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山田太郎
山田太郎

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Nipponese - Japanese language in a parallel world.

注意

 この文章は並行世界において描かれたという設定の文章であり、その性質上、事実と異なる情報がまるで事実であるかのように述べられています。この文章中の記述は、決して信用せず、ご自分でお調べになり、事実であることを確認された上で信用してください。

 以下はもともと英語で書かれていた文章であるが、わかりやすさのために意訳を挟みながら和訳したものを掲載する。

概要

 Nipponese(しばしばJapaneseとも呼ばれる)はラテン語を祖とするロマンス諸語の一つであり、しばしばJapanとも呼ばれるNipponaで広く用いられている。

系統

 隣国の韓国で話されているKoreanとともに極東ロマンス語と呼ばれるグループを形成する。極東ロマンス語は性や数が消滅している、lがロータシズムを起こしてrに合流している、動詞が一番後ろに来るなど、いくつもの特徴を共有している。これらの元となった極東ロマンス語は少なくとも東ローマ帝国が滅亡した1453年までは両国で用いられていたと言われており、特に韓国では1592年に日本の秀吉革命政府による侵略を受けるまではほとんど形を変えずにそのまま用いられたと言われている。

歴史

極東ロマンス語の誕生

 ワールスタットの戦いの後、モンゴル帝国は二代皇帝オゴデイが急死したことによって政情不安に陥った。東ローマ帝国はこれを利用してモンゴル帝国を臣属させ、当時すでに始まっていた高麗侵攻に参加してその全域を獲得することに成功した。東ローマ帝国はさらに高麗の水軍を利用して日本への侵攻を開始し、その全土を支配下に置いた。このようにして、東ローマ帝国は東アジアの主要な国をその支配下に置いたのだった。

 東ローマ帝国は東アジアの民族を同化するために全土に教会を設置し、ラテン語とキリスト教を教えることにした。極東ロマンス語が古典ラテン語の母音の長短や格などを保っているのは、この時教えられたラテン語が古典ラテン語であったためだと言われているが、中国では格が衰退して古代中国語のような孤立語に近づくという全く異なる変化を遂げたため、基層言語の影響が指摘されている。

 極東ロマンス語の基層言語として考えられている言語と同系統であると言われているのが琉球語である。琉球は東ローマ帝国に同盟を結んでかろうじて独立を保った日本の隣国であり、今でも琉球語族と呼ばれる語族に属する孤立した言語が話されている。この言語は関係代名詞が存在せず、代わりに連体形が存在する、SOV語順である、前置詞の代わりに後置詞を用いるなど、極東ロマンス語と同じような特徴を多数有しているため、かつて、日本と韓国では、琉球語族の言語が話されていたのではないかと言われているのである。

 このようにして東アジアに極東ロマンス語が誕生し、日本、および韓国で話されるようになったと言われている。

極東ロマンス語の分裂とNipponeseの誕生

 1453年に東ローマ帝国が崩壊すると、極東ロマンス語は分裂を開始し、Nipponeseでは大きく音韻が変化した。それと同時に中国、韓国、日本の3カ国が独立を果たし、ナショナリズムが勃興し、正書法の改革が行われた。中国では古代中国語で用いられていた漢字が、韓国では当時の王セジョンが発明したハングルが、それぞれ正書法で用いられるようになる中で、日本ではかつて日本全土で用いられていたとされ、変化した後の音韻と非常によくマッチしていた仮名が用いられるようになった。

 当時の仮名にはひらがなとカタカナの二種類があり、カタカナが正式とされた一方で、民衆はもっぱらひらがなを使用した。このように、ヨーロッパではローマ帝国滅亡後もラテンアルファベットが広く用いられた一方で、東アジアでは各国が独自の文字を使うようになったため、相互意思疎通が難しくなった。

 先ほども述べた通りNipponeseの正書法が初めて誕生したのはこの時期であり、Nipponeseの綴りは基本的にこの時期の発音を表しており、この後に、母音の脱落と口蓋化、長子音化が起きたため、綴りと発音が少し乖離している。

正書法の変化

 この後、日本の政権は幾度となく変わったものの、日本の正書法はこの時期からほとんど変化していない。変わった点は唯一、仮名の使い分けだけである。第二次世界大戦が終わった後に実に500年近く改定されずに放置されていた正書法が少しだけ改定され、カタカナは外来語と外国の名前の表記にのみ用い、それ以外の表記にはひらがなを使うことが定められた。また最近、漢字や清点の導入などの議論が活発になっており、正書法のさらなる改訂が現実味を帯びてきている。

音韻

 Nipponeseの音韻はスラブ語と似ていると言われることがあり、実際、スラブ語と同様に口蓋化した子音と口蓋化していない子音を区別する。ただし、口蓋化の区別に加えて子音や母音の長短も区別するため、子音や母音の種類は多い。また、アクセントは消滅している。

音節構造

 音節構造は((S)C)V(n)(S)であり、スラブ語などと比べて比較的単純である。子音連続はnを含むものを除けば2個までしか許容されず、しかも、両方とも無声子音でなければならない。ただし、同一子音の連続も許容され、摩擦音でなければ長子音と区別されるので注意が必要である。

子音

 以下は音節頭の弁別される子音の一覧である。実際には様々な異音が存在するが、ここでは扱わない。口蓋化音は基本的に全ての子音に存在するため、ここでは省略し、ないものだけ「*」をつけて示す。同じ枠の中に二つあるものは左が無声、右が有声である:

両唇音 歯茎音 歯茎硬口蓋音 硬口蓋音 軟口蓋音 声門音
はじき音 ɾ -
鼻音 m n* ɲ* -
破裂音 p b t d k g
破擦音 t͡s* d͡z* t͡ɕ* d͡ʑ*
摩擦音 ɸ* s* ɕ* ç* h*
接近音 j* ɰ*

 ただし、ɲ、t͡ɕ、d͡ʑ、ɕ、çはそれぞれ、口蓋化したn、t͡s、d͡z、s、hとして振る舞い、d͡ʑはこれに加えて口蓋化したdとしても振る舞う。さらに、d͡z、d͡ʑはそれぞれ有声化したs、ɕとして振る舞う。

 音節末に立つことができるのは上の中で無声のものとnだけであり、無声のものは母音の前では存在できない一方、nは母音の前でも存在でき、しかも、決して連音化しない。nは後ろにくる音素によって様々な鼻音に変化するが、全く弁別されないためここでは割愛する。

母音

 日本語の母音は/a/,/i/,/u/,/e/,/o/の五つであるが、この中で、/e/と/o/は[e]と[ɛ]、[o]と[ɔ]の中間であり、/u/は中舌よりで円唇性が弱いなど、他の言語にはあまり見られない特色がある。

連音

 日本語は語末に子音が来ることがある為、そのような語の後ろに有声子音がくると、音韻論上許容されない無声子音と有声子音の連続が生じそうになることがある。そのような場合は、その子音が口蓋化している、もしくは、口蓋化した子音として扱われている場合は「i」を、そうでない場合は「u」を挿入することが知られており、これを連音という。

音変化

 極東ロマンス語共通のものとNipponese独自のものがある。以下で紹介するもののうち、第一次半母音消失までは極東ロマンス語共通でそれ以外はNipponese独自の音変化である。ただし、アクセントがいつ失われたかはよくわかっていない。

ロータシズムとf/h合流

 極東ロマンス語ではまず、lのロータシズムとfのhとの合流が起き、音素が減った。これをそれぞれ、ロータシズムとf/h合流という。

連母音長化・半母音化・第一次半母音消失

 極東ロマンス語では、同一の母音の連続が超母音に変化し、母音の前のiとuがそれぞれ、jとv(wのように読む)に後ろの母音を伸ばす事なく変化した。これらの変化をそれぞれ、連母音長化、半母音化という。また、ji、vuという音はそれぞれi、uに変化した。これを第一次半母音消失という。

母音挿入・第二次半母音消失・口蓋化

 Nipponeseが極東ロマンス語から変化する際、音節末の鼻音がnに中和され、それ以外の音節末の子音の後ろにuが挿入された。これを母音挿入という。また、jがiとeの前で、vが子音の後ろで消失した。これを第二次半母音消失という。それに加えて、子音の後ろの半母音jが前の子音を口蓋化させて消滅した。これを口蓋化という。これらの変化を経た段階で、Nipponeseの正書法が誕生した。

音質転換と母音脱落

 正書法が誕生した後、uの後のdとzがd͡zに、uの後のhとtがそれぞれɸとt͡sに変化したあと、口蓋化したn、t͡s、d、d͡z、s、hがそれぞれɲ、t͡ɕ、d͡ʑ、d͡ʑ、ɕ、çに変化した。これを音質転換という。また、音質転換の前は口蓋化子音だった無声子音の後ろにあるiと、そうでない無声子音の後ろにあるuは、後ろにh、ç、および、ɸ以外の無声子音がある場合は無声化して脱落した。ただし、この脱落は子音を挟んで隣り合う位置で起こることはなく、そのような場合は、前から一個おきに脱落が起きた。たとえば、sukusukuのような語があった場合は、skuskuのように変化し、sikigasukuのような語があった場合はçkigaskuのように変化する。

文法

 Nipponeseの文法は極東ロマンス語以外のヨーロッパで話されているロマンス語とは大きく異なり、格が多く存在する。また、SOVという語順をもち、修飾語が被修飾語に先行する。以下ではわかりやすさのために、過去に起きた変化を交えながら説明する。

名詞

 極東ロマンス語では名詞の格が衰退したルーマニア語以外の他のロマンス語とは異なり、与格が奪格に合流した事と近くが消滅したこと以外はラテン語の格が比較的原型を保ったまま引き継がれた。一方で語尾の短母音化、活用の平坦化、数の消滅などが同時に起こって曲用の種類は一つとなり、活用語尾の一部が単語の一部だと見做されるようになった。

助詞

 極東ロマンス語には多数の助詞と呼ばれる接辞のようなものが存在する。

格助詞

 残った活用語尾は独立したものとみなされるようになり、格助詞と呼ばれるようになった。さらに、一部の後置詞が格助詞と融合することによって新たな格助詞が生まれた結果、格はラテン語よりも多い9個になった。

 以下は格助詞の綴りと対訳、由来の一覧である(読み方については音変化を参照):

綴り 対訳 由来
-e 〜よ (呼格) 第二変化の男性名詞の単数呼格語尾"-e"
-i 〜が (主格) 第二変化の男性名詞の単数属格・複数主格語尾"-i:"
-rum 〜の (属格) 第二変化の複数属格語尾"-o:rum"や第一変化の複数属格語尾"-a:rum"などの共通部分
-bu 〜に (与格) 第三変化の複数与格・奪格語尾"-ibus"から語の一部だと考えられた"i"を取ったもの"-bus"が、
さらに主題を表す助詞"-s"がついたものだという誤分析を受けた結果、末尾の"s"を取られることによってできたもの
-bvab 〜から (奪格) 与格の助詞"-bu"と奪格が与格に合流したことによって与格一致となった後置詞"ab"が融合したもの
-mad 〜へ (向格) 対格の助詞"-m"と対格一致の後置詞"ad"が融合したもの
-bvin 〜(場所)で (地格) 与格の助詞"-bu"と奪格が与格に合流したことによって与格一致となった後置詞"in"が融合したもの

 補格は動詞"e"としか用いられず、しかも係助詞等と一緒にしか用いられない。これは、係助詞がないときは補格ではなく、補助語幹"-me"が用いられるからである。これがついた名刺の活用は動詞の部分に示す。

 また、各助詞以外の名詞につく助詞は主題を表す"-s"と"-et"、英語の"and"を表す"-que"と英語の"or"を表す"-ve"しか存在せず、"-s"は第二変化の単数主格語尾"-us"から語の一部だと考えられた"u"を取ったもの、"-et"、"-cve"、"-ve"はそれぞれ、ラテン語の"et"、"-cve"、"-ve"が由来である。

係助詞

 これらの助詞は前二つと後ろ二つでは用法に違いがある。まず、前二つは係助詞と呼ばれ、格助詞や前置詞、副詞や形容詞の複文形につくことで、それが付されている単語か、それが作っている句が主題である事を示す。ただし、主格の格助詞"-i"と対格の格助詞"-m"の前につくときはこれらが脱落し、名詞に直接つく。

 ここが極めて面倒なところなのだが、同じ"-m"であっても補格を表す"-m"は脱落しないため、注意が必要である。"-s"は主題を表すと同時に、それが他のものとは違うということを示唆する一方で、"-et"はそれが他のものと同じである事を示し、しばしば複数続けて現れて、並列の意味も表す。

並列助詞

 一方で"-cve"、"-ve"は並列助詞とよばれルもので、名詞だけにつくことが出来、複数の名詞を並列させる際、一番最後の名詞以外に格助詞の代わりについて並列の意味を表す。

終助詞

 また、ラテン語の"-ne"に由来する"-ne"は終助詞とよばれ、動詞の終止形について単純疑問文を表す。

Nipponeseでの助詞

 上で述べた助詞はすべてNipponeseに引き継がれている。以下にその綴りと対訳、備考をそれぞれ示す:


綴り 対訳 備考
-え 〜(人)よ 前に子音が来た場合でも連音化は起こらなくなった。
-い 〜が 同上
-るん 〜の 語末のmがnに変化した。
-ん 〜を、〜で(ある) 同上
-びん 〜(場所)で 語末のmがnに変化した上、cの後ろのvが脱落した。
-ばぶ 〜から 語末にuが挿入された上、cの後ろのvが脱落した。
-ぶ 〜に
-まづ 〜へ 語末にuが挿入された。
-す 〜は 同上
-えつ 〜も 語末にuが挿入された上、前に子音が来た場合でも連音化は起こらなくなった。
-け 〜(名詞)と(〜(名詞)) cの後ろのvが脱落した。
-ゑ 〜(名詞)か(〜(名詞))
-ね 〜か(?)

形容詞

 初期の極東ロマンス語では名詞と形容詞の格を一致させるのではなく、前に来たものを属格にするという文法があった。そのため、形容詞の連体形(名詞を修飾する形)は語幹に"-るん"をつけて作られる。さらに終止形(文末で現れるときの形)は語幹に補格の格助詞と同じ"-ん"をつけて作られる。

 しかし、形容詞は名詞とは異なり、ラテン語の単数主格に由来する複文形(文を並列で繋げる時に、最後の文以外が取る形)語幹+"-す"と補助動詞形(形容詞が独自の形を持たない複雑な屈折をするときに用いられるコピュラ"e"を伴った形)語幹+"-せ"を持っている。具体的な活用は動詞の部分で示す。

動詞

 初期の極東ロマンス語では二人称は無礼だとして使われず、実際の人称に関係なく、尊敬を表すときは複数、そうでないときは単数にし、さらに謙譲を表す時は一人称、そうでない時は三人称を用いたと言われている。ここで活用の平坦化が起こり、一人称単数語尾と三人称複数語尾がそれぞれ謙譲と尊敬の意味を持つようになると、一人称複数語尾に変わってこれらの組み合わせが謙譲尊敬を表すようになり、三人称単数語尾は省略可能になり、徐々に丁寧の意味を持つようになっていった。また、時制の面では、未完了過去と過去完了、各未来時制が消滅し、完了が過去も表すようになった一方で、接続法が未来を表すようになった。
さらに、分詞の奪格が複文形として用いられるようになり、動形容詞の連体形"-ndurum"が動詞の連体形"-n"と名詞"du"の属格形"durum"が合わさったものだと再解釈されたことで動詞の連体形が誕生した。
以下に、日本語における各規則活用と主な不規則活用の動詞の活用語尾の一覧である。ただし、※1とあるものが一つの単語に複数つくことはなく、不規則活用は、最初につく要素によって形が変わるだけで、その後に続く接辞は規則活用のものを用いる:

規則活用 過去・完了 未来 謙譲 尊敬 丁寧 受動 否定 命令形 (※1) 接続形 (※1) 複文形 (※1) 連体形 (※1)
"母音語幹活用(第一活用+aと第二活用+e、第四活用+iが相当)" -ーv(子) -あ(母) -m(子) -んt(子) -t(子) -r(子) -のn(子) -ー -ーれ -んち -ん
"子音語幹活用(第三活用の動詞と第三活用b+jが相当)" -うv(子) -a(母) -om(子) -uんt(子) -it(子) -ur(子) -のn(子) -e -eれ -eんち -eん
不規則活用 過去・完了 未来 謙譲 尊敬 丁寧 受動 否定 命令形 (※1) 接続形 (※1) 複文形 (※1) 連体形 (※1)
え (コピュラ) fv s-a す-m す-んt えs(子) - え-のn え-ー えっれ え-んち え-ん
い (行く) い-:v え-あ え-m えv-uんt ∅-いt い-r い-のn い-ー い-ーれ いー いん
をる (〜がほしい、〜したい) をr-uv ゑr-a をr-om をr-uんt うる-t をr-ur をr-のn をr-e ゑ-ーれ をr-eんち をr-eん
-め (名詞補助語幹、「〜だ」を意味する) -んfv -んz-a -んず-m -んず-んt -めs - -め-のn -め-ー -めっれ -め-んち -め-ん
-ん (形容詞の活用) -すfv -っs-a -っs-um -っす-んt -せs - -せ-のn -せ-ー -せっれ -す -るん

 命令形は命令するときに用いられ、接続形は主に助動詞をつけるときに用いられる。また、形容詞の副文形はそのままふくしとしてももちいられる。

助動詞

 助動詞は後ろにつけるものであり、活用の種類も様々である。代表的な助動詞である「ぽん」と「をる」はそれぞれ「〜できる」、「〜したい」という意味を表し、「をる」は同じ綴りの動詞と、「ぽん」は形容詞と同じ活用をする。

連体詞

 一部の述語として使われることがまずなかった形容詞は極東ロマンス語ではその属格形がそのまま連体詞という品詞の単語となった。連体詞は名詞の前についてその名詞を修飾するが、決して他の用法で用いられることはない。

数詞

 数詞は以下の通り:

1 うぬ
2 づお
3 とれー
4 くあと
5 きんく
6 せくす
7 せぷて
8 おくと
9 のゑ
10 でけ
100 せんつ
1000 みっれ

 これを、例えば1234ならば、「みっれ づお せんつ とれー でけ くあと」のようにならべる。

 並べてできるのは名詞であり、名詞を修飾する際には属格にして前からかける。
 
 助数詞はこの後ろに「-う」をつけるだけである。

語彙

 語彙はラテン語の単語が規則的に音韻変化してできたものばかりであるため、ここでは特筆すべきものだけを記す。

名詞

 第一変化名詞は語幹にaが、第二変化名詞と第四変化名詞にはoが、第三変化名詞のi幹名詞にはiが、それ以外の第三変化名詞や第五変化名詞にはeがついた。また、代名詞や一部の前置詞も名詞となっており、また、活用語尾から生まれた名詞もある。これを列挙すると以下のようになる:

極東ロマンス語における語形 意味 日本語における語形 備考
me
no 私たち
tu
vo 君たち
eu えう
ea 彼女 えあ
id それ いづ
cve
cva
hun こいつ ふん 由来はhocの男性形
ho これ 由来はhocの中性形
ista そいつ いすた 由来はisteの女性形、女性形から取られたのは男性形が中性形と似ていたから
istu それ いすつ 由来はisteの中性形
illa あいつ いっら 由来はilleの女性形、経緯はistaと同じ
illu あれ いっる 由来はilleの中性形
ipsu 〜自身 いぷす
du (〜する)ため (消滅)
pro ため ぷろ 極東ロマンス語では「(〜の)ため」という意味であり、「(〜する)ため」という意味の時は"du"を使っていたが、
日本語では徐々に"du"が使われなくなり、"pro"が「(〜する)ため」という意味も担うようになった。
ad 方(ほう) あづ
in いん
sub さぶ
super すぺる
ante あんて
post 後ろ ぽすと
inter いんてる

形容詞

 第一・第二活用形容詞は-uが、第三活用形容詞は-eがうしろについた。

連体詞

 連体詞は以下の四つのみである:

語形 意味
くゆす 何の
ふゆす この
いすちゅす その
いっりゅす あの

正書法

 ひらがな、カタカナの二種類の仮名を用いて書かれる。使い分けは上で述べた通り、外来語や外国の名前のみカタカナを用い、それ以外は平仮名を用いる。以下がその発音である:

ひらがな -a -i -u -e -o
∅-
k-
s-
t-
n-
h-
m-
j- - -
w- -
カタカナ -a -i -u -e -o
∅-
k-
s-
t-
n-
h-
m-
j- - -
w- -

 濁点(゛)とつけると、無声音は対応する有声音に変わる。ただし、hの場合はbが対応し、pは半濁点(゜)をつけて表す。また、発音は音質転換と母音脱落が起きる前のものをつづり、CjVのような音節はCijVとつづったうえで、jVを小書きにする。例えば、kjaは「きゃ」とつづる。そして、読むときにその場で脳内で音質転換と母音脱落をシュミレートしながら読む。(具体的な規則は音変化の項目を確認すること)
 この問題を解決するために母音の脱落を明示する清点(´)の導入が検討されているが、スペルから母音脱落の位置が必ず決定できるため、今は初等教育などでしか用いられていない。
 さらに記号においては、ピリオドの代わりに句点(。)が、カンマの代わりに読点(、)が用いられる。

漢字

 さらには、中国の言語であるGena語でもちいられている漢字の導入が検討されている。この案は一部の芸術家から異様な支持を集めているが、とても現実的ではなく、比較的急進的であるといわれる正書法策定委員会においてでさえ反対派が大多数を占めているため、今年中に却下される予定である。

Gena語: 我愛你. (Me ama tu.) - 私はあなたを愛しています。
Nippona語(現正書法): めす つん あまつ。 - 私はあなたを愛しています。
Nippona語(新正書法案): 我す 你ん 愛つ。 - 私はあなたを愛しています。

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