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ふぃるきしゃ(FILUKISJA)
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自言語の最新形態・リヴァ語

こんにちは! ふぃるきしゃです。以前作っていた人工言語「labina」を改良(改悪?)して新しい言語を作ってるので紹介します。


リヴァ語(liva)

リヴァ語は、ふぃるきしゃが2018年頃から作っている言語の最新形態(最終形態である保証はない)です。私がTwitterを始めた当初の様子を知ってる人(いないだろうけど)は、Labidimaという名前をおぼろげに覚えてるんじゃないでしょうか。あれの超進化版ですね。途中、Lukša語・lukca語という名前になったときもありました。なつかしいね。

名前と仕様は色々変わったけど、一貫して規則性・簡潔性・論理性の高い言語を志向しています。規則性と簡潔性は分かりやすいと思いますが、論理性とは一体なんでしょうか。私の思う論理性とは「誰が文を解釈しても同じ意味に辿り着くこと」です。つまり、文法的・意味論的な曖昧性を排除したい。それを実現するための機構がいろいろ盛り込まれているこの言語。

この記事では、特に文法的な特徴に着目してざっと解説します。それではVTR、スタート!


とくちょう①:品詞がめっちゃ少ない!

リヴァ語には名詞も動詞も形容詞も副詞もありません。それらは全て「内容詞」という1つの品詞にまとめられています。内容詞の他には、内容詞を並列するための「接続詞」しかありません。

 内容詞の例
 fuma「x1は猫だ」
 pura「x1は魚だ」
 nela「x1は白い」
 fiza「x1は眠る」
 gara「x1はx2を食べる」
 mada「x1はx2をx3にあげる」
 sela「x1はx2からx3を通ってx4に行く」

上のように、内容詞の基本的な意味は述語的です。項として用いられる場合は、「猫」「白いもの」「x2を食べる人」のように意味が変わります。
しかし、品詞の区別が少ないと言ったら、多くの人はこう思うかもしれません。

「普通の言語だったら、動詞が述語になり、名詞は動詞の項になり、形容詞は名詞を修飾するというように、品詞ごとに役割が決まっているから、文の構造が簡単に理解できるわけだよね。でも全ての単語が同じ品詞だったら、どの単語が述語でどの単語が項なのか、どの単語がどの単語を修飾しているのかが分からなくなって、文の構造が理解できなくなっちゃうんじゃないの?」

その通りですね。でも大丈夫! リヴァ語はこの問題を解決するために、ある画期的な文法範疇を有しています。次の節で解説しましょう!


とくちょう②:文の構造が明確!

リヴァ語の文構造を明確にするための秘密は、内容詞の語尾にあります。次の例文を見てください。

 gara fumis purin.
 食べる-猫-魚
 猫が魚を食べる。

fuma「x1は猫だ」と pura「x1は魚だ」の語尾がそれぞれ -is、-in に変わっていますね。この語尾に含まれる母音 -i- は、「この内容詞は語尾が -a- である内容詞の項だよ」ということを表しています。子音の -s、 -n の部分はそれらが1番目の項(x1)、2番目の項(x2)であることを示しています。

また、語尾 -a は「この内容詞は文の中心となる述語だよ」ということを意味します。このように語尾を交替させることで、文のどの内容詞が述語でどの内容詞が項なのかが容易に理解できるわけです。

でもこれだけでは、「普通に動詞と名詞の区別がある言語と何が違うの?」と思ってしまうことでしょう。この語尾が真価を発揮するのはさらに文が複雑になったときです。

 fiza fumis garis puron.
 眠る-猫-x2を食べるもの-魚
 魚を食べた猫が眠る。

上の例文は、関係節に相当する部分が含まれた、ちょっと複雑な文ですね。
本題に入る前に注目してもらいたいのが、fumis と garis の並び。それぞれ「猫」と「x2 を食べるもの」という意味ですが、これらを並べると「猫、かつx2を食べるもの」つまり「x2を食べる猫」という意味になります。このように、同じ語尾の内容詞を並べると論理積となり、お互いを修飾できるのです。

さてここからが本題。puron を見てください。語尾の母音が -o- になっていますね。これは「この内容詞は、語尾が -o- でかつ前方の最も近い位置にある内容詞の項だよ」という意味で、実際に puron は直前の garis の項となっています。

このように、語尾が -a- の内容詞は語尾が -i- の内容詞を項としてとり、語尾が -i- の内容詞は語尾が -o- の内容詞を項としてとり……というように、文は階層構造をなしています(文が階層構造をなす点は他の言語も同じです)。リヴァ語は、階層が下るごとに際限なく語尾の母音が交替していくのです! これはリヴァ語の最大の特徴です。この特徴を端的に表したのが次の文です。

 sara lenis macin macon macen macun macaqan macaqin macaqon macaqen macaqun saniqan.
 である-彼-x2の親-x2の親-x2の親-x2の親-x2の親-x2の親-x2の親-x2の親-x2の親-私
 彼は私の親の親の親の親の親の親の親の親の親だ。

上の文を見れば、語尾が -a-、-i-、-o-、-e-、-u-、-aqa-、-aqi-…の順にどんどん交替しているのが分かるでしょう(-aqa- 以降は半母音 q を挟みながら交替していきます)。このように、リヴァ語の内容詞は語尾によって文の何番目の階層に位置しているかが一目瞭然であり、さらに「階層が1つ上で、かつ前方の最も近い位置にある内容詞の項」になるという規則のおかげで文構造が常に明確なのです!


とくちょう③:語順の自由度が高い!

内容詞の語尾のおかげで、リヴァ語の語順はかなり自由です。基本は述語の後にその項を番号順に並べるのでVSOに相当する語順になりやすいですが、他の語順にしても全く問題ありません。

 gara fumis purin.
 gara purin fumis.
 fumis purin gara.
 fumis gara purin.
 purin fumis gara.
 purin gara fumis.
 猫が魚を食べる。

さらには、論理積となっている内容詞を離して置くこともできます。下の例文では mesin と nelin が離して置かれていますが、語尾のおかげで論理積となっていることが分かります。

 luma mesin sanis nelin.
 見る-花-私-白い
 私は白い花を見る。

逆に、語順を変えずに文構造だけを変えることもできます。例えば「家で魚を食べた猫が眠る」という日本語の文は、「家で」が「食べた」と「眠る」のどちらを修飾しているかが曖昧です。修飾関係を明確にするには「魚を家で食べた猫が眠る」「魚を食べた猫が家で眠る」のように語順を工夫する必要があります。しかし、リヴァ語では語尾を変えるだけで修飾関係を明示することができます。

 1. fiza fumis garis puron maboc.
  眠る-猫-x2を食べるもの-魚-家
  魚を家で食べた猫が眠る。

 2. fiza fumis garis puron mabic.
  眠る-猫-x2を食べるもの-魚-家
  魚を食べた猫が家で眠る。

1は maboc「家で」の語尾が -o- であるため、語尾が -i- である garis「x2を食べるもの」の付加詞だと分かります。2 はmabic「家で」の語尾が -i- であるため、語尾が -a- である fiza「眠る」の付加詞だと分かります。このように、語尾を変えるだけで文構造を変えることができるという点も、語順の自由度を高めるのに一役買っています。


おわり!

というわけで、今回は自言語の最新版「リヴァ語」を解説しました。念押ししますが、これが「最終版」である保証はどこにもありません。3日後にはさらに別形態になってるかもしれないし。

でもそれでいいんじゃない?って気もします。どうせ話者いないから、作者である私が意図的に変化を加えなければ死んでしまうのですよ、この言語。変化のない言語は死んだも同然ですから。仕様変更を恐れずに、頑張って自分の言語を生きながらえさせましょうね。

気が向いたらちゃんとした文法書を書きます。ではさらばじゃ!!

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