こんにちは!Phelzmyです。
今回はどんな言語でも一貫して分析できる、従来の文法理論よりもシンプルで機能的であることを目指した文法理論についての話をします。
今回の記事では、今までの品詞理論に代わる「体用飾構造論」という理論を提唱します。
理論の要点まとめ
従来の品詞理論は「名詞・動詞・形容詞」といった分類に依存しており、言語間で対応しないことが多く、構造的な説明力に限界がありました。
「体用飾構造論」は、わずか5つの詞カテゴリー(体用飾で3つの基本品詞 + 2つの独立品詞)の概念を用いて、あらゆる言語の複雑な構造を機能的な入れ子構造として説明する新しい理論です。
「体・用・飾」の名称は日本の伝統文法(体言・用言・修飾語)にヒントを得ていますが、その定義は機能中心に刷新し、世界の言語に適用できるように一般化しています。
5つの「詞」
この理論では、5つの「詞」を扱います。
・体詞: 「存在・実体」を表し、語の核となる。文中では「格」を伴って連用飾詞となる。(例: ねこ、家、Phelzmy)
・用詞: 「動作・状態」を表し、文の中心となる。静用詞、動用詞に細分される。
・静用詞: 状態を表す用詞。(例: 居る、実用的だ)
・動用詞: 動作を表す用詞。(例: 歩く、叫ぶ)
・飾詞: 常に他の語に従属する依存的な語。連体飾詞、連用飾詞、連飾飾詞に細分される。
・連体飾詞: 体詞にかかる飾詞。(例: 「かわいい」ねこ、「大きな」家)
・連用飾詞: 用詞にかかる飾詞。(例: 「たまに」デレる、「とても」静かだ)
・連飾飾詞: 飾詞にかかる飾詞。(例: 「ちょっと」不思議な、「たいそう」大きな)
・繋詞(並立・選択): 語句を対等に並べる。(例: と、もしくは、や)
・独詞: 文の構造の外側にある独立した語。かかったり、かかられたりしない。(例: おや、こんにちは、ズモモモモ)
「格」とは、名詞が連用飾詞になるときに伴う変化(つまり名詞が文中でどんな役割を持つかを示す変化)のことです。
日本語では接辞(助詞)で示されますが、言語によっては語形変化(屈折)や語順によって示されます。
例えば、「ねこ『は』→かわいい」、「ねこ『を』→吸った」などでは、「ねこ(体詞)」が、接辞「は」・「を」を伴うことで「かわいい」・「吸った」という用詞にかかる飾詞、つまり連用飾詞に変化しています。この「は」・「を」の変化が「格」です。
これら5つの「詞」が入れ子構造になることで文法を説明することができます。
英文で考えてみる
この理論を使うことには利点があります。
例えば、「I am tired.」という文があったとします。
この文の「tired」って、何詞かわかりにくいですよね。
「tire」の過去分詞形だから動詞かもしれないし、「どのように」を表す副詞かもしれない(ドアは「閉められた状態で」ある)し、SVCだから形容詞かもしれない(文法的には形容詞です)。
つまり、今までの品詞理論には限界があったわけです。
それに対し、この理論で分析すると、次のような明確な構造になります:
[ is (用詞)]←[[ tire (用詞)]-d(連用飾詞化)]
ここで「tire」という用詞が、用詞を静的状態に変化させる機能を持つ「-d」という接辞を伴って連用飾詞化し、「is(用詞)」にかかる構造をとります。
こうした分析により、文全体の機能的な関係が明確になるのです。
この理論を使えば、文法を「単語の分類」ではなく「機能と構造の関係」としてとらえることができます。
ぜひ、皆さんもいろいろな言語に当てはめて試したり図を書いたりして遊んでみてくださいね。
ではまた〜!Taÿpfona!!
古い順のコメント(4)
時間型言語の説明には使えなさそう(空間型言語の説明には使えそう)……。
存在や実体は文の中心になり、行為・状態・変化・発生は語の核となる言語を内包しているせいですが……。
その視点はなかったです😯
確かにそういうタイプの言語だと使えなだそうですねー
この「詞」という分類は語の意味ごとに固定でしょうか?
動きなら用詞にしかなり得ないの様な感じでしょうか?
「詞」は文中での機能によって固定されます。
あなたの解釈で間違いないと思われます!