特徴
・東果国にて使用される言語。
・現実世界の日本語に該当する言語だが、日本語と大きく逸脱する要素も多い。
・SOV型、AN・GN語順、後置詞を用いる。膠着語。
・閉音節の頻度が高く、鼻音以外の子音も音節末に立ちうる。
・rとlを区別する他、摩擦音の数が非常に多い。拗音は存在しない。
・固有語において、r音が語頭に立つことは稀。濁音も語頭に立ちにくい。
・人称接辞を用いた表現が存在し、主に所有表現、または用言の主体/客体の表現に使われる。
・表記には東果文字が使用される。
・平仮名、片仮名、漢字に該当する文字体系の区別が存在しない。基本的に東果文字(と、外来語表記用の坵暁文字)で表される。
系統・歴史
・東果語族。 邁寵語、イィキロフ語とは同語族。
・古代~中世にかけて蒼尾語、中世~近世にかけてイィキロフ語と汽陸語の影響を受けている。国文法においては東果語族固有の語彙を「固有語」、蒼尾語/汽陸語から借用した語彙をそれぞれ「蒼語」、「汽語」と呼び区別する。
・近代において蒼畿方言を基に標準語が制定された。ある程度は『方言的』な言い回し、語彙、発音も許容するよう制定されている。
・近代以降は複数の言語から語彙を借用しており、単に「外来語」と言う。
音韻
音韻体系
・ここでは母音をV,子音をC,長母音をV:と置く。
・外来語を除き、V,CV,V:,CV:,VC,CVCの音節を取る。
・子音連続については以下の通り。
・同じ子音が続く。thaqqa 文字
・n+l 例:thadhanlakh 注目
・q+l 例:kureqlu メイキョウコ(冥橋鯱。東果世界の海洋性の鳥類の一種)
・無声摩擦音+無声摩擦音 例:laskheʰ-v 戦う
・外来語は稀にCCV、CV:C等の音節を取り、母語とする者からは適当なvを補って発音される。
・日本語に比べると閉音節の単語が多い。
・一部の語彙は母音連続を持つ。歴史的経緯としては異なる母音に挟まれた語中のhの脱落により発生している。
・rが立つ語頭に立つ単語は少なく、固有語だと稀。
母音体系
| 前舌 | 中舌 | 後舌 | |
|---|---|---|---|
| 狭 | i | ɯ | |
| 中央 | e | ə | ɤ |
| 広 | a |
・中央音は半狭から半広までの範囲を取りうる。
・/e/は[e̞]、/ɤ/は[ɤ̞]。異音としてeは[ɛ~e]、ɤは[ʌ~ɤ]を取りうる(要検証)
・蛇人族・蒼尾族は唇の形状の都合上、円唇音を出すことが困難であり、東果語に於いても採用されていない。
子音体系
| 歯 | 歯茎 | 歯茎側面 | 後部歯茎 | 硬口蓋 | 軟口蓋 | 口蓋垂 | 咽頭~声門 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 鼻音 | n | ŋ | ||||||
| 破裂 | t | k | q | ʔ | ||||
| 破擦 | t͡ɬ | |||||||
| 無声摩擦 | θ | ɬ | ç | x | χ | ħ | ||
| 有声摩擦 | ð | ɮ | ʒ | ɣ | ʁ | ʕ | ||
| 接近 | l | j | ɰ | |||||
| はじき | ɾ |
・区別される摩擦音は12個。/ʕ/は語頭以外で立たず、/ɣ/、/ʁ/は殆どの場合に音声上では区別しない為、実際に区別が必要なのは10個である。それでも多い
・有声摩擦音は有声破擦音として発音されることがある。
・蛇人族・蒼尾族の唇の形状の都合上、唇音は発音が困難であり、東果語においては採用されていない。
異音
・/ɣ/、/ʁ/は音声上では区別されない。ghだろうとrhだろうと、/ɣa/,/ɣe/,/ʁo/,/ɣi/,/ʁu/,/ɣ~ʁə/となることが多い。
語末の/ɣ//ʁ/は最後の母音がo,u,əならば/ʁ/、a,e,iならば/ɣ/のことが多い。
・/s/と/z/はそれぞれ、/θ/と/ð/の異音として表れる。
・/ŋ/は文末だと/ɴ/と発音される。
アルファベット転写
(※フォント未実装)
(※汽陸語は別の表記をする)
| 文字 | 音価 | 転写法 |
|---|---|---|
| /a/ | a | |
| /e/ | e | |
| /i/ | i | |
| /ɤ/ | o | |
| /ɯ/ | u | |
| /ə/ | v | |
| (旧) | /ɛ/ | ë |
| (旧) | /ɨ/ | ï |
・vはチェロキー語/ə̃/の転写から借用している。
・ë、ïは古代日本語八母音説のエ/イ段乙類を表すë、ïから借用している。
| 文字 | 音価 | 転写 |
|---|---|---|
| /n/ | n | |
| /ŋ/ | ng | |
| /t/ | t | |
| /k/ | k | |
| /q/ | q | |
| /ʔ/ or /ː/ | '/(前の母音を繰り返す) | |
| /t͡ɬ/ | tl | |
| /θ/ | th | |
| /ð/ | dh | |
| /ɬ/ | s | |
| /ɮ/ | z | |
| /ç/ | hy | |
| /ʒ/ | zh | |
| /x/ | kh | |
| /ɣ~ʁ/ | gh | |
| /χ/ | Xh/qh | |
| /ɣ~ʁ/ | rh | |
| /ħ~h/ | h | |
| /ʕ/ or /ːʔ/ | hh*/(前の母音を繰り返す)' | |
| /l/ | l | |
| /j/ | y | |
| /ɰ/ | w | |
| /ɾ/ | r |
・rhはアーヴ語の/ʁ/の転写から借用している。
・語中の/ːʔ/について、辞書などで正確に文字を記す必要のある場合はhhと綴り、代わりに/ħħ/はh'hと綴る。
・語中で/ʕ/の音を表す必要がある場合、大文字小文字に関わらず必ずHhと表記する、または単に「3」と表記する。
・外来語等で/ɮ.h/のような音価を表したい場合は「z'h」のようにする。
・suzushaのように、人間視点で音価が紛らわしい場合にも'を降ってよい。例:suzus'ha
母音調和法則に関係する辞書上の表記
| 陽母音 | 陰母音 |
|---|---|
| a | e |
| ë | ï |
| o | u |
| ay | uy |
| oy | ey |
| ëy | uy |
ë,ïは通常のe,iと区別する目的で表記。本来は東果語に存在していた。
i,vは母音調和の影響を受けない。
wuという音節となる場合、wは消失する。例えばwayは交替する際、wuyではなくuyとなる。
特殊な文字について。
| 表記 | 意味 |
|---|---|
| a₂ | a,uで替わる |
| a₄ | a,e,o,uで替わる |
| ë₄ | ë,ï,o,uで替わる |
| aa₄ | aa,ee,oo,uuで替わる |
| ëë₄ | ëë,ïï,oo,uuで替わる |
| ay₃ | ay,oy,uyで替わる |
| ê/e₁ | 母音調和の影響を受けないe |
| êy/ey₁ | 母音調和の影響を受けないey |
| u₂ | wo,uで替わる |
| uy₂ | way,uyで替わる |
| ø | いわゆるゼロ語尾 |
| lˢ | 活用によってlがsと交替する 例:ilˢ-øの連体形is-thï |
| ⁿ | 活用によってnが表れる 例:qaⁿ-hhorvの連体形qan-nathë |
| ᵑ / ⁿᶢ | 活用によってngが表れる |
| ʰ | 活用によってhが表れる 例:këʰ-vの連体型 këh-thë |
アクセント
[調査中]
・高低アクセントを持ち、高アクセント音節と低アクセント音節の位置で語を識別する。
・一音節語では『高・中・低』を区別する。
・次の音節が高アクセントであることは[、低アクセントであることは]、中アクセントであることは|で表す。(あるいは単にIPAに属する声調記号で表す。ただしëïに対してはダブルアキュート/ダブルグレイブアクセントでも良い。)
例:[neh]thvnu / néhthvnu(ようこそ) ]e[qhule] / èqhúleꜜ(印、目印) (※最後に記号が付けられる場合、後ろに一音節の接尾辞が続く場合は低アクセントとなる)
|rë / rë̄ (方角)
文法
・主題優勢言語であり、主題となる名詞を一番目の句に置く、或いは-(a)raa₄を付けて明示する。
方言
・東龍屾(現実の中部内陸に当たる)~南椪中方言では/ə/が消失し、他母音と統合。
・山間部の方言について、宇沽野~夕刀(現実の長野~福島に当たる)では母音調和が消滅。反面、椪中地方(現実の東北に当たる)の北方ではより厳格な母音調和規則が存在。
・一部の地方、特に椪中では/ɣ/と/ʁ/を区別する。
・椪中のうち特に北部では現実世界のモンゴル語に似た母音の区別を行う()
・巽峡西部(現実の東海地方に当たる)、㞱水西部(現実の九州北部に当たる)、端離(現実の四国~九州南部に当たる)の方言では/χ/が消滅しており、/x/か/ħ/と合流している。/x/と/χ/と/ħ/が全て合流している方言は現在確認されていない。
・端離の方言では汎ゆる音節で『高・中・低』のアクセントの識別を行う。
・端離の離島の方言では一部、声調アクセントも確認される。
・宇沽野(現実の長野に当たる)、崐央(現実の広島に当たる)方言等、少数の方言では/ʒ/が/ʝ/として発音される。
メタ的な話
・東果語はニヴフ語(音素)+韓国語(音節構造)+モンゴル語(文字、一部文法)+アルタイ諸語+アイヌ語(文法や語に抱合語の名残)を参考にしている。
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