印欧祖語からトカラ語派とゲルマン祖語の変化の比較(トカラ語Dの再始動に向けて)
これは大体の傾向をつかむためのメモであり大体のことのみを描いています、つまり子音クラスタでの挙動とか環境によるさらなる変化とかはいったん無視している。
以前はネットで拾ったpdf に載ってた変化をそのまま当てはめたせいで、たとえば語末子音のようなところで不具合が生じていた。今回はPIEからのトカラ語派とゲルマン祖語それぞれの変化を見比べることで同じような変化を二回適応する羽目になる事故を防ごうとしている。
母音
短母音
PIE *a > PGm *a, PT *a > TB a, TA ā
PIE *e > PGm *e, PT *ʲə > TAB ʲə
PIE *i > PGm *i, PT *ʲə > TAB ʲə
PIE *o > PGm *a, PT *æ > TB e, TA a
PIE *u > PGm *u, PT *ʷə > TAB ʷə
ここではPIE *o > PGm *aだけ素知らぬ顔してPIE *aに合流させるとPT *æ > TD aという変化を主張できる
長母音
PIE *ā > PGm *ō, PT *å > TB o, TA a
PIE *ē > PGm *ē, PT *je > TB e, TA a
PIE *ī > PGm *ī, PT *i > TAB i
PIE *ō > PGm *ō, PT *ō > TB a, TA ā
PIE *ū > PGm *ū, PT *ū > TAB u
ここではPIE *ā > PGm *ōだけ素知らぬ顔してPIE *ōに合流させるとPT *å > TD aという変化を主張できる、でもどうせならTD oが欲しいので PT *ō, *å > TD oで行く
二重母音
PIE *ay > PGm *ai, PT *ay > TB ai, TA e
PIE *ey > PGm *ī, PT *ʲəy > TAB ʲi
PIE *oy > PGm *ay, PT *ay > TB ai, TA e
PIE *aw > PGm *aw, PT *aw > TB au, TA o
PIE *ew > PGm *ew, PT *ʲəw > TAB ʲu
PIE *ow > PGm *aw, PT *aw > TB au, TA o
成音節子音
PIE *R > PGm *uR, PT *əR
どうせかわらんよ
子音
破裂音
(基本的に*K, *G, *Gʰ > *Kに乗っかればいい、あるいはPGmの無声摩擦音だけそのまま置いておくか?)
両唇音
PIE *p > PGm *f, PT *p/*pʲ
PIE *b > PGm *p, PT *p/*pʲ
PIE *bʰ > PGm *b, PT *p/*pʲ
口蓋音、軟口蓋音(トカラもゲルマンも合流、"ケントゥム語化")
PIE *k, ḱ > PGm *x, PT *k/*ś
PIE *g, ǵ > PGm *k, PT *k/*ś
PIE *gʰ, ǵʰ > PGm *g, PT *k/*ś
口蓋円唇
PIE *kʷ > PGm *xʷ, PT *kʷ/*ś
PIE *gʷ > PGm *kʷ, PT *kʷ/*ś
PIE *gʷʰ > PGm *gʷ, PT *kʷ/*ś
歯音
PIE *t > PGm *θ, PT *t/*c
PIE *d > PGm *t, PT *ts/*ś
PIE *dʰ > PGm *d, PT *t/*c
ほか
PIE *w > PGm *w, PT *w/*wʲ > TB w/y, TA w/w
PIE *N > PGm *N, PT *N/*Nʲ
PIE *s > PGm *s, PT *ṣ
語末/非強勢位置
PIE *-K > PGm ∅, PT ∅
PIE *-N > PGm *n, PT ∅
PIE *-s > PGm *z, PT ∅
PIE *-r > PGm *r, PT *r
PIE *-l > PGm *∅, PT *l
PGm *-nは(鼻母音だし)ṃで、PGm *zはロータシズムということでrで。他の語末は母音がなくなった結果だろうし無視すればいいでしょう
PGmは単音節語だとPIE *-Kも*-mもそのまま、そのまま置いとけばいい
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名詞: rentry.co/pq7c9
加筆編集ができないのでここにメモを置く(twitterはいずれ死ぬので)
すみません。編集に失敗する不具合を修正しました。よければ再度お試しください。
これは大体の傾向をつかむためのメモであり大体のことのみを描いています、つまり子音クラスタでの挙動とか環境によるさらなる変化とかはいったん無視している。
以前はネットで拾ったpdf に載ってた変化をそのまま当てはめたせいで、たとえば語末子音のようなところで不具合が生じていた。今回はPIEからのトカラ語派とゲルマン祖語それぞれの変化を見比べることで同じような変化を二回適応する羽目になる事故を防ごうとしている。