注:『晝界』は 2023/12/16 に『桔界』に改称しました。記事執筆当時の状態を保存するため,本記事中では「晝界」のままになっています(タグは付け替えてあります)。
自世界の舞台である国「晝波」(ひるなみ,xirnamy)ですが,語源が少し定まりました。
まず前半部の xir- については,聿穂語由来の xis / xir-「5」に由来することが確定していました。
古代聿穂では「五根説」という五元素説的なものが信じられていたという背景があるので,「5」は同時に「全」のようなニュアンスをもつことになります。
さて,後半部の namy については長らく語源を確定させていなかったのですが,今回「編んだもの」「織りなすもの」的な意味にすると色々とうまくいくことに気がつきました。(xirnamy 全体としては「全ての織りなされたもの」的な意味になります;おそらく〈人々の生活圏にある森羅万象〉を包括する概念から,〈自分たち人間の住んでいる場所〉的なニュアンスになったと思えます。)
昔造語した数少ない古代晝波語の語根で nab「編む」というのがある(以前文法を白紙に戻したので語根しか残っていません)ので,これと関係があることにしてみましょう。
母音 y /y/ は iu の融合として生じたということを想定しています。また古くに存在していた /b/ は /w/ に変化した(/wu/ は /u/ と合流)ということを考えているので,namy の古形の一つとして *namibu が考えられます(namy < *namiu < *namibu)。ここで -ibu という文法的な接辞があったと考えると,nab + -ibu でできる形が,二つある b の異化によって *namibu という形をとることにすればキレイにいきます。
ところで,この namy は,共時的には nab + -y (< *-ibu) と分析されることになります。が,一語化した namy が異化の名残をとどめたのに対して,文法的に「編まれたもの」の意で生産される形式は,類推作用によって naby という形に引き戻されそうですね。
xirnamy の語源を考えるついでに色々決める手がかりが出てきました。
(人に説明するにしては分かりづらい文章になってしまったかもしれませんね;まあ自分用のメモです…)
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