ンガフ語です。まずは音韻と文字の読み方から、ラテン文字を使用します、
- 子音
| 唇 | 歯茎 | 口蓋 | 口蓋唇 | 声門 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 破裂 | p b pʰ{ph} | t d tʰ{th} | k ɟ{ɡ} | kʷ{kw} ɡʷ{ɡw} | ʔ{-} |
| 放出または入破 | pʼ{pp} ɓ{bb} | tʼ{tt} ɗ{dd} | kʼ{kk} ʄ{ɡɡ} | ||
| 鼻 | m | n | ŋ{nɡ} | ||
| ふるえまたは弾き | r{rr} ɾ{r} | ||||
| 摩擦 | f v | s z ɬ{ll} | x{kh} | h | |
| 接近 | l | j{y} | w |
特殊な発音としてɬʷ{fl}というものがあり、これはflanɡ(歌)にしか登場しません。また、sはiとyの前ではɕと読みます。
また、語末に子音が来る時、有声・無声破裂音は内破音(-p̚ -t̚ -k̚)、放出音は声門破裂音(ʔ)、入破音は鼻音(m n ŋ)で発音します。
- 母音
| 前 | 中 | 後 | |
|---|---|---|---|
| 狭 | i iː{ii} | u uː{uu} | |
| 半狭 | o oː{oo} | ||
| 中央 | ə{e} əː{ee} | ||
| 半広 | ɜ{é} ɜː{ée} | ɔ{o} ɔː{oo} | |
| 広 | a aː{aa} |
oという文字には二つの発音があり、後の音節の母音ががa、e、é、iの時は/ɔ/で、o、uの時、そして後に続く母音が存在しない時は/o/で読みます。
また、二重母音としてaj{ay} ɛj{éy} oj{oy} aʊ̯{aw} oʊ̯{ow} があります。
- 基本文法
基本的な語順はsvoです。倒置法のようなものもありますが、ここでは割愛します。
まずは例文をみてみましょう、
Wat ala ya fe rrayda.(私は学校に行く。)
ここでは「wat」が「私」、「ala」が「行く」、「fe rrayda」が「学校に」に対応します(「fe」は与格前置詞)。ここでの「ya」が何かというと述語を表すマーカーで、特に意味はありませんが、動詞の後には必ず置かなければならないことになっています。
前の行で「yaは必ず動詞の後に置く」と書きましたが、補語の後にも置き、例えば「私は田中です」は
Wat Tanaka ya.
と言います。しかし主語と補語の境界が分かりづらくなる上、語感も悪いので、口語では「Wat ya Tanaka.」のように主語と補語の間に「ya」を置くのが一般的です。
次回は形容詞について説明します。ご精読ありがとうございました。
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