今回はみんな大好き活用いっぱい動詞の回です。
5動詞
デナスティア語の動詞は原形(正式には「原形不定詞」。辞書に載っている形でもあるので動詞の辞書形)をもとに、主語の数(単数と複数で2つ)と人称(1~3で3つ)、そして時制(現在、過去、命令の3つ)、法(直接法と条件法の2つ)によって活用します。組み合わせは36通りですね。
なぜ命令が時制なのかとか、直接法と条件法はどちらかというと相の方が近いかもしれない(完了と未完了)、とかいう細かい話はとりあえず置いておきます。
さらに、能動と受動2種の分詞があり、それは単独で使用されるだけではなく形容詞的なものの語幹として使用される場合もあります(そしてこれも現在分詞過去分詞と呼んでいる作者)。
最低限必要な形に絞ると、準体法(一般的な名詞的な)の単数・複数、そして連体形的な(一般的な形容詞的な)もの、副詞的なものがあり。語幹用法と合わせると5種×2分詞で10あります。
そして、これらと原形不定詞を合わせると47種類なのですが。さらに、これらには常体と敬体があるので倍になります。いくつか省略しているので本当は100を超えますが、ほぼ使わないので今回は書きません。
(敬体を使う必要があるのは、それこそデナスティア王国に観光に行って、さらに貴族階級の方に会わないとまず使用しないしものすごく面倒だし不規則に別の動詞が担っている(食べる→召し上がる、みたいな)ことも多いので今回は常体だけに絞って解説していきます。いつかは書きたい)
あと、分詞は語幹プラス語尾の用法はほぼ形容詞みたいなものなので、語幹の作り方以外は次の形容詞回に回します。
6動詞の活用
まずはいきなりですが、以下の子音たちがすごく大事です。本当に大事です(大事なので二回言う)。二人称だけ語末形と語中形で分かれていますが、それを除けば常体の場合は数や時制、法を問わず人称ごとに子音が固定されています。
つまり活用された動詞(原形不定詞と分詞除く)は、最後の子音を見れば主語の人称がわかるということですね。便利!(自画自賛)
あくまで常体の場合なので、敬体では別の子音を使うのですがそれは略。
人称 | 語末 | 語中 |
---|---|---|
一人称 | -s | -s- |
二人称 | -k | -tz- |
三人称 | -t | -t- |
二人称だけ語末と語中で子音が変わります。全部これは常体なら共通なので本当に重要です(大事なことなので何度でも言う)。
それから、過去時制で必要になる緩衝母音も置いておきますね。こっちも大事です。
過去時制 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
緩衝母音 | -e- | -o- |
では次からは各種活用をざっくり見ていきます。まずは規則活用のお話から。大文字のCは子音字を指しています。もちろん、このCの前には何もつかない(つまりCが語頭の)可能性もあります。
原形が辞書に載っている形です(詳細は前述の通り)。
原形不定詞は、一部を除いてeで終わるようになっています。そしてこのeは読みません。直前が子音なら読むかもですが(そして子音の発音に影響を与える)……。ただ、原形不定詞の場合、直前が母音だったら「絶対に」読まないのでそこだけは注意してください。
単・複は現在時制(と命令時制)の単数・複数に該当する語幹で。過は過去時制の単数複数共通の語幹です。
そして、直が直接法で条が条件法です(それぞれ、直接法は「完了体」、条件法は「未完了体」とも。用語が不安定すぎる)。また、能分が能動分詞の語幹で、受分が受動分詞の語幹です(こちらもそれぞれ現在分詞過去分詞以下略)。
とりあえず活用表を書いておきます。命令時制は後で解説します。
(なんか表が変ですが、私には直せるスキルがありません)
(11/26:いい感じに直せました。ありがとうございます)
原形 | 直単 | 直複 | 直過 | 条単 | 条複 | 条過 | 能分 | 受分 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
-Ce | -Ce- | -Ceu- | -Cn- | -Cai- | -Ceu- | -Cain- | -Cast- | -Cent- |
-Cue | -Cu- | -Cau- | -Cn- | -Cai- | -Ceu- | -Cain- | -Cast- | -Cent- |
-Ca(e) | -Ca- | -Cau- | -Can- | -Cai- | -Ceu- | -Cain- | -Cast- | -Cent- |
-Caue | -Cau- | -Cau- | -Caun- | -Coi- | -Cou- | -Coin- | -Caust- | -Caunt- |
-Coe | -Co- | -Cuh- | -Con- | -Coi- | -Cou- | -Coin- | -Cost- | -Cont- |
-Cuoe | -Cuo- | -Cuh- | -Cuon- | -Coi- | -Cou- | -Coin- | -Cust- | -Cunt- |
-Cie | -Ci- | -Ciu- | -Cin- | -Cih- | -Ciu- | -Cihn- | -Cist- | -Cint- |
-Cuie | -Cui- | -Ceh- | -Cuin- | -Cih- | -Ciu- | -Cihn- | -Cist- | -Cint- |
がっつり書いてしまいましたが(どこがざっくりかというと解説はざっくりにします)、これがデナスティア語の規則活用動詞の活用表です。動詞の具体例はzp〇ICの田日辞書を見てください。
まずは分詞を無視して説明します。現在形は、直接法条件法いずれの場合も、直接その数と法の語幹の後ろに、先ほどの人称語尾の子音字をつければできます。
過去形の場合(全部「n」で終わっている)は、法を問わず上述の通り主語が単数の時は「e」、複数の時は「o」をつけて、その上で人称語尾をつけます。
ちなみに、原形不定詞が「-Ce」または「-Cue」の場合は、直接法過去時制だとその子音以降のuとかeとかが全部脱落していたりします。
命令時制は、法を問わず現在時制の人称語尾の後ろに「-o」をつけることで作れます。この時、二人称の「k」だけ「tz」に変わるのでちょっと注意です。
7動詞の用法
はい。雑に解説します。現在時制は現在か未来のことに使います(非過去ともいう)。過去時制は過去のことに使います。命令時制は以下の用途で使います。
一人称単数→意志
一人称複数→勧誘
二人称→依頼、命令
三人称→強い願い、望み。
二人称、依頼と書いてありますが。本当に依頼したい場合は動詞の前、というか文頭に「Co(これ、と同綴同音。なぜkoにしなかったのか自分でも謎)」を置く必要があります。語気緩和というやつです。
また、命令時制の前に否定の副詞「na」を置くと、禁止や、上記を否定したような意味合いを出すことができます。それ以外の形の動詞の前に置いたら、普通の否定文ができます(ちなみにCo na 命令時制で「~しないでください」といった依頼の意味になります)。
基本的に、普通は直接法を使うのですが、動作をのばして「している」、「しつつある」のような意味を表したい場合は条件法も使います。つまり進行形のような用法でも使います。あと、以下の場合は条件法が必須です。
①「もし~なら」や「~していると」のような条件節の主動詞
Fan jo kloik omle,もしあなたがリンゴを食べるなら、(kloikが該当)
②「~しているより」のような比較表現
Ja das mitoi al jo uapoik.私はあなたが思うよりかわいい(uapoikが該当)
(「健康な」という形容詞はまだ造語していないのです)
③「~していなさい」のように継続する命令
Kvaitzo sa.それを見ていなさい
④「~したり~したり」というタイプの並列
Si endaik, si mehdaik.あなたは笑ったり泣いたりする
わりとよく使われるので、避けて通れない道だったりします。
8不規則活用
不規則活用動詞(の一部)をまとめました。
原形 | 直単 | 直複 | 直過 | 条単 | 条複 | 条過 | 能分 | 受分 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
su | sui- | seh- | sn- | sih- | siu- | sihn- | sast- | sent- |
jaoe | jao- | juh- | jaon- | jai- | jeu- | jain- | just- | junt- |
nase | nase- | nasau(eu)- | nasn- | nasai- | naseu- | nasain- | nast- | nasent- |
su(する)
現在時制、命令時制は「-Cuie」の動詞と同じ活用。その他(過去時制、原形、分詞)は「-Cue」と同じ活用。
(11/26:活用の一部誤りを修正しました)
jaoe(持つ)
基本的に「-uoe」と同じ。ただし原形、直接法単数と過去が「-uoe」や「-uo」、「-uon」ではなく「-aoe」、「-ao」、「-aon」。しかも、条件法は「-ae」などと同じ「-ai」、「-eu」、「-ain」。これは「jaue:言う」と発音が衝突したため(私の設計ミスとも言えますが、自然言語でもこのくらいあるからいいでしょと開き直っております。ただ「-aue」という語尾自体、単数複数見分けられないというバグが)。
nase(作る)
基本的に「-Ce」。ただし、直接法の複数が「-au」と「-eu」どちらでもよいのが特殊(昔、動詞の活用体系が曖昧だった頃のなごり。つまりこれも作者のせい)。また、能動分詞幹が「nasast」ではなく「nast」。これには類似した事例が多数あるが、詳しくは次回。
動詞を検索したい時は、やはり名詞同様に語尾の方を少しずつ削っていけば何とかなります。はい。
古い順のコメント(3)
表が変なのは枠の整形を全角スペースでやっているためだと思います。記事はMarkdownという書式で動作していますが、半角スペースしか空白とは認識せず、日本語の全角スペースは普通の文字と同じだとみなされます。なので例えば
というのは実質
のように連続して文字が書かれているのと変わらない扱いを受けます。意味のない空白を入れたい場合は、下のように間を全部半角スペースで挿入してください(見た目はあまり変わらないかもしれませんが、選択するとわかります)。
今、本来の書式を使って表の文字揃えができないことに気づき、Migdal だけの問題ではないようなので、バグ報告をしました。
本当は、
このように書くと
このように表示されないといけないのですが、現状はそれができていないようです。解決までしばらく時間がかかるかもしれませんが、ご了承ください。
Markdown table columns don't align #18773
Describe the bug
I noticed that the table alignment feature does not work on Forem (neither on forem.dev).
To Reproduce
bin/startup
Expected behavior
Taken from github.com/adam-p/markdown-here/wi..., which is linked from the Markdown guide of editor UI.
Screenshots
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Additional context
ひとまず満足できる形にすることができました。いつもありがとうございます。