IWCC お疲れ様でした。私はシャレイア語でシャレイア語を紹介する発表をしました。
私のシャレイア語での発表は 10 分くらいで終わってしまったので、残りの時間は裏話 (裏じゃない) をしていました。ということで、ここでは裏話 (本当に裏) をしようと思います。
シャレイア語の発表原稿はこちらで公開しています。日本語訳は配信アーカイブの字幕をご覧ください。
発表テーマについて
結構前から、シャレイア語の音声資料を増やすためにシャレイア語でシャレイア語の紹介をする動画を用意したいなとは思っていました。
最初は、シャレイア語が通用している何らかのコミュニティで、「シャレイア語研究会」という団体が自身の紹介をするという体で発表しようと考えていました。ただ、そうするとシャレイア語そのものの紹介ではなくシャレイア語の研究の紹介をしなければ不自然で、そのためには語彙が足りなすぎたので断念しました。
ちなみに、「シャレイア語研究会」というのは、シェノの集まりをこう呼んだらそれっぽいかなと思って作った設定です。この設定自体はかなり前から考えていて、ロゴや会員証を作ったりもしました。
実は IWCC 2021 Harvest (第 1 回) の私の発表のスライドには、シャレイア語研究会のロゴが入っています。研究会の成果発表という体だったわけですね。
原稿について
原稿を用意する時間がなかなか取れなかったため1、本番の 4 日前になってもシャレイア語原稿は全くできておらず、シャレイア語原稿は 11 月 3 日と 11 月 4 日の 2 日間で無理やり完成させました2。そんな感じなので、10 分の原稿を用意するのがやっとでした。
10 分の原稿を作るだけでもまだまだ語彙は圧倒的に足りず、結局 2 日間で 40 語近く作りました。このスピードはここ数年で最高だと思います。まあ、代わりに語義の考察が疎かになってるので、もう一度見直さないといけないんですが…。
ロゴの由来の話だったりシェノになる条件の話だったりと、時間によらない一般論や事実を話すことが多かったので、不定人称を表す vas や通時時制の用例が多く取れました。これによって、不定人称や通時時制の用法の研究がさらに発展することが期待されます (他人事)。
また、経過相を使って提案や感謝を述べるという表現が結構出てきます。この表現はわりと最近発見されたものですが、今回原稿を作る上でかなり便利でした。詳しくは文法詳細 #SRF に記述があるのでこちらを参照してください。
1 代シャレイア語由来の単語
発表中では「シャレイア語に深く関わる概念には古いシャレイア語を使う」と述べました。ここでの「古いシャレイア語」というのは 1 代シャレイア語のことで、製作を始めて最初の 1 ヶ月間のシャレイア語です。
発表中で述べた通り、シャレイア語貢献者を表す xenoh が 1 代シャレイア語由来の単語の一例ですが、それ以外にあるのか気になってる人いるんじゃないかなと思います3。せっかくなので、ここで列挙しておきましょう。矢印の左が現代シャレイア語で、矢印の右がその由来となった 1 代シャレイア語の単語です。
- xenoh「シャレイア語貢献者」← xenon「神」
- xâfis「シャレイア語が製作開始されるという出来事」← xaafis「誕生」
- oktísis「シャレイア語が架空世界の設定を失うという出来事」← oktiasis「分離」
- xalzih「通常では想像できない特殊な能力をもった人」← xalzia「魔法」
最後のは別にシャレイア語関連の単語じゃないですが、1 代シャレイア語由来です。
1 代シャレイア語以外の昔のシャレイア語を由来とする単語も実はあって、それが 3 代シャレイア語の時代に設定されていた 12 柱の神の名前です。これを輸入したのは、神の名前をコードネーム的に使えるんじゃないかと思ったためです。実際、次の 3 語に使われています。
- kosaxlêsal「小学校」 ← kosax「学校」+ lêsal (1 番目の神の名前)
- kosaxharòz「中学校」 ← kosax「学校」+ haròz (2 番目の神の名前)
- kosaxsây「高校」 ← kosax「学校」+ sây (3 番目の神の名前)
裏話は以上です! 今後もシャレイア語をよろしくお願いします。
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