動詞が無い言語を幾つも試してきました。
過去の言語
1.Haltamila語
~存在、移動と因果~
品詞:名詞/(名詞派生)副詞、修飾詞 /(機能語)否定、疑問詞、接続詞、分岐、節の名詞化
見た目は芸術言語志向。品詞が増えて膠着的でけっこう複雑になった。記事の中で「他の言語はみな複雑化を免れてない」って言ってるけどこの言語自身も複雑化してるなあ
c,quで/k/みたいなロマンスな綴り&アキュートアクセントで長母音というお洒落さを持つ。
2.述語なし特殊抱合言語
~状態・動きベースの5つの基本格+特殊な名詞派生~
最短圧縮言語を目標に作られました。
品詞:???…この言語は単語同士を分かち書きせず、ひとまとまりで発音される。
Sförč'irgak'. 彼らは6日後にりんごを食べる.
怖いだろー
語根がすべて子音クラスタ(イスクイル的)なのもありコンパクト。
出来事における事物・物体それぞれについて・起点格・動格・向格・原因格(能格)・背景格(副詞格)を割り当てることで動詞が無くてもなんとなく読み取れるようになっている。最短圧縮にする言語という目的もあり縮約や派生格も多い超複雑な言語。
3. 新しく作ってみます:Paiq
Paiqは上二つの言語がそれぞれ芸術言語、圧縮言語(実験言語)だったのに対してこれは論理言語にしようとおもいます。
品詞:名詞、統語機能語のみ
格:無し。
~A Bで「AのB」を表すだけ~
文法や音韻は最小限に、明確に。とりあえず以下に「全て」を示します。(語彙派生みたいな語彙面は置いてません)
| 文法種類 | 何が | 何 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 音素クラス | C:頭子音 | p t k c b d g j f s x v z m n r l | x[ʃ] c[tʃ] j[dʒ] r[ɹ] |
| 〃 | G:半母音 | i u | 半母音か母音かは周りとの関係で区別 |
| 〃 | V:母音 | a e i o u y | y[ə̯] |
| 〃 | N:末子音 | m n | |
| 〃 | T:声調 | 無標 h q | 無標:高調/ただしy[ə̯]の音節は軽声、h:降調、q:上昇調 |
| 音節 | 音節 | (C)(G)V(G)(N)T | |
| 〃 | 音節内での禁則連続 | ii uu ciV jiV xiV fuV vuV | |
| 形態 | 接辞の形態 | Cy | 軽声 |
| 〃 | 統語機能語の形態 | V | 高調 |
| 〃 | 語根の形態 | 上記以外 | |
| 〃 | 語の形態 | (ゼロ個以上の接辞)+語根 | 語の前後には空白 |
| 統語 | 句 | 語 + 語 +… | 前の語が以降の語を内包・所有・接触する。述語と項の関係はない |
| 〃 | その語が直後の語と並列のとき | 1語句 u | X Y u ZでX(Y, Z) |
| 〃 | その句が直後の句と並列のとき | e 句 o | X e Y Z o WでX(Y(Z), W) |
| 〃 | その句が原因で次の句が起きるとき | 句 i 句… | 〜なので、〜のとき、〜ならば |
| 〃 | 文末記号 | .か?か! | |
| 接辞適用 | 接辞方向 | 左から右 | |
| 〃 | 接辞の適用対象 | その語とその語に内包される全ての語を含む構造全体 | dyX Yは「『Yを内包するXに存在する』という性質」 |
| 接辞:相 | 登場相 | ky- | 来る、現れる |
| 〃 | 退場相 | ly- | 去る、消える |
| 〃 | 無相 | zy- | 無い、いない |
| 接辞:派生 | 存在派生 | dy- | その語根を場所/所有者として存在するという事実/性質 |
| 〃 | 所有派生 | ny- | その語根が所有するものであるという事実/性質 |
| 〃 | 性質派生 | my- | その語根であるという事実/性質 |
| 〃 | 情報派生 | ty- | その語根についての情報 |
| 〃 | 数派生 | by- | その語根が意味する数量であるという事実/性質 |
| 接辞:数量 | 複数 | sy- | 複数 |
| 〃 | 全数 | fy- | 全て |
| 具体的な語 | 不明な物 | on | 疑問詞 |
| 〃 | 不明事実 | aq | 疑問文化それ以降が事実かを問う |
| 〃 | 義務、願望 | ah | 命令形 |
| 〃 | 禁止 | uh | 禁止形 |
| 〃 | 一人称、二人称、三人称、指示詞 | an, in, un, en |
以上です。それぞれを解説していきましょう!
音韻
音韻は上の表を見ればわかる通り
子音+半母音+母音+半母音+末子音+声調 (母音と声調は必須)
声調はラテン文字で表し
無表記:高声調(55), -h:降調(51), -q:上昇調(15)
特筆すべき音価は
x[ʃ] c[tʃ] j[dʒ] r[ɹ] y[ə̯], そしてiとuが場所次第で半母音として発音されることもあること
文法
この言語で一番大事な原則、それは「前の語は、それ以降の語を内包する」というものです。日本語の単語を使って例えると
家 猫。「家に猫がいる」
高次元空間 椅子 下 アラビア半島。「十次元空間では椅子の下にアラビア半島がある」
みたいな感じ。
これに「派生」と「相」を加えると、何でも言えるようになります。
ここで言う相とは「名詞の状態」のことです。
家 登場相-猫。「家に猫が来る/家で猫が生まれる」
家 無相-猫。「家に猫がいない」
「派生」は名詞の意味を基に、性質や数などに変えます。
アメリカ 国。「アメリカには国がある」
↓
アメリカ 性質派生-国。「アメリカには国であるという性質がある。=アメリカは国である。」
このようにすれば怖い物はもうありません!多分。
どのような相・派生が他にあるかは、先ほどの表を見ていただければわかるとは思いますが、以下のようなものがありますわよ。ついでに数もおまけしときます
登場相 ky- 来る、現れる
退場相 ly- 去る、消える
無相 zy- 無い、いない
存在派生 dy- その語根を場所/所有者として存在するという事実/性質
所有派生 ny- その語根が所有するものであるという事実/性質
性質派生 my- その語根であるという事実/性質
情報派生 ty- その語根についての情報
数派生 by- その語根が意味する数量であるという事実/性質
複数 sy- 複数
全数 fy- 全て
発展
uを間に挟むと並列になります。
猫 u 犬 毛「猫と犬には毛がある」
eとoで挟むと修飾のように使えます。
猫 e 頭 赤 o 腹 魚「猫(頭が赤い)が魚を食べる」
iを文の間に挟むと、因果関係を示します。
家 退場相-猫 口 魚 i 栄螺 無相-靴 u 動き 速さ「猫が口に魚を加えて家から逃げると靴のない栄螺が走る」
単語例
raih「人」、giain「りんご」、niai「猫」、kaum「家」、doumq「涙」、tiuq「拳」、ko「意志」、buo「腹」、tuaq「明日」
例文
Tuaq raih buo kygiain.
[tua¹⁵ ɹaɪ⁵¹ bʷo⁵⁵ kə̯.gʲaɪn⁵⁵]
明日 人 腹 登場相-リンゴ
「明日、人はリンゴを食べる。」kaum kymynyan.
[kaʊm⁵⁵ kə̯.mə̯.nə̯.an⁵⁵]
家 登場相-性質-所有物性-私
「家は私の物になる。」In doumq i in lytiuq nyan!
[in⁵⁵ doʊm¹⁵ i⁵⁵ lə̯tʲu¹⁵ nə̯.an⁵⁵ ]
「貴方が泣けば殴るのをやめる!」
まとめ
動詞が無い言語チャレンジ、今回は論理性となるべくシンプルにすることを求めてみました。さらにシンプルさを狙うなら括弧構造の改善や派生や相を削る事ができるかも。
皆も作ってみよう!!

人気順のコメント(0)