こんにちは,渡久地です.
この記事はapata語の文法などを解説するものとなります.
今回は名詞についてです.
apata語の名詞には格接尾辞と所有接頭辞が存在します.
格接尾辞
格接尾辞の最初の音節の母音字は前の音節の母音字と同じものとなります.
その際,母音字が長母音になるか短母音になるかは格接尾辞で異なるため,以下の表では次の方式で表現しています.
- 「(V)」は,前の音節の母音字に対応する短母音字になります
- 「(V')」は,前の音節の母音字に対応する長母音字になります
- 「(V/V')」は,前の音節の母音字と同じ母音字になります
- 「(V'/V)」は,前の音節の母音字と長短が異なる母音字になります
- 長母音字であれば短母音字に,短母音字であれば長母音字になります
なお,二重母音の場合には最初の母音字と同じものとなります.
能格 | 与格 | 属格 | 因格 | 様格 | 変格 |
---|---|---|---|---|---|
-k(V/V') | -t(V) | -x(V')ka | -n(V')ta | -r(V'/V)n | -g(V)má |
- ulita: 本は(絶対格)
- ulitka: 本は(能格)
- ulitta: 本に(与格)
- ulitx'ka: 本の(属格)
- ulitan'ta: 本によって(因格)
- ulitarán: 本として,本のように(様格)
- ulitgmá: 本に(変格)
場合によっては格語尾の前に緩衝音節を挟む場合があります.
挟む音節は以下のようになりますが,母音字については「母音字の省略」により記述されないことが多いです.
-rn/-n | -rm/-m |
---|---|
d(V) | b(V) |
所有接頭辞
一人称 | 二人称 | 三人称動物 | 三人称植物 | 三人称物体 | 三人称概念 | 特定 | 不特定 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
c- | h- | vét(a)- | pát(a)- | muk(a)- | din- | lig(i)- | vje- |
所有接頭辞が無い場合には,「話題に無関係である」「明示する意味が無い」もしくは「総称である」ことを表します.
- cdarm: 私の家
- hdarm: あなたの家
- vétdarm: その動物の家
- p'tdarm: その植物の家
- mukdarm: その物体の家
- dindarm: その概念の家
- lgidarm: それの家
- vjedarm: 何らかの家
今回は以上です.閲覧ありがとうございました.
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