しく作った。よって、この文字・発音の体系では、lu, nu, su が特殊な扱いとなり、従って文法でも重要な役割を果たすことになるため、この言語の名称を「ルンス語」とすることに決めた。

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次に、大雑把にルンス語の「文法」を考えていく。語順は英語にならってSVOとする。動詞の現在形は原形と同じとする。否定形は、原形+n とする。未来形は、原形+l とする。過去形は、原形+s とする。未来形の否定形は、原形+ln とする。過去形の否定形は、原形+ns とする。

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この調子で私はルンス語を作っていった。中学校で習う範囲の英語なら、すべてルンス語で言えるように創作を進めていった。単語も1000語を超えた。しかし言語学の知識がないまま創作を進めていくうちに、思っていたよりも奥が深すぎることに気づき、途中で挫折した。その当時、私はまだ高校生。時代はまだ昭和だった。それから長い年月が過ぎた。時代は、平成を通り越して令和へ。そして「トキポナ」と出会い衝撃を受けることになる。言語創作への意欲に再び火がついた。

ランディ(新ルンス語)の創作過程

ルンス語の単語は、最長のもので (C)VCV(l,n,s,ln,ns) であったが、これは1000を超える単語を網羅する必要があったからである。単語数120でも成立するトキポナに出会い、私は単語数を大幅に削減し (C)V(n) に改めることにした。また文法も大きく変えることにした。トキポナには「主語と述語の分離符」と「動詞と目的語の分離符」があるが、これをルンス語に取り入れて、それぞれ -s と -l に対応させた。(C)V の後に来れば -s, -l になり、(C)Vn の後に来れば -ns, -ln になる。つまりルンス語の5種の末子音が丁度うまく対応することになる。さて全単語を (C)V(n) に改めるということは、単語数を140まで削減することを意味する。しかし、lu, nu, su, lun, nun, sun の6音は単語として使えないので、新しいルンス語の単語数は134語(2種の分離符を単語に含めれば136語)になる。あとはトキポナの各単語の意味を参考にしながら、各単語の意味を決め直していく作業を行えばよい。このような過程で、新しいルンス語は仕上がっていった。文字と発音は昭和の昔ながらの体系を引き継いでいるものの、文法と単語は令和のはじめに大改訂され、元のルンス語とは完全に別の言語になってしまった。そこで toki pona を新しいルンス語に直訳すると lan di になることから、この新言語を「人工言語ランディ」と命名することにした。

詳細については「人工言語ランディ」または「清水隆紀」で検索し、x(Twitter)、アメブロ、解説PDFファイル、等よりご覧いただければ幸いです。なお、解説PDFファイルは、305頁まであるのでご注意ください。重要な解説は最初の数頁だけで、ほとんどが物語の翻訳です。

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