Migdal

ザバ
ザバ

Posted on • Updated on

「人工言語作成者に50の質問」に僭越ながら回答させていただく

 駆け出し架空言語作者のザバです。(自分の創作物についての書き込みが初なのである意味)初投稿です。
 まだ言語創作の進捗としてはどれもほぼゼロですが、今回は私がなぜ言語を創作しようと思ったのか、ということを忘れないうちに記しておくことにしました。


引用元:人工言語作成者に50の質問

1. まずペンネーム(ハンドルネーム)を教えてください。

 ザバと言います。英字での綴りは“Zabbah”です。
 これまでこの名前に意味はありませんでしたが、最近制作中のルスタイン語の「鍛錬」という意味を表す単語から取られた、という設定が生えました。

2. 作っている言語の名称は何ですか?

 現在制作段階にある言語は3つあり、それぞれルスタイン語、デュネ語、アゲハ語と呼んでいます。
 これらはそれぞれ原語では、An-wagl hella-Rostain(ルスタイン語)、Dihala àn Dyné(デュネ語)、Agëxha somür(アゲハ語)と言います。
(以下の質問からは、上記の3言語のうち現時点で最も創作が進んでいるアゲハ語について回答していきます)

3. いつから作っていますか?

 本格的に作り始めたのは2023年2月~3月頃、つまりほんのつい最近からです。
 アゲハ語自体は遅くとも2019年末には設定を思い付いていましたが、その後2回ほど設定を変更して現在の形に収まりました。

4. 言語作成を始めたきっかけは?

 要因としては複数ありますが、直接的なところでいうと私が架空世界を創作するときに地名を考える過程でキッカケができました。それからはWikipediaなどで世界中の文字体系やIPAについて調べたり、YouTubeで様々な言語の音声を聴いたりすることが増え、架空世界における言語を独自に設定・作成するようになりました。

5. その言語は膠着語・屈折語・孤立語・抱合語・その他のうちどれですか?

 アゲハ語は屈折語をコンセプトとして作っていますが、接辞を使うことも多いため膠着語的な性格も持ち合わせています。

6. 使用文字の名前と文字の種類(表音・表意など)を教えてください。

 使用する文字はアゲハ文字(仮称)で、類型としては表節文字に近いアブギダになる予定です。
 また、現実世界で表示できないときのためにラテン文字とゲエズ文字(エチオピア文字とも)による翻字法を設定してあります。

7. その文字をその言語で何種類使いますか?(英語ならラテン文字で26文字)

 まず、アゲハ文字は子音を表す基字が34個あり、それぞれ原形に加えて6つの派生形をもつため合計で34×7=238文字となる予定です。
 ラテン文字は英字26文字にË、Ü、Ç、Ş、Ņ、Ð、Þ、Ƣを加えた34文字、そしてゲエズ文字はアゲハ文字と同じ238文字を使います。

8. その文字はオリジナルですか?

 固有の表記体系であるアゲハ文字はオリジナルですが、まだ制作には至っていません。

9. オリジナルなら、もとにした文字はありますか?

 ゲエズ文字を参考にする予定ですが、字形は極力既存のものと被らないようにしていきたいです。

10. 文字のフォントは作りましたか?

 まだ作っていません。というか作業量が多くなりそうなので現状制作の目処は立っていません。

11. 読みが複数ある文字はありますか?

 あります。代表的なものはþで、通常は無声歯摩擦音[θ]で発音されますが、一人称代名詞þeとその曲用形におけるþは半母音[j]で発音されます。
 その他には、ƣは語中では[ɣ]で発音されますが、語頭・語末及び特定の子音の前では[ŋ]で発音されます。

12. 逆に、読まない文字(nightのghのような)はありますか?

 基本的にはありません。ただ、アゲハ文字/ゲエズ文字表記のአは母音の長音化、ሀは子音の重音化を表し、元の音価を失う事があります。

13. 外来語はどのように表記しますか?

 基本的に綴りから転写、あるいは発音から音写して対応します。アゲハ語に存在しない音韻がある場合は近い音を表す文字で表記します。

14. 母音と子音の数を教えてください。

 子音の種類は33、母音の種類は7つ(厳密には[ə]を除いた6つ)です。条件異音も含めればさらに種類が増えます。

15. 文法はオリジナルですか?

 完全にオリジナルではないですが、名詞の性や文法の用語などに魔術的な要素を取り入れています。

16. 実際に地球にある言語のなかで一番近いものは何ですか?

 色々な言語を参考にしながら作っているので特に「コレ!」とは言えませんが、強いて言えばセム系言語や北東アフリカの言語を意識しています。

17. 日本語、英語以外に話せる言語を教えてください。

 まだありません。というか英語すらまともに発話することができません。

18. その言語はいつから学習していますか?

 英語は学校の授業で教わって以来自主的に学習しようと思って学習したことはほぼ無いです。
 他には去年の秋頃からオランダ語の学習に手を出し始めています。

19. 今まで外国に行ったことはありますか?

 幼少期に家族と一緒にオーストラリアへ行ったことがありますが、当時の記憶はほとんどありませんし自分がどんな日本語を喋ったのかも覚えてないので実質行ったことないです。

20. では、行ってみたい外国はありますか?

 思いつくところでは、オランダ、イタリア、スイス、チュニジア、インドネシア、コロンビア、ボリビア、アルゼンチンなどですね。創作のインスピレーションが欲しいです。

21. 方言や古語に興味はありますか?

 はい。方言でいうと、スペイン語やアラビア語やオランダ語の方言、日本語の関西弁にも興味があります。
 古語は、単一のものに興味があるというわけではなく、昔の言語がどのように変遷していき、どう分岐していったのかということについて知りたいという心があります。

22. では、作っている言語に方言や古語はありますか?

 あります。設定では、アゲハ語が話される国では国民が多くの民族グループに分けられていて、方言は大きく分けて7パターンくらいになると思います。
 また、アゲハ語には古アゲハ語という古語があり、さらにルハルリアン語という言語がその派生元になっている、という設定があります。現状は設定だけで、創作は後回しにしています。

23. 単語は一日何個ぐらい作っていますか?

 造語は不定期に行う予定です。今のところ頻度としては1日4語あたりだと思いますが、これからさらに頻度が少なくなるような予感がしてます。。。

24. 現在の単語数を教えてください。

 執筆時では209個ありました。単語の派生形や活用・曲用形は数に計上していません。

25. 不規則活用する単語はありますか?

 あります。存在動詞のez(である)、üt(いる)、頻出しがちなdjej(生きる)、gey(死ぬ)、ter(来る)、den(行く)、leƣ(立つ)、sew(寝る)といった動詞は全て不規則に活用します。

26. 発音しにくい、または、意外な読みをする単語はありますか?

 一人称代名詞におけるþは特別に[j]で発音するので、その点は注意です。他にも先述したように変則的な読み方をする文字があったり、馴染みの無い子音連続も存在するので、他言語話者にとっては発音に一癖も二癖もある場合があります。

27. アクセントの位置は統一されていますか?

 通常は後から2番目の音節にアクセントが置かれます。ですがアクセントの位置によって弁別することはないため、特別気にすることも無いでしょう。

28. 同音異義語はありますか?

 まだ発見(観測?)できていませんが、現行の造語システムのままだと後々少なからず発生してしまうものと思います。なので同音異義語は文脈で判別を付けましょう。

29. 2つ以上の品詞を意味として持つ単語はありますか?

 同音異義語と同じく、動詞と名詞の2つの意味を持つ単語も発生しうるものと思います。

30. collegeとuniversityのように微妙にニュアンスが違う単語はありますか?

 現状ではthürge(自然現象としての雷)、şilaxa(雷光)、xunido(雷鳴)くらいしかありませんが、今後は自然物と人工物、活動体と不活動体の差しか無いような微妙な区別をする単語が増えると予想しています。

31. 敬語やくだけた言い方はありますか?

 敬語はありませんが、くだけた表現は日常的に市民の間で使われているという設定です。一応「俗アゲハ語」という呼称を用いて区別はしますが、そこの設定を詰めるか否かは未定です。

32. 数字は何進法ですか?

 完全な10進法ですが、中古代に使われていた30進法の名残が基数詞の20、30にそのまま残っている、という設定です。

33. 格変化はいくつありますか?

 格は主格、属格、対格、与格、奪格、共格、処格、断格の8つです。これらのうち断格はオリジナルのもので品詞を『決められた~~へ』という意味に変化させます。
 ちなみに、名詞にはぞれぞれ固有の性の数に違いがある「名詞の特性」というシステムがあり、その名詞の特性によって格変化の種類や規則が変わったりもします。

34. その言語は地球で話されているという設定?それとも架空の世界?

 架空の世界「紫瀛星世界」で話されているという設定です。地球上のいかなる言語とも関係ありません。

35. 話されていると設定した国や地域を教えてください。

 アルカイン=アムディカ大陸のアルカイン大州東部にあるキスリンカ諸州連合共和国、ルチルダ公国、ティベルガ王国といった複数の国家で公用語に設定されています。

36. その国や地域の風習があれば教えてください。

 その地域一帯はアルカイン=アムディカ大陸の中でも魔術の研究が盛んに行われていて、他の地域とは一風変わった風習を共有していたります。ここら辺の設定は今後さらに詰めていきたいところです。

37. 話者の民族と人数を教えてください。

 アゲハ語を母語とする民族はアゲハ族という大きな民族グループです。また魔術の研究ではアゲハ語がよく用いられるため、近縁のウミユ族やエソラ族もアゲハ語を習得している者が多いです。
 話者の人数はおそらく合計で1500万人~2000万人程度になると考えています。

38. その言語を話している人の名前を作りましたか?

 以前には作っていましたが、設定変更後に一旦考え直すことになってそれからはまだ作っていません。
 これから色々考えて現実世界の人物をアゲハ語風に直すというようなこともしていきたいですね。

39. 辞書や文法書はありますか?

 簡単な単語集はGoogleスプレッドシートにまとめていますが、辞書はまだありません。作るときになったらZpDICを活用させていただくつもりです。
 文法書は以前に作ったことがありましたが、設定変更に伴い使えなくなってしまいました。今後またGoogleドキュメントなどを使って作成したい気持ちが強いです。

40. 自身で何単語ぐらい覚えてますか?

 ez(である)、üt(いる)、djej(生きる)、gey(死ぬ)の4単語だけですね。今は気になった時に都度データベースから情報を拾うだけでいいかなと思っていますが、それだとヤバいですかね。

41. なにも見ずにその言語で日常会話ができますか?

 できません。というかまだ挨拶や定型文を考えていないので無理です。今唐突にアゲハ族の方から話しかけられても私は恥ずかしい思いをすることしかできませんね。

42. 言語作成で楽しいこととつらいことは?

 音韻論を考えてるときがマジで一番楽しいです。あと口に出して発話したときの雰囲気がその言語のイメージに合致していると私は嬉しくなります。
 つらいのは1つの言語を作っているときに他の言語に関する案を思い付いてしまい、制作があっちに行ったりこっちに行ったりしてしまうこと。そして目に見える形での成果が分かりづらいことですかね。

43. 理想の「完成形」はどんな形ですか?

 完成形は無い……とまでは言いませんが、言語に完成形を見出すのは違うのかな、と私は個人的に思っています。これは他の誰かに見せるからという理由があるとかではなく、作る人間ですらもその時々によって見え方や接し方は変わってしまうだろうと考えているからです。
 なので、私は言語の完成形を明確にイメージしたことはありません。

44. 誰かにこの言語を学んでほしいですか?

 誰かに学んでみてほしいという気持ちはあります。ですが現時点ではまったく言語としての概形を成していないので、あまり声を大にして言うことはできません。
 あと、他人から自分の作った言語を評価されるという経験が無いので、一度経験してみたいですね。

45. これから別の人工言語を作る予定はありますか?

 あります。一応設定では私が作っている「紫瀛星世界」には1000を超える言語が存在することになっていて、少なくともそのうち200程度は設定のみを、そして厳選した十数種程度を作り込む予定です。
 ただ、実用段階までしっかり作り込むかどうかは未定です。あくまで舞台設定用のものでしかないので。

46. その言語で詩や歌は作りましたか?

 いいえ。ですが作ってみたいという気持ちはあります。

47. その言語で「こんにちは」はなんと言いますか?

 畏まった場面では Lapezalkhajn! [lapə̆zalˈkʰai̯n] と言い、それ以外では Ojmëƣ! [ˈɔi̯mɛŋ] と言います。
 この2つは終日使うことができますが、昼のみ使用する「こんにちは」も存在します。

48. では、「今晩は満月なので月見をしよう」はなんと言いますか?

“Re-mitto az lelëbij ji rëxvëhno, nüw bjimi haltan.”
[rə̆ˈmit.tɔ az lə̆ˈlɛ.biː ji rɛxˈvɛn.nɔ nɨu̯ ˈbi̯i.mi hal.tan]

49. その言語であなた自身を短く語ってください。和訳もお願いします。

“Ojmëƣ! Þi düsf ez ‘Zaba’. Þe itexewr ke-lebarnün, wunthe qewna þe yemfejpha sajxhen. Janşarilo!”
[ˈɔi̯.mɛŋ | ji ˈdɨsf əz ˈza.ba | jə̆ ˌi.tə̆ˈxəu̯r kə̆.lə̆ˈbar.nɨn | wun.tʰə̆ ˈqəu̯.na jə̆ ˌʑə̆ɱ.fəi̯ˈpʰa sai̯.ʜə̆n | ˈjaj̃.ɕaˌri.lɔ]

「こんにちは! 私の名前はザバです。創作が好きで、今は小説を書きたいと思っています。どうぞよろしく!」

50. 最後に一言どうぞ。

 長々と書いてしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。主にTwitterで活動しているので、気軽に絡んでください!

Latest comments (0)