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ガーム語(第16回人工言語コンペ提出作品)

お題

吸着音のある言語

目次

音韻

ガーム語(Kóinqâamù /koi̯5.ŋ͡ǃɑː51.mu1/)の子音は28個の肺臓気流音と30個の吸着音がある。
母音は8つの前舌母音と8つの後舌母音があり、母音調和を起こす。
また、長母音を区別する。
声調を持ち、短母音で3つ、長母音・ニ重母音で5つの声調を区別する。

母音

前舌母音は、5つの単母音と3つのニ重母音を持つ。
後舌母音は、5つの単母音と3つのニ重母音を持つ。
母音の長さを区別し、長母音は母音字を2つ並べて表記する。
母音調和を起こし、同じ単語の中に異なるグループの母音が来ることはできない。
接辞は前舌形・後舌形の二つの形を持ち、母音調和に応じて変化する。
前舌形と後舌形は下表で同じ位置の対応する母音に変わっているだけであり、他に違いはない。

前舌母音 非円唇 円唇 非円唇 円唇
狭母音 i ⟨i⟩ y ⟨ü⟩
中央母音 e ⟨e⟩ ø ⟨ö⟩ ei̯ ⟨ei⟩ øi̯ ⟨öi⟩
広母音 æ ⟨ä⟩ æi̯ ⟨äi⟩
後舌母音 非円唇 円唇 非円唇 円唇
狭母音 ɨ ~ ɯ ⟨ɨ⟩ u ⟨u⟩
中央母音 ə ~ ɤ ⟨ə⟩ o ⟨o⟩ əi̯ ~ ɤi̯ ⟨əi⟩ oi̯ ⟨oi⟩
広母音 ä ~ ɑ ⟨a⟩ äi̯ ~ ɑi̯ ⟨äi⟩

声調

ウムラウト付きの文字に高平調のアキュート・低平調のグレイヴを付ける場合、ダブルアキュート・ダブルグレイヴを付ける。
中平調は普通の調子で平板に発音する。
高平調は高い調子で平板に発音する。
低平調は低い調子で平板に発音する。
下降調は高い調子から低い調子へ下げて発音する。
上昇調は低い調子から高い調子へ上げて発音する。

声調 短母音 長母音 調値
中平調 a aa 3 / 33
高平調 á áa 5 / 55
低平調 à àa 1 / 11
下降調 âa 51
上昇調 ǎa 15

子音

吸着音

15個の単吸着音と、15個の重吸着音を持つ。
舌尖吸着音(歯茎音・反舌音・側面音)の後に前舌母音は来ない。

単吸着音 硬口蓋音 歯音 歯茎音 反舌音 側面音
破裂音 k͡ǂ ⟨ç⟩ k͡ǀ ⟨c⟩ k͡ǃ ⟨q⟩ k͡ǃǃ ⟨ɍ⟩ k͡ǁ ⟨x⟩
鼻音 ŋ͡ǂ ⟨nç⟩ ŋ͡ǀ ⟨nc⟩ ŋ͡ǃ ⟨nq⟩ ŋ͡ǃǃ ⟨nɍ⟩ ŋ͡ǁ ⟨nx⟩
声門化鼻音 ˀŋ͡ǂ ⟨nçʼ⟩ ˀŋ͡ǀ ⟨ncʼ⟩ ˀŋ͡ǃ ⟨nqʼ⟩ ˀŋ͡ǃǃ ⟨nɍʼ⟩ ˀŋ͡ǁ ⟨nxʼ⟩
重吸着音 硬口蓋音 歯音 歯茎音 反舌音 側面音
前鼻音化破裂音 ᵑɡ͡ǂ ⟨gç⟩ ᵑɡ͡ǀ ⟨gc⟩ ᵑɡ͡ǃ ⟨gq⟩ ᵑɡ͡ǃǃ ⟨gɍ⟩ ᵑɡ͡ǁ ⟨gx⟩
前摩擦音化破裂音 sk͡ǂ ⟨sç⟩ sk͡ǀ ⟨sc⟩ s̺k͡ǃ ⟨sq⟩ ʂk͡ǃǃ ⟨sɍ⟩ s̺k͡ǁ ⟨sx⟩
前摩擦音化鼻音 sŋ͡ǂ ⟨snç⟩ sŋ͡ǀ ⟨snc⟩ s̺ŋ͡ǃ ⟨snq⟩ ʂŋ͡ǃǃ ⟨snɍ⟩ s̺ŋ͡ǁ ⟨snx⟩

肺臓気流音

28個の単肺臓気流音と、40個の重肺臓気流音を持つ。

単子音 硬口蓋音 歯音 歯茎音 反舌音 唇音 軟口蓋音
破裂音 c ⟨j⟩ t̪ ⟨t⟩ ʈ ⟨ṭ⟩ p ⟨p⟩ k ⟨k⟩
放出音 cʹ ⟨jʹ⟩ t̪ʹ ⟨tʹ⟩ ʈʹ ⟨ṭʹ⟩ pʹ ⟨pʹ⟩ kʹ ⟨kʹ⟩
鼻音 ɲ ⟨ñ⟩ n ⟨n⟩ ɳ ⟨ṇ⟩ m ⟨m⟩ ŋ ⟨g⟩
声門化鼻音 ˀɲ ⟨ʼñ⟩ ˀn ⟨ʹn⟩ ˀɳ ⟨ʼṇ⟩ ˀm ⟨ʹm⟩ ˀŋ ⟨ʹg⟩
側面音 ʎ ⟨ľ⟩ l ⟨l⟩ ɭ ⟨ḷ⟩
声門化側面音 ˀʎ ⟨ʼľ⟩ ˀl ⟨ʹl⟩ ˀɭ ⟨ʼḷ⟩
摩擦音 s ⟨s⟩
声門化摩擦音 ˀs ⟨ʹs⟩
弾き音 ɾ ⟨d⟩
接近音 j ⟨y⟩ ɻ ⟨r⟩ w ⟨w⟩
重肺臓気流音 硬口蓋音 歯音 歯茎音 反舌音 唇音 軟口蓋音
長破裂音 cː ⟨jj⟩ t̪ː ⟨tt⟩ ʈː ⟨ṭṭ⟩ pː ⟨pp⟩ kː ⟨kk⟩
長鼻音 ɲː ⟨ññ⟩ nː ⟨nn⟩ ɳː ⟨ṇṇ⟩ mː ⟨mm⟩ ŋː ⟨gg⟩
長側面音 ʎː ⟨ľľ⟩ lː ⟨ll⟩ ɭː ⟨ḷḷ⟩
長摩擦音 sː ⟨ss⟩
前鼻音化破裂音 ᶮɟ ⟨ñj⟩ ⁿd̪ ⟨nt⟩ ᶯɖ ⟨ṇṭ⟩ ᵐb ⟨mp⟩ ᵑɡ ⟨gk⟩
前破裂音化鼻音 ᶜɲ ⟨jñ⟩ ᵗn̪ ⟨tn⟩ ᵗɳ ⟨ṭṇ⟩ ᵖm ⟨pm⟩ ᵏŋ ⟨kg⟩
前側面音化破裂音 ʎɟ ⟨ľj⟩ l̪d̪ ⟨lt⟩ ɭɖ ⟨ḷṭ⟩
前摩擦音化破裂音 sc ⟨sj⟩ s̪t̪ ⟨st⟩ ʂʈ ⟨sṭ⟩ sp ⟨sp⟩ sk ⟨sk⟩
前摩擦音化鼻音 sɲ ⟨sñ⟩ sn ⟨sn⟩ ʂɳ ⟨sṇ⟩ sm ⟨sm⟩ sŋ ⟨sg⟩
前摩擦音化側面音 sʎ ⟨sľ⟩ sl ⟨sl⟩ ʂɭ ⟨sḷ⟩

音韻規則

(C)C(w)V(V)CT
C:子音
V:母音
T:声調

頭子音には全ての子音が来ることができる。
語頭に限り、無子音も来ることができる。
子音接頭辞が付かない限り、語頭に重子音は来ることができない。
半母音は w のみが頭子音と主母音の間に来ることができる。

末子音は語中においては許可された子音連続のみ、
語末においては破裂音・鼻音・側面接近音のみが来ることができる。
それ以外の放出音や声門化鼻音、接近音、吸着音などは来ることができない。

長母音・ニ重母音は末子音・重子音の前に来ることができる。
吸着音の内、歯茎音・反舌音・側面音の後に前舌母音は来ない。
(つまり、歯茎吸着音・反舌吸着音・側面吸着音は前舌母音の語の中に現れない。)

短母音 u, ü の後に接辞で母音が続くと、 w に変化する。
短母音 u, ü ・長母音 uu, üü が続く場合は変化せず、合わせて長母音 uu, üü になる。

短母音 i, ɨ の後に接辞で母音が続くと、 y に変化する。
短母音 i, ɨ ・長母音 ii, ɨɨ が続く場合は変化せず、合わせて長母音 ii, ɨɨ になる。
短母音 ü ・長母音 üü が続く場合は変化せず、間に声門破裂音が挿入される。

それ以外の組み合わせで母音が並んだ場合は、間に声門破裂音が挿入される。

子音に w が続くと半母音になる。
w が2つ並ぶと、 üw, uw になる。

舌頂音(硬口蓋音・歯音・歯茎音・反舌音)に y が続くと、硬口蓋音に変化する。
短子音の場合は長子音になる。
s, ʹs は ss になる。
d は jj になる。
r は y になる。
舌頂音以外の場合は、母音が挿入される。

接辞などによって生じる子音連続の解消については、記事末尾のスプレッドシートを参照。

文法

基本語順はSVOかVSOだが、曖昧さを生まない限り自由である。
ただし格標示を持たないので、自由といっても制約がある。

従属節は基本的に主節の前に来る。
関係節も基本的に主節の前に来るが、結びつきを強めるために係る名詞の周辺に置くこともできる。

名詞クラス

名詞は17個の名詞クラス(内8つは複数形)を持つ。
同じ語幹でも、名詞クラス接頭辞を付け替えることで名詞の意味が変わることがある。
動詞は主語と目的語を表すために、17個の名詞クラスと6つの人称の接頭辞を付ける。
所有は17個の名詞クラスと6つの人称の接尾辞を付ける。

再帰は目的接頭辞と所有接尾辞のみがある。

肯定接頭辞は、
名詞に付ける基本的な接頭辞であり、
動詞に付けて肯定文の主語を表す接頭辞。
目的接頭辞は、
動詞に付けて目的語を表す接頭辞。
否定接頭辞は、
名詞に付けて名詞の否定を表し、
動詞に付けて否定文の主語を表す接頭辞。
所有接尾辞は、
名詞に付けて所有を表す接尾辞である。

肯定 目的 否定 所有
1sg kù- kú- sɨ- -kù 一人称単数
1pe nôi- nói- ranói- -nôi 一人称複数除外
1pi mə́n- mə́n- ramə́n- -mə́n 一人称複数包括
2sg ɨ- (y)ɨ́- rayɨ́- -yɨ 二人称単数
2pl wòm- wóm- rawóm- -wòm 二人称複数
再帰 râa- -rán 再帰
1 a- (y)á- rá- -sǎa 人間、擬人化、親族
2 çə́- çə́- raçə́- -çə́ 1の複数
3 mù- mù- ramù- -mù 木、植物、川
4 uná- uná- runá- -ná 3の複数
5 kói- kói- rakói- -kói 道具、方法、言語、身体部位
6 sòṇ- sòṇ- rasòṇ- -sòṇ 5の複数
7 ḷà- ḷà- raḷà- -ḷà 風習、文化、背景、民族、構成物、身体部位
8 ñóṭ- ñóṭ- rañóṭ- -ñóṭ 7の複数
9 yò- yò- rayò- -yòl 動物、虫、状況、液体
10 lə̂i- lə̂i- ralə̂i- -lə̂i 9の複数
11 kàl- kàl- rakàl- -kàl 細長いもの、棒状のもの
12 ṭǎa- ṭǎa- raṭǎa- -ṭǎa 11の複数
13 pə́k- pə́k- rapə́k- -pə́k 物、果物、成果、賜物、結果
14 ncù- ncù- rancù- -ncù 13の複数
15 ù- (w)ù- rù- -wù 抽象名詞、ありそうもない物、想像上の物、指小辞
16 útɨ- tɨ̂ɨ- rútɨ- -tɨ̂ɨ 15の複数、不可算名詞の複数
17 əlu- əlú- rəlú- -lǔu 準動詞・処格(~で、~に、~へ、~から)

動詞

動詞は、
2つの語彙的アスペクト、
2つの時制、
3つの体、
7つの法、
8つの態を持つ。
語彙的アスペクト・時制・体をあわせて相になる。

接辞の構成は以下である:
肯定/否定-目的語-体-動詞-態-法-時制

主語を表す接頭辞が必ず付く。
主語を表す接頭辞は、肯定文の時は肯定接頭辞を、否定文の時は否定接頭辞を付けて表される。
肯定文か否定文かによって、法接尾辞も変化する。

他動詞の場合は目的語を表す接頭辞が付く。

疑問は、疑問文を作る小辞 kə̌i, kěi で表す。
この小辞は直前の語の母音調和によって変化する。

主語・目的語

主語と目的語を表す、6つの人称と18個の名詞クラスの接頭辞を付ける。
肯定文の場合は、肯定接頭辞を付ける。
否定文の場合は、否定接頭辞を付ける。
他動詞の場合は、目的接頭辞を加えて付ける。

目的語を2つ以上取り得る場合は、どちらか1つを取る。

接頭辞の表は、名詞クラスを参照。

時制・相・法

語彙的アスペクトは継続動詞と瞬間動詞の2つがある。
語彙的アスペクトは単語ごとに決まっており、これによって時制・体の意味が変わってくる。

体は不定体・進行体・状態体の3つがある。

接辞 説明
不定体 ∅- 点的な動作を表す
進行体 yu- 線的な動作の継続を表す。
状態体 tod- 動作の状態を表す。

法を表す接尾辞は、7つの法に肯定・否定の2つの形がある。

肯定 否定 説明
əlu-V-á əlu-V-ín 不定法 名詞的に使われる準動詞。
-a -on 直説法 事実を語る法。
-àyà -kâun 命令法 命令する時に使われる法。否定は禁止を表す。
-tə́lə́ -àntə́əl 条件法 「もし~だったら」のように仮定や条件を言う法。
反実仮想は反実法。
-apù -apòn 反実法 事実と反することを言う法。
反実仮想や起こりそうにないこと。
-sug -asgú 同主法 主節と主語が同じ従属節。
先行詞が主語である関係節にも使われる。
-kòt -ókɨ́nɨ́ 異主法 主節と主語が異なる従属節。
先行詞が主語以外である関係節にも使われる。

時制は非過去時制と過去時制の2つがある。
法接尾辞の後に付けられる。

時制 接辞 説明
非過去 -∅ 現在と未来を表す。
過去 -ta 過去を表す。

時制と体の組み合わせによって相が作られる。
単語それぞれが持つ語彙的アスペクトによってその意味は変わる。

継続動詞 瞬間動詞
不定体非過去 不定相 不定相
継続体非過去 進行相 経過相
状態体非過去 状態相 結果相
不定体過去 過去相 過去相
継続体過去 進行過去相 経過過去相
状態体過去 状態過去相 結果過去相

それぞれの相の説明は以下。

継続動詞
継続動詞 説明
不定体非過去 不定相 現在や未来の点的な動作を表す。
進行体非過去 進行相 現在や未来の動作の継続を表す。
状態体非過去 状態相 現在や未来の動作の状態を表す。
動作の継続よりも、その状態に焦点を当てている。
不定体過去 過去相 過去の点的な動作を表す。
進行や状態に焦点を当てず、単純に過去に起こったことを言う。
進行体過去 進行過去相 過去に動作が継続していたことを表す。
状態体過去 状態過去相 過去にその状態にあったことを表す。

瞬間動詞
瞬間動詞 説明
不定体非過去 不定相 現在や未来の点的な動作を表す。
進行体非過去 経過相 動作が完了していない途中を表す。
状態体非過去 結果相 動作が完了した結果を表す。
【状態】は動作が継続しているのに対して、
【結果】は動作が完了している。
不定体過去 過去相 過去の点的な動作を表す。
進行や状態に焦点を当てず、単純に過去に起こったことを言う。
進行体過去 経過過去相 過去に動作が完了していない途中にあったことを表す。
動作は完了せず未然に終わった。
状態体過去 結果過去相 過去にその状態にあったことを表す。
今はその状態にない。

動詞の派生をする8つの態がある。
反復態を作るには、語幹の最初の音節を繰り返す。

接辞 説明
相互態 -ɨ́lta 主語と目的語が互いに動作を行うことを意味する。
適用態 -poṭa 誰かの目的・利益のために行うことを意味する。
可能態 -əda 可能的な意味で派生する。
単純な可能は可能を意味する独立した動詞を使う。
受動態 -wa 目的語を主語にする。受身を意味する。
使役態 -ɨca 使役的な意味で派生する。例:「知る」→「教える」
単純な使役は使役を意味する独立した動詞を使う。
強意態 -rə̀ka 強く・集中して動作を行うことを意味する。
意欲態 -yóla 希望・願望を表す。
反復態 語幹の重複 動作の繰り返しを意味する。

疑問

疑問文を作るには、疑問小辞 kə̌i, kěi を置く。
直前の語の母音調和によってどちらの形を使うかが決まる。
主に文末に置かれるが、特に疑問の対象であることを強調したい語の直前に置くこともできる。
疑問詞疑問文でも、疑問を強調する場合は疑問小辞も使われる。

疑問詞は疑問代名詞 -qàal が使われる。
名詞クラスによって、「誰」・「何」・「どこ」の意味で使われる。
詳しくは代名詞を参照。

疑問詞を文頭に置く必要はない。
曖昧さを生まない限り自由である。

関係節

関係節には同主法・異主法を使う。
先行詞が主語なら同主法、それ以外なら異主法になる。
先行詞と同じ名詞クラスの所有接尾辞を関係節の動詞に付ける。

証拠性

下記の動詞を使って証拠性を表せる。
中心的な文は従属節に置かれ、
一人称が主語なら同主法、
それ以外なら異主法になる。
主節(証拠性を表す文)の動詞には一人称接頭辞を付けるが、接頭辞を省略することもできる。

証拠性 動詞 説明
客観 -tùda 断定、客観的事実。
観察 -mə́iqa 観察、様子。主観的事実。
伝聞 -têenä 伝聞。
体感 -lóoja 体感、感触。
推測 -ṇòra 推測・推量、考え。

否定

主語を表す接頭辞を肯定接頭辞から否定接頭辞に変え、法接尾辞を肯定から否定に変える。
本来的に否定の意味を持つ動詞がいくつかあり、それらの動詞は意味的には否定でも肯定接頭辞を付ける。

移動動詞

移動動詞は、
処格が起点を表すか、着点を表すか、
徒歩による移動か、乗り物による移動かによって別の動詞を使う。

移動動詞 定/不定 着点 起点 説明
徒歩 定向 -lä -qa 徒歩で単発の移動
不定向 -la̋lä 徒歩で反復的な移動
乗り物 定向 -xűllä -xúna 乗り物で単発の移動
不定向 -xűgxűllä 乗り物で反復的な移動

名詞

名詞は、18の名詞クラスを持ち、格変化などは持たない。
名詞に接辞を加えて、「(名詞)である」を意味するコピュラ動詞を作ることができる。
所有は、所有者の名詞クラスに対応する接尾辞を付けて表される。

処格

処格はクラス17で表され、場所に関する多様な意味を持つ。
主に、静止・起点・着点の3つに分けられる。
静止は日本語の「~で」のように、静止した地点を表す。
起点は日本語の「~から」のように、出発地点を表す。
着点は日本語の「~に」・「~へ」のように、目的地点を表す。

どの意味で取るかは、動詞や文脈によって変わる。

コピュラ動詞

独立したコピュラが存在しない代わりに、名詞をコピュラ動詞にすることができる。
コピュラ動詞は動詞と同じように活用する。
コピュラ動詞の主語はコピュラ文の主語である。

コピュラ動詞を作るには、名詞クラス接頭辞を外して語頭に s- を付け、法接尾辞を付ける。
例:
yòmü̂üs > -smü̂üsä

所有

所有は、所有者の名詞クラスに対応する所有接尾辞を付けて表される。
所有されている名詞をコピュラ動詞にする場合は、動詞接尾辞の最後に所有接尾辞を付ける。

形容詞

係る名詞と同じ名詞クラスの接頭辞を付ける。
肯定接頭辞なら肯定、
否定接頭辞なら否定である。

動詞のような相や法を持たない。
相や法を表現したい時は、名詞と同じようにコピュラ動詞を作る。

他の言語で形容詞によって表される概念が動詞で表されることがある。

代名詞

代名詞は -tán, -sùu, -lěek, -qàal に名詞クラス接頭辞を付けて作られる。

代名詞 説明
近称 -tán 話し手に近い。どちらからも近い。
中称 -sùu 聞き手に近い。
遠称 -lěek どちらからも遠い。
疑問 -qàal 疑問を表す。

一人称は基本的に近称、二人称は基本的に中称であるが、
ニュアンスのためにそれに反する近さが使われることもある。

また、代名詞は形容詞的にも使われ、係る名詞と同じ名詞クラスを取る。

副詞

副詞は語形変化を持たない。
基本的に文のどこにでも置くことができる。
強調やニュアンスのため・曖昧さを防ぐために置く位置を変えられる。
主に直後の語に強く結びつき、副詞より前の語にはあまり結びつかない。
文末に置くと文全体にゆるく係る。

辞書・リンク

ZpDIC
辞書。
あまり造語する余裕がなかった。

スプレッドシート
制作中の整理に使用したスプレッドシートのコピー。

元ネタ

音韻

アランダ語をベースに吸着音を混ぜて母音調和を足しました。
元々アランダ語の子音を概ね踏襲していましたが、途中でVertical vowel systemを廃したので種類をいくらか減らしました。
舌尖吸着音が後舌母音の前にしか来ないのは、Wikipediaに書いてあったことを参考にしました。

文法

人称・名詞クラスはバントゥー諸語(特にズールー語)をベースにしました。
動詞派生もズールー語を参考にしました。
相は西日本方言の「する」・「しとる」・「しよる」を元にしました。
法は直説法・命令法・条件法・反実法に加えて、同主法・異主法はグリーンランド語をベースにしました。
移動動詞はロシア語を元にしました。
側面吸着音がヨーロッパで馬を走り出させるために使われるところから乗り物による移動を表す動詞を作ったところ、ロシア語の移動動詞が頭を過ぎったので、
調べてみると定向・不定向を反復態で表わせそうだったのでこうしました。

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