2022年のアドヴェントカレンダーに載せた「未公開自言語で言オリ」ですが、あの形式が言語の紹介に意外と便利かもしれないので、このままシリーズ化してしまおうと考えました。
前回の記事で基礎的な文法はあらかた解説できたかなと思いますが、改めて順番に、詳しくやっていきます。とりあえず第一課としてコピュラから。
第一課 コピュラ
1-1 コピュラ:sen
コピュラと呼ばれる動詞senがあります。senは、「セーン(sɛːn)」と読み、「ある」「いる」などを意味します。
(例)
zet ikh sen. 私はここにいる。(ikh = [代名詞]私(一人称単数))
denen sent. 家がある。(denen = [名詞]家)
上の例文のように副詞や前置詞と組み合わせて「〜にいる」という表現もできます。
senは現在形といって、現在の状態を指します。人称によって活用し、
一人称:sen 二人称:sens 三人称:sent
となります。
もとのsenにsかtを足すという形になっていますが、この「二人称:-s 三人称:-t」という組み合わせはベーレン語の人称変化そのものの基本になるので覚えておくと楽です。
問題1 「彼(ji)はここにいる」をベーレン語に直しなさい。
解答
zet ji sent.
※ji = [代名詞]彼、彼女、あの子(三人称単数)
zet = [副詞]ここで、ここに
問題2 「en denen'el ikh sen.」の和訳の空欄を埋めなさい。
私は家の中に( )。
解答
私は家の中にいる。
※en = [前置詞]〜の中で、中に
1-2 コピュラ:zen
senの主語が複数であることを強調する場合は、代わりにコピュラ動詞zenを使います。zenは「ゼーン(zɛːn)」と読みます。
活用はsenと同じように
一人称:zen 二人称:zens 三人称:zent
です。
(例)
en Nipon'el vi zen. 私達は日本にいる。(vi = [代名詞]私達(一人称複数))
問題3 「彼ら(zal)はここにいる」をベーレン語に直しなさい。
解答
zet zal zent.
※zal = [代名詞]彼ら、彼女ら、あの人達(三人称複数)
1-3 コピュラ:vihh
現在を表すsenに対し、過去を表すのがコピュラ動詞vihh(ヴィーヒ/viːç)です。
これもまた活用は例にならって
一人称:vihh 二人称:vihhs 三人称:vihht
です。
(例)
zet ikh vihh. 私はここにいた。
zem ji vihht. 彼はあそこにいた。(zem = [指示語]あそこ、あっち)
問題4 「あなた(zü)はあそこにいた」をベーレン語に直しなさい。
解答
zem zü vihhs.
※zü = [代名詞]あなた、君(二人称単数)
1-4 コピュラ:fef
未来を表すコピュラ動詞はfef(フェーフ/fɛːf)です。
未来は完全には分からないので多少曖昧な表現ではありますが、ある程度確信のある未来に対して使います。
訳は単に「ある(いる)」としたり、「あるだろう」とするのが主です。一人称の場合は意志も多少入り、「いるつもり」とすることもあります。
活用は
一人称:fef 二人称:fefs 三人称:feft
です。
(例)
gufen zem ikh fef. 私は明日あそこにいるだろう。
問題5 「彼(ji)は明日ここにいるだろう」を和訳しなさい。
解答
gufen zet ji feft.
まとめ
コピュラは「ある」「いる」を意味し、
現在形が sen
現在形の複数が zen
過去形が vihh
未来形が fef
活用は二人称では -s 、三人称では -t をつける。
ZpDICの辞書もぜひご活用ください!https://zpdic.ziphil.com/dictionary/509
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