ぺヤウ人(peyaw ngo、ペヤウ語「pejavLgo、プカルテポ語「」peralcor)はフェムモシン山地やその周辺に住む人種、民族、またその言語。ペヤウノとも言う。
現在はモシン教の信者、あるいはモシン教の宗教集団を指す。
主にペヤウ文字という表意文字を使用する。
この記事では、ペヤウ人の言語と文字、宗教について見ていきましょう。
ペヤウ人という人種の興り
ペヤウ人の祖先である民族は、現在ペヤウ人が住んでいる山地の南部に住んでいました。
ペヤウ人の祖先は独自の文字を持っており、南部の平原から独特の文化と共に入植を進めました。
この民族が北方の山地に入植を進めた際、「澄んだ空気」という意味のフェムモシンという名前をその地方に与えました。
そしてしばらく北進したのちに、海岸沿いにと同名の町(フェムモシン)を作りました。
そこに入植したその民族が、現在のペヤウ人、ペヤウノであると言われています。(地図)
そうしてペヤウ人はフェムモシンの町にて新たな種類の民族となりました。
フェムモシンの民族は、自らを知恵者(pejavlgo)と名乗ります。
そうして、北部に勢力を広めていきます。
また、この時期にモシン教という宗教が発生したといわれています。
ペヤウ人はモシン教の物事を表すために、祖先が用いた独自の文字を使用しました。
さて、言語と文字を解説する時間です。
知恵語(PejavSeθ)
音韻
母音
--> /a/、/i/、/e/、/o/、/u/のみ。
| 子音 | 両唇音 | 唇歯音 | 歯音 | 歯茎音 | 軟口蓋 | 硬口蓋 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 破裂 | /p/->p | /t/->t /d/->d |
/c/-> c,qu |
/k/->k | ||
| 摩擦 | /f/->f | /θ/->z | /s/->s | |||
| 接近 | /β̞/->w | /ɹ/->r | /j/->j | |||
| 鼻音 | /m/->m | /n/->n | /ŋ/->lg |
母音の長短は区別されます。
一纏まりの最後の言葉は長母音になるのです。
Wep/β̞ep/(草、緑色の)。muj/muj/(とても、間違いなく)
WepWep(緑の草) --> /β̞epβ̞eːp/
MujWep(とても緑/間違いなく草)
--> /mujβ̞eːp/
MujWepWep(とても緑の草)
/mujβ̞epβ̞eːp/
二音節語
文字は固有の音を持っていますが、声調などの守るべきアクセントはありません。
全ての音が同じ高さでも、意味上にはなんの問題もありません。
しかし「pejav -> 知恵」と「Pe-Jav -> 石-頭」のように限りなく音が同じ、別の単語が存在します。
しかし心配無用。これは区別できます。
「pejav -> 知恵」は真ん中の「j」が長子音気味になるためです。
文法
知恵語の語順はなんか変です。
実際に見てもらった方が良いでしょう。
つまるところ動詞やそれに類する単語の位置がコロコロと変わります。
(画像が見られない人のために説明すると…
「I tell you」「tell I not you」「not tell I did you」「tell I did you」という風に変わる)
言ってる意味が分かりますか?
言葉で表すならば、VSO語順で、動詞の先頭を主語の後ろに持っていく…
といったところです。
モシン教と司祭
ペヤウ文字はモシン教のために使われました。
そもそもこの時期、ペヤウ人の社会は、三つの家による寡頭政治が行われていました。
出産や医術に関わる「清め」を生業にした滝家sazRaw(saθɹaːβ̞)
葬儀を生業にした鳥家nidekRaw(nidekɹaːβ̞)
占いすることを生業にして、結婚などの選択に関わるようになった星家sacurRaw(sacuɹɹaβ̞)
この三家は生活の大事な部分を担っていたので、そのうち大きな権力を得ました。
この民族が元々持っていた民俗信仰を、この三家がまとめ上げたもの。
それがモシン教です。
どのような信仰か?
自然信仰であり、おもに水を清浄であるとする。
空気(mozilg/moθiŋ/)を信仰する。
空気には精霊(daw/daβ̞/)が宿っており、精霊は、神通力をもった精霊の子(DawSed/ɹaβ̞seːd/)と呼ばれる預言者を人間に遣わす。
世界は大精霊の肉体(LgiDawRew/ŋidaβ̞ɹeːβ̞/)である。
遺体を葬る方法は鳥葬である。
などなど。
プカル人によって平定される
さて、そんなペヤウ人ですが、フェムモシンから北進してアンクレヨン(An-Ku-rejon)という町を平定しようとします。
今までは、どんどん勢力を広げてきたペヤウ人ですが、ここに問題が起こります。
アンクレヨンの町は谷に囲まれており、谷によって道が阻まれていました。
ペヤウ人は攻めあぐねる事になります。
また同時期に同じ町を、プカル人という異民族が狙っていました。
プカル人は蛇教という、ペヤウ人とは全く異なる信仰がありました。
蛇神と神の山という山を信じる民族です。
ペヤウ人と同様に、攻撃は谷に拒まれていましたが、ペヤウ人は南から、プカル人は北からアンクレヨンを滅ぼそうとしました。
地図
結果として、アンクレヨンに先に到達したのはプカル人でした。
ペヤウ人は「プカル人が支配するアンクレヨン」と和平を結びました。
しかし和平は破られ、ペヤウ人はプカル人に平定されました。
プカル人はペヤウ人に蛇教の信仰を強制され、ペヤウ文字は蛇教のための文字とさせられた。
そういうことです。
蛇教でのペヤウ文字
辞書の上に、変な文字があったり…
文字に発音記号が付いているのと同時に、プカルテポ語読みが付いています。
蛇教を記述する際はこれを用います。
なぜか。ペヤウ語とプカルテポ語が全然違うからです。
母音は一緒ですが、子音は全く違う。
| 子音 | 両唇 | 歯茎 | 軟口蓋 |
|---|---|---|---|
| 破裂 | p | t | k |
| 摩擦 | s | ||
| 接近 | r | ||
| 側面接近 | l |
こんなのですし、音節もかなり異なっているので…
ペヤウ文字でプカルテポ語を直接表すのは不可能だとされました。
ゆえに、同じ意味の音をペヤウ文字に充てたのです。
文章を見る
ここは力尽きたので、許してください。
VSO語順で、動詞の先頭を主語の後ろに持っていく
形容詞と副詞は前に置く
これだけ分かれば、なんとか出来ます。
その後
その後、何百年も経った頃のことです。
自らを天帝の使者と呼ぶ人間がフェムモシンに訪れました。
「通達する。あらゆる宗教を信じることは、天帝により許された」
どういうことでしょうか?
なんと驚くべき事に、プカル人は仲間割れを起こしていました。
その結果として天帝を自称する男が大権を握っていたのです。
その天帝はあらゆる宗教に対して寛容であり、故にモシン教も同様に許されました。
モシン教信者のペヤウ人は大喜び。
天帝は精霊の子の一人とされ、大いに祭られました。
とりあえず、ハッピーエンド…?


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