挨拶が面倒です。自然言語の挨拶に定型句が多い理由を身を以て感じています。
ここでは、Falsiksの語形成や文構造などについて説明していきます。
単語形成
ここからは、単語の形成について説明します。語の形成規則はその語の質によって決まります。
格体
格体は格を表す接辞(格標識子)をとります。格及び格標識子の種類は以下の通りです。格標識子はそれ自身が相標識子としての役割を果たします。属格以外の接辞は縺述相、属格は縺格相を表します。格標識子は順行/逆行の二種類の形が存在します。
格 | 順行 | 逆行 |
---|---|---|
活格 | i | î |
不活格 | ul | ûl |
属格 | we | wê |
奪格 | ek | êk |
向格 | in | în |
与格 | ol | ôl |
具格 | ed | êd |
内格 | og | ôg |
題格 | un | ûn |
斜格 | da | dâ |
また、格体は語頭の文字が大文字になります。
中体
中体は時制・相(アスペクト)・法によって活用します。また、核子として用いるときは核子相標識を用います。
・時制
- ∅:現在(非過去)
- ze:過去
・アスペクト
- a:通常・非継続
- e:継続・進行
- i:反復・習慣
- u:起動・開始
- o:停止・終結
・法
- d:直説法
- m:疑問法
- l:命令法
- nt:仮定法
・a:中体標識(≒核子相標識)
中体が中体として縺格・縺述相をとるときは、中体標識の後に相標識をとります。
それぞれの接辞は以下の順番に並びます。
時制-語幹-アスペクト-法-中体標識
ただし、冗長さを解消するために、現在・通常・直説法の場合のみ、中体標識以外の接辞が不要になります。
縺体
縺体は相標識のみを行います。
相 | 順行 | 逆行 |
---|---|---|
縺格 | na | nâ |
縺述(核子修飾) | ge | gê |
縺述(非核子修飾) | gu | gû |
連界 | ko | kô |
文法説明において、核子修飾の縺述相は単に「縺述相」と表記されます。非核子修飾の場合は省略されません。
また、格体が縺格相や縺述相をとったり、中体が縺格相をとったりすることもあります。相はあくまで単語の文中での役割なので、質によってとれる相が制限されることはあまりありません。無論縺体が核子相をとることはできませんがね。
基本語順
Falsiksに基本語順という概念は存在しません。
語同士の修飾関係が文法的に一意性を保つ限り、いくらでも語順を操作することができます。むしろ、そのようにして語順をその場その場で効果的に設定することができなければ、それは没個性的であり怠慢であるとみなされます。
また、文頭もしくは文末にある語はその意味やニュアンスが強まります。
どちらを優先するかは人によります。
単語の相を表す接辞(相標識子)などの語には"順行"と"逆行"の二つの変化型が存在し、順行はその語の後(右)、逆光はその語の前(左)に、修飾対象が存在することを示します。例を見てみましょう。
- Nai Nawe Jôzjenwe Wiltielêhulul tekada.
- na-i na-we jôzjen-we wiltielêhul-ul tek-a-d-a
- 私.活格-順行 私.属格-順行 妻.属格-順行 林檎.不活格-順行 現在.食べる.非継続.直説.核子
- ▶私は私の妻の林檎を食べる。
- Nawe tekada Jôzjenwe Wiltielêhulûl Naî.
- na-we tek-a-d-a jôzjen-we Wiltielêhul-ûl Na-î
- 私.属格-順行 現在.食べる.非継続.直説.核子 妻.属格-順行 林檎.不活格-逆行 私.活格-逆行
- ▶私は私の妻の林檎を食べる。
- Wiltielêhulul Jôzjenwê Nawê tekada Naî.
- Wiltielêhul-ul jôzjen-wê na-wê tek-a-d-a Na-î
- 林檎.不活格-順行 妻.属格-逆行 私.属格-逆行 現在.食べる.非継続.直説.核子. 私.活格-逆行
- ▶私は私の妻の林檎を食べる。
これら三つの文はすべて同じ意味で、使用している単語そのものは何ら差異がありません。相標識子の変形のみによって語順が変化しています。
ちなみに文法構造の処理は先頭の語から順番に行われます。属格標識などの縺格標識子は、修飾方向の一番手前の格体を対象とします。
二番目の文で説明すると、まずNaweが認識され、それが属格格体であるために修飾対象が走査されます。順行方向に進むと、tekadaが存在しますが、これは格体ではないため修飾対象にならず、通過します。次にあるのがJôzjenweであり、これは格体であるためNaweの修飾対象とみなされます。
また、ある語の修飾要素は、その語を修飾している語を修飾することができません。
- Nai Wiltielêhulul Nawe Jôzjenwê tekada
- na-i wiltielêhul-ul na-we jôzjen-wê tek-a-d-a
- 私活格-順行 林檎不活格-順行 私属格-順行 妻属格-逆行 現在.食べる.非継続.直説.核子
- ▶私は私の妻の林檎を食べる。
この文では、NaiとWiltielêhululが活格・不活格であるため順行の方向で修飾対象が走査され、共にtekadaを修飾していることがわかります。その後、Naweが認識され、順行方向にある格体、すなわちJôzjenwêが修飾対象となります。その後、Jôzjenwêが認識され、逆行方向にある格体が走査されます。ここで、一番手前にある格体はNaweですが、NaweはすでにJôzjenwêを修飾しているため、修飾対象になりえません。よって逆行方向のより遠くにあるWiltielêhululが修飾対象になります。
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