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矛盾と混沌
矛盾と混沌

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ぺろりんちょ英語

[任意の曖昧さを込めた挨拶]!矛盾と混沌です。
英語って難しいですよね。まず発音からして結構異端児と言っても良いのです。フランスだったかドイツだったかの昔の人が英語の発音の感じは周りと違いすぎるって言ったような言ってなかったような記憶が多分存在してる気がします。(←ぼかしすぎ)

そして、世界言語である偉大なる英語様閣下には沢山の方言があらせられますよね…イギリス英語、アメリカ英語、オーストラリア英語、インド英語、シンガポール英語などなど…かつて太陽系第三惑星全体に絶大な影響力を持ったグレートブリテンおよび北アイルランド連合王国ちゃん、そして惑星上どころかインターネット★サイバーワールド全体に今現在強い影響力を持っているアメリカ合衆国ちゃんのおかげで、この惑星全体に広まった英語は当然のように沢山の子孫(兄弟?)を生み出しているのです!

しかも嬉しい♡ことに、その方言たちもお互いの間に沢山の異なりを持ちます。例えばアメリカ英語に特徴的なフラッピング、/h/が脱落するコックニーオーストラリア英語では/eɪ/が[aɪ~æɪ]になる…また発音だけではなく文法にも違いがそれぞれあるといいます。さすが方言ですね!

話は変わりますが、全ての人間はかわいいものが好きです。1
私も人間なので2かわいいものが大好きなのですが、この前古典ぺろりんちょ語という記事を書きました。あれはかわいさを求めすぎるがゆえに人工言語にしてしまったというものです。ぺろりんちょ語の話者たちはみんな可愛くしゃべるんですよ。

もちろん彼等…Phorpocos (ぽんぽこ) が話す英語の方言も、かわいいんです。

前提知識:Phorpocos (ぽんぽこ) 共和国の歴史

Phorpocos (ぽんぽこ) は、古代よりアナトリア半島北部に居住する民族であり、民族に固有の言語であるPhailo-Linchios (ぺろりんちょ) を話す。
その民族系統は未解明な部分が多いが、Phailo-Linchios語の成り立ちは先住民語ギリシア語との間での接触によるという説が現在有力である。

ポンポコ人の活動が確認されるのは前6世紀以降である。古代ポンポコ人は周辺のギリシア人と同じようにポリスと呼ばれる都市国家を築いた。しかし政治体制はギリシアに比べて民主制の発展は見られず、紀元1世紀までは王政だった。
ポンポコ人もギリシア人と同様、植民活動を行った。ポンポコ人の勢力拡大と共に、一時期はギリシャ語(コイネー)に対抗して東地中海地方の共通語となる勢いを見せた。

Eusapeon (うさぴょん) 暗黒時代(紀元前2世紀~紀元前1世紀中頃)と呼ばれる時代には、Eusapeon (うさぴょん) —文字通り解釈すると大魔王—を名乗る専制君主が強力で苛烈な支配を続けながらも、国家としては栄えた
全盛期の王Procospius (ぴょこっぴー) 当時地中海全域を支配をめざしていた共和制ローマに半従属し、おそらく彼自身が半分ローマ人の血を引いていたためか部分的にラテン文字を取り入れる(ラテン文字で書かれた碑文が有名)など多くの事業を行ったが、英雄とされるVolorsacos (ぼろざっこ) とその仲間によって暗殺される。この様子が描かれているのが有名な民族叙事詩Varc-desaïr (ばっかださいー) である。
ピョコッピー暗殺後はまとめて一つのローマの属州となり、Thesteces (てってけ) 時代(紀元前1世紀中頃から3世紀)と呼ばれる時代となる。この時代は属州として戦乱にも巻き込まれることは少なかったが、収奪が激しく民衆は疲弊した。
この時代にはキリスト教徒も少なからず国内にいたと言われているが、未だに伝統宗教が主流だった。

3世紀、ローマから独立したパルミラ帝国に隣国のポントス属州は敗北し一時組み込まれたのに対しポンポコ属州はよく抵抗しパルミラが再征服されるまで持ちこたえることができた。しかし兵力の損失やそののちのディオクレティアヌス帝による属州の細分化、さらにテオドシウス1世のキリスト教の国教化ににより、かろうじて保たれていた伝統宗教は衰退にさらされ安定の時代は終わった。

東ローマ帝国成立後は、首都コンスタンティノープルと地理的に近かったこともあり初期は帝国からの影響が強かったが、ユスティニアヌス1世が多神教を弾圧したころから関係は悪化し、イスラム教徒との戦いが多かったのもあり軍事徴発の負担は重く不満は溜まっていった。ニネヴェの戦いに従軍して戦果を挙げたとされるポンポコ人の英雄Niusgelus (にーげる) が戦いののち故郷に帰って630年に反乱を起こす(ニーゲルの乱)も、追討軍との戦いが始まる直前に敵前逃亡し、1年間逃げたもののついには処刑されたことが記録に残っている。テマ制が成立すると段々と自立の傾向を強めていった。

11世紀、セルジューク朝が進出してくると、ついに1071年マンジケルトの戦いの直後東ローマ帝国より独立・セルジューク朝に服属し、これ以降東ローマ帝国の版図から外れた。このころの宗教は完全にキリスト教(とユダヤ教)だったため、ポンポコは人頭税を払うこととなった。しかし、第一回十字軍の時代にセルジューク朝と東ローマの戦線に挟まれ戦場となり民衆が虐殺された事件の後、東ローマ帝国そして教会への信頼は地に落ちた。キリスト教の信仰は認められていたとはいえども、イスラム教徒にはジズヤ免除などの優遇もあったためイスラム教への改宗が自然と進んでいった。

14世紀オスマン帝国が成立するとオスマン帝国に服属し、信仰の自由は認められた比較的安定した時代に入る(Osmanma-aionas (おまんまよな) )。この時代にはトルコ・ペルシア・アラブの文化と言語が流入して、習慣もペロリンチョ語の語彙も大きく塗り替えられた。(例:ペロリンチョcus () (鳥)<トルコ語kuş)

しかし、19世紀になるとアラブやギリシアと同様民族主義が高まりはじめる。ポンポコはギリシア独立戦争の際は歴史的経緯からギリシア側として戦うことは無かったが、むしろオスマン帝国との直接的な戦いではなくイギリスやロシアの支援を最大限に取り付けてから戦うべきだと当時の政治家Promsulundras (ぴょんするんじゃ) は主張して、イギリスとの秘密外交—「独立した暁にはViseonules (びしょぬれ) 港を譲渡する」など―を行ったと言われている。またイギリスに使節を秘密裏に派遣し、英国の進んだ産業と文化、そして世界語の地位を得始めた英語を持ち帰った。その後もイギリスの書物を輸入し英語を理解し話せる知識人を増やした。

ペロリンチョ英語の成立

1919年、ついにオスマン帝国からの独立を果たす。しかし周辺諸国の政情不安と前々からの密約により英国の保護国となった。貿易相手は19世紀の頃から変わらずイギリスがほぼ独占、内政にも要職を親英派のみで固めるなど干渉を行った。(親英派のみで固めたことについては、元々知識人のほとんどがイギリス流の政治学や科学に従っていたためどうしてもそうなるともいわれる)またイギリス軍の基地も作られ、完全なる主権国家とは言えない状況にあった。

このときから全国民に英語教育が義務となり、英語が知識人から広まり始めた。しかし留学経験のあるものも英語圏出身の教師もほぼいなかったため、英語で書かれた教科書をポンポコ人の教師が教えるという体制がとられた。幸いなことに昔からラテン文字の伝統があるため、トルコのようなラテン文字への移行改革は経なかったが、それが逆にあだとなり「ペロリンチョ式綴り」と呼ばれる読みと綴りの乖離が非常に激しい綴りに教師も皆慣れていたため、英語もペロリンチョ語読みがなされるなど初期から混乱があった。このとき、民族主義の高まりがあったとはいえイギリスの保護国という状況のため英国からの移民もおおくトルコなど周りの国ほど排他的になるわけにもいかず政治や学問は引き続き英語で行われていたため英語はどうしても必要なものとなり、発音の矯正より早くペロリンチョ読みのまま英語は広がっていった。この状況を当時のイギリス人ビショヌレ港提督マイク・ネーコはこう語っている。

彼等は英語を話そうという情熱にかけては誰よりも優れた民族だが、なにぶん文字の綴りを理解していない。

第二次世界大戦後1960年に完全な自治を得たが、ペロリンチョ英語は今でも第二言語として話せる人が多い。近年はインターネットの普及により国民にもアメリカやイギリスの英語に触れる機会が増えたが、国民はいまやペロリンチョ英語を誇りに思っているのだ。

ペロリンチョ英語の音韻

両唇 唇歯 歯茎 後部歯茎 硬口蓋 軟口蓋 声門
破裂音 p,b t,d k,g
破擦音 tʃ dʒ
摩擦音 s,z ʃ h
鼻音 m n
接近音 r l[ʎ~lʲ]
前舌 中舌 後舌
狭母音 i,iː u,uː
半狭~半広母音 e,eː o,oː
広母音 a,aː

音価
音素は上に上げた表のとおりであるが、それぞれに対応する音価は予想されるものとかなり異なっていると言える。

母音

五母音であり、日本英語とほぼ同じ読み方をすればよい。

破裂音

全ての音節末の破裂音➝音節末・語末で脱落あるいは声門音[ʔ]、リエゾンなし
脱落するときに後続の阻害音の長音化を引き起こす。

ex.cat [kʲa(ʔ)]、got it [ˈˀkoʔ.iʔ]3

音素 /b,d,g,dʒ/➝語頭で声門化音として、語中で有声音あるいは調音位置に対応する鼻音として発音
・語頭[ˀp][ˀt][ˀk][ˀtʃ]、語中[b][d][g][dʒ]

ex.demon [ˈˀte.mʲon]~[ˈˀte.mʲoŋ]

摩擦音

音素 /s,ʃ,z/➝後ろに子音があるとき脱落(後ろの阻害音を長音化することも),語末で[h]または脱落**

音素 /v/➝語頭で[b]、語中でwʊ、語末で[ʊ](次の語が鼻音だと[m]になる話者も)**

ex.You guys have mastered this.[jʊ.ˈkaɪ(h) haʊ(m) ˈma.tːaː(ʔ) ˀtʲi(h)]、start[ˀtaːʔ]

ちなみにもともとの英語の/ʒ/は/dʒ/に収束している。

鼻音化規則

有声子音は阻害音・鼻音の前で鼻音になる。話者によっては語末でも。
ex. observe [om.ˈzaːʊ]、alternative[on.ˈta(n).na.tiʊ]

口蓋化規則

/tʃ,dʒ,ʃ,l/以外の音素は特定の条件で硬口蓋化する。

条件1.子音/r,l/が後続するとき
ex.class[kʲa(h)]、project[ˈpʲo.ʒeʔ](名詞)
条件2.母音/e,i/から始まる母音連続(eo,iaなど)が後続するとき(綴り字発音のときも)
ex.bear[ˀpʲaː],video[ˈbi.dʲoː]~[ˈbi.dʒoː]
条件3.(話者による)前の音節の母音が/e,i/
ex.letter[ˈle.tʲaː]

ぺろりんちょ英語の綴りの読み方

都市部では基本的に「綴り➝音素」の変換はアメリカ・イギリス英語のそれに近いが、都市部を除けば綴り字発音をする話者が多い。

ex.tea[tʲiː]~[tʃiː](都市部)、[tʲaː]~[tʃaː](農村部、海岸部)

また、音節末の"r"・"l"がどう変換されるかも都市部と農村部で異なるが、いずれも若い世代は前の母音を長音化する話者が多い。

ex.car[kaː]~[kan]、girl[ˀkaː]~[ˀkaːɲ]

文法

過去形標識-edが発音上脱落するため、現在完了形を用いて過去を表すことが多い。また、三人称単数現在の-sはないことが多い。
itのかわりにthatがつかわれやすい。

単語

ぺろりんちょ英語にはぺろりんちょ語由来の単語が入ることも多い。

I speek English well. But I cannot graphem that well. Yeah, apoca that chuilas spelling rule.
あい っぴーっ いんり うぇー。 っぱっ あい かのっ ぎゃふん だっ うぇー。やー、あぽか だっ ちーら っぺりん るー。

graph = write, apoca = because/because of, chuilas = bad

例文

~ポンポコ共和国、第二の都市ビショヌレにて~

[Abram(あびゃん)]
Abram(あびゃん)
Hi! Are you a tourist? Welcome to our country!
はい!あーゆーあとぅり? うぇんかんとあわかんち!
[矛盾と混沌]
矛盾と混沌
Hello! Yes, I am a tourist, Mujun-Konton. I am from Japan.
はろ! いぇ、あいあんあとぅり、むじゅんこんとん。あいあんぴょん っちゃぱん。
[Abram(あびゃん)]
Abram(あびゃん)
Wow! You speak phailo-linchios english well! By the way, may I help you?
わう!ゆっぴーっぺろりんちょいんりうぇん! ぱいたうぇ、めいあいへんゆー?
[矛盾と混沌]
矛盾と混沌
Well, I would like to eat something famous here. Is there any good restaurant?
うぇん、 あいうんらいっといーっ さんちんぺいま ひゃ。いってあ えに っくっ れっとらん?
[Abram(あびゃん)]
Abram(あびゃん)
Yes, I recommend you that restaurant over there. That's onoma is "Niusgelun-dagos". You can eat delicious lunch there.
いぇ、あいれこめんゆ ったっれっとらんおわってあ。ったっおのまい「にーげるんだよ」。ゆーかんいーっってりしゃらんってあ。
[矛盾と混沌]
矛盾と混沌
Thank you very much! Hoşça kalın!4
たんきゅべりまっ!ほっちゃかるん!

以上です。ここまでお読みくださりありがとうございました!


  1. 古代ギリシアの哲学者キュンデスの演説より 

  2. 人間ですよ!? 

  3. got itのようなスラングはグローバル化によりアメリカ英語の[gɑɾ ɪt]で発音されることも多い。 

  4. トルコ語の「さようなら」 

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