※この記事に出てくる例文は英語またはシュゾタイズ語及びその両方で書かれています(そして短い記事です)(そして雑です)
そもそも受動態って?
皆さん御存知の通り、受動態とは一般的に「主語が動作を受ける」文のことです。
対義語は能動態ですね。
能動態とは「主語が動作をする」文です。
受動態を使う理由はいくつかあります。
1.(能動態の文での)目的語を強調するため
次の文を見てください
I ate an apple.
An apple was eaten by me.
典型的な能動態・受動態の文ですね。これら二つの文を比べると、
1つ目の文では"I"が主語であり、「リンゴを食べること」が話の中心である。
2つ目の文では"An apple"が主語であり「私に食べられること」が話の中心である。
つまりこれらの文は言っていることが同じでも「話者が何をメインに伝えたいか」が違うのです。
2.主語を省略するため
これは能動態の文で主語を省略できない言語限定になりますが、
I was frightened
これは"frighten"「怖がらせる」という動詞を受動態にした文です。
これを能動態の文に書き換えようとすると、「誰が怖がらせたのか」という情報が必要になってきます。
じゃあなんで受動態が不要なの?
前述の通り、能動態の文は「主語が動作をする」文です。
ということは、「目的語が動作を受ける文」です。
つまり、次のような受動態の文、
I was frightened
を、
___ frightened me
のような主語を省略した能動態の文で表せるのでは?という話です。
例文
I ate an apple.
Xy pome mateqoo'd.
xy:私(主格) pome:リンゴ(目的格) mateqoo'd:食べた(述格過去形)
能動態の基本の文です。
An apple was eaten by me.
Pome xy mateqoo'd.
このような動作をするモノと動作を受ける対象が両方揃っているときは、シュゾタイズ語では語順で(この場合はリンゴを)強調します。
This shop is loved.
Cetea magzone aimoo.
cetea magzone(目的格) aimoo:好む(述格現在形)
この例文では「この店」が誰に好まれているかが書かれていません。
シュゾタイズ語の例文を直訳すると、
その店を好む。
となり、主語が省略された能動態として書かれており、これによって受動的な文を表しているのです。
人工言語作成者の皆さん、受動態のために新しく文法を作る必要はないのかもしれません。
新しい順のコメント(1)
この方式をとる場合、基本語順がSVOなら文頭(節頭?)がVで始まるだけで受動態ということがわかっていいですね。いっぽうで、VSOやSOVの場合は(Sを略すとVOが残ってしまうが、SもOも名詞であり品詞上のふるまいは同じなので)格などによってSとOが区別できる必要がありそうです。
あとは命令文との兼ね合いですかね。英語のように動詞に固有の命令形があるわけでもなく動詞はじまりの文で命令文をつくるような構文は今回の方法とは共存できませんね。語順依存のアプローチは一度に複数の情報を埋め込むには不向きということかも。