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祖語の動詞の構造 (備忘録) (スタブ)

祖語の文法的構造を娘言語から推察する形ではなく祖語そのものを分析しているような書きぶりになっているが創作なのでその点は目を瞑っていただきたい。

概要

祖語は抱合的な性質を示し、文の述語は動詞を核として以下に示すスロットに要素を入れていくことで作られる。

能格要素-与格/受益者要素-絶対格要素-前副詞-語根(核)-後副詞-逆受動態接尾辞-反復接尾辞-使役接尾辞-可能接尾辞-法接尾辞

能格要素、与格/受益者要素、絶対格要素には名詞が入る。
名詞は名詞的形態素を核としてそれに形容詞が後置されたものが可能である。(指示詞、所有代名詞、名詞的形態素の属格形も形容詞に属する。)
動詞を絶対格要素として用いることも可能である。
名詞を能格要素、与格/受益者要素、絶対格要素に入れる場合、名詞の核となる名詞的形態素はそれぞれそれの能格形、与格形、絶対格形 (= 基底形) をとる。
人称代名詞に関しては以下の通り。

絶対格 能格 与格
一人称 ni (未定)
二人称 ku kʷi (未定)
三人称 qi (未定)

能格要素、与格/受益者要素は必要でなかったり文脈上明確にする必要がない場合省略できる。絶対格要素は語幹が要求している限り省略できない。(*tasʲ (雨が降る) 等の天候に関する動詞語幹などを除いてほとんど全ての語幹は絶対格要素を要求する。)

前副詞は主に位置に関する情報を追加し、位置を表す名詞 (*kas (上) など) や、比喩的に位置を表す身体名詞 (*ɢra (内臓 = 内側) など) などが入る。

後副詞は主に方向性や様態に関する情報を追加し、副詞的接尾辞 (*-əd など) や、動詞的形態素が入る。

(前後)副詞として用いることができる/好まれる形態素のバリエーションには方言差が大きい。

逆受動態接尾辞、反復接尾辞、使役接尾辞、可能接尾辞に関しては読んで字の如くである。

法接尾辞として入りうる接尾辞は 4 つあり、それぞれ希求法、命令法、条件法、反実法を表す。

不定詞について

(後で書く)

dmysvintʃ語への発展

概略

祖語には動詞の強調的な表現として、動詞を不定詞 + 助動詞の 2 語に分けて表現する構文がある。(寝る→寝りをする みたいなもの)

具体的には、

能格要素-与格/受益者要素-絶対格要素-前副詞-語根(核)-後副詞-逆受動態接尾辞-反復接尾辞-使役接尾辞-可能接尾辞-法接尾辞

絶対格要素-前副詞-語根(核)-後副詞-逆受動態接尾辞
能格要素-与格/受益者要素-助動詞-反復接尾辞-使役接尾辞-可能接尾辞-法接尾辞

というふうに 2 語に分けて表現することができる。(ただし、助動詞に付いている能格要素-与格/受益者要素 は (指示代名詞を含む) 代名詞に限られ、そうでないものは不定詞を形容する形で書き表す。)

dmysvintʃ語では (primary conjugation を持つ一部の動詞 = 助動詞の本動詞としての用法を除いて) 寧ろこちらの強調的な表現しか残っていない。

不定詞は名詞として機能しているので形容詞が後置されることがあり、また否定辞は動詞の直前に置かれるので、

絶対格要素-前副詞-語根(核)-後副詞-逆受動態接尾辞-形容詞/否定辞/能格要素-与格/受益者要素-助動詞-反復接尾辞-使役接尾辞-可能接尾辞-法接尾辞

というふうになる。

まず、上の 3 語に分かれているものは次第に融合し 1 語となった。そして抱合性が失われ、絶対格要素は分離し、形容詞も分離したのち融合したあとの 1 語の後ろに置かれるようになった。ただし、形容詞の中で指示詞 sa, du だけは相を表す文法的役割を獲得し生き残った。また、基層言語の影響から対格言語化する過程で逆受動態接尾辞は生産的でなくなり、また副詞も生産的でなくなったので前副詞-語根(核)-後副詞-逆受動態接尾辞はひとまとまりで一つの語と見做されるようになった。

以上より、

語幹-相接尾辞-否定辞-能格要素-与格/受益者要素-助動詞-反復接尾辞-使役接尾辞-可能接尾辞-法接尾辞

というのが dmysvintʃ 語の述語の構造の基礎になる。

ただし、dmysvintʃ 語の標準的な記述では相接尾辞-否定辞-能格要素-与格/受益者要素、助動詞-反復接尾辞-使役接尾辞-可能接尾辞-法接尾辞をそれぞれひとまとめに人称接辞、語尾と呼ぶ。

語幹-人称接辞-語尾

人称接辞の具体的な形について

単人称動詞

肯定 非完結相 進行相 完結相 l 動詞
一人称 -ni- -san-/-ran- -duni- -n-
二人称 -k(u)- -sak-/-rak- -duk- -k-
三人称1 -i- -saʒi-/-raʒi- -duʒi- -(i)-
三人称2 -∅- -s-/-ra- -du- -∅-

-k(u)- の u は語幹が母音で終わっている場合脱落する。

否定 非完結相 進行相 完結相 l 動詞
一人称 -(ʁ)vini- -sʁvin-/-raʁvin- -dʁvuni- -(ʁ)vin-
二人称 -uku- -souk-/-rouk- -dūk- -uk-
三人称1 -(ʁ)vī- -sʁvī-/-raʁvī- -dʁvī- -(ʁ)vī-
三人称2 -u- -sā-/-rā- -dū- -∅-

否定形は肯定形に一人称と三人称1に関しては -(ʁ)vi- を、二人称と三人称2に関しては -u- を挿入して作る。(ただし iʒi > ī) また、三人称 2 の進行相と l 動詞に関しては語尾の頭が ʃ- に変化する。
進行相三人称2に関しては本来 *-saxʷi-(li) > -sʁvi(l) だが類推で *-saʍ.(li) ~ *sa.h(li) > -sā(ʃ) となった。
完結相二人称に関しては本来 *-duxʷikʷi-(tə) > *-duxʷkʷɨ̥-(tu) > *-duʍku-(tu) > -dūku-(t) だが類推によって u が落ちた。

l 動詞の元になっている助動詞 *li は本来自動詞に使われる助動詞であり、その主語は能格ではないため人称接辞に現れる必要がないが対格言語化が進むにつれ後から挿入され、また用法としても次第に語彙相を示唆する目的で選択されるようになったので進行相も l 動詞になっている。(語尾節も参照)

双人称動詞

後で書く

移動動詞

後で書く

語尾の具体的な形について

後で書く

t

l

双人称語尾

移動語尾

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