もともと、テー語は「むかし作っていたバター語と同語族・別語派に属する言語を、比較言語学の知識を活用してつくる」というコンセプトで始まったものである。しかし、わたしに音変化など比較言語学の知識がなさすぎて、自然な言語変化を作り出すのにどうしても限界を感じてしまった。そこで、しばらくはまったく別系統の言語を作って休憩し、勉強が進み次第テー語の制作を再開することにする。
設定としては、ヌー大陸(バター国などがある。パンガーテー国とがあるセンキー大陸とは別)の東らへんにある国(国名未定)で用いられている言語で、やはりヌテラ教国である。
言語名は「バエグルェッ語」(Iā-baé-ngréʷt)とする。baé-ngréʷtの意味は未定である。
以下、音韻体系だけメモ
声母
ph [pʰ] b[b] bh[bʱ] m[m] pr[pɹ] phr[pʰɹ] w[w~v]
t[t] th[tʰ] d[d] n[n] s[s] sh[ʃ] r[ɹ~h] l[l] ts[ts] tsh[tsʰ] c[tʃ] ch[tʃʰ]
j[j]
k[k] kh[kʰ~x] g[g] gh[gʱ] ng[ŋ] kw[kʷ] kr[kɹ] khw[kʰʷ~xʷ] khr[kʰɹ] ngw[ŋʷ] ngr[ŋɹ]
h[h] hh[ɦ]
備考
・/b/は*ɓに、/bh/は*ɓC(詳細未定)に由来する。/g/と/gh/も同様。
・*tと*dは/t/および/th/に合流した(声調によりどちらに合流したか異なる)。他の阻害音も同様。ただし、*p, *bはその変化のあとにさらに/w/に合流した。
・若年層では/b/と/bh/、/g/と/gh/の区別があいまいになり、どちらも有声無気音で発音する話者が増えている。
・若年層には/r/を/h/と同様に発音する人が多い。
・/kh/は多くの方言で[x]となっているが、共通語ではいまだ[kʰ]である。地方の話者が共通語を話すときに/kʰ/が[x]となることが多い。/khw/も同様。
韻母
単母音
a[a] eʲ[ɛ~e] eʷ[œ~ø] i[i] uʲ[y] aⁿ[ã] eʷⁿ[ø̃] iⁿ[ĩ] uʲⁿ[ỹ]
e[ə~ɤ] eⁿ[ẽ]
o[ɔ] oʷ[o] u[u] oⁿ[õ] uⁿ[ũ]
二重母音
ai[ai] ei[ei] eu[øy] ia[ia] ie[iə] ae[əe] iaⁿ[ĩã] ieⁿ[ĩẽ]
ou[ou]
eo[eɯ] io[io] iu[iu] ua[ua] ue[uø] ui[uy] iuⁿ[ĩũ] uaⁿ[ũã] ueⁿ[ũø̃]
単母音+末子音
末子音…-p -t -k -m -n -ng[ŋ] -h[ʔ] -ʰ[h]
am[am] an[an] ang[aŋ] ap[ap] at[at] ak[ak] ah[aʔ] aʰ[ah] aⁿh[ãʔ]
aam[aːm] aan[aːn] aang[aːŋ] aap[aːp] aat[aːt] aak[aːk] aaʰ[aːh]
em[em] en[en] ep[ep] et[et] eʲh[eʔ] eⁿh[ẽʔ]
eem[ɛːm] een[ɛːn] eeng[ɛːŋ] eep[ɛːp] eet[ɛːt] eek[ɛːk]
eʷm[øm] eʷn[øn] eʷng[øŋ] eʷt[øt] eʷk[øk] eʷh[øʔ] eʷʰ[øh]
im[im] in[in] ing[iŋ] ip[ip] it[it] ik[ik] ih[iʔ] iʰ[ih] iⁿh[ĩʔ]
iim[iːm] iin[iːn] iing[iːŋ] iip[iːp] iit[iːt] iik[iːk]
uʲm[ym] uʲn[yn] uʲng[yŋ] uʲp[yp] uʲt[yt] uʲk[yk] uʲh[yʔ] uʲʰ[yh]
eng[əŋ] ek[ək] eh[əʔ] eʰ[əh]
on[on] ong[oŋ] ot[ot] ok[ok] oh[oʔ] oʰ[oh] oⁿh[õʔ]
oon[ɔːn] oong[ɔːŋ] oot[ɔːt] ook[ɔːk]
un[un] ung[uŋ] ut[ut] uk[uk] uh[uʔ] uʰ[uh]
備考
・-p, -t, -kは*-b, *-d, *-gに、-ʔは*-p, *-t, *-kに由来し、-hは*-s, -z, -ɹに由来する。
・鼻母音は*-n、-nは*-jおよび*-lに由来する。
・母音の長短の区別は、もともとは母音の質の違いによって生じた。そのあとになって*Vn > Ṽの変化が生じ、*a, *e, *iについて、Vが長母音の場合はṼに、短母音の場合はṼʔとなった。
二重母音+末子音
iam[iam] iang[iaŋ] iap[iap] iak[iak] iah[iaʔ] iaʰ[iah]
iem[iəm] ien[iən] ieng[iəŋ] iep[iəp] iet[iət] iek[iək] ieh[iəʔ] ieʰ[iəh]
iung[iuŋ] iuk[iuk] iuh[iuʔ] iuʰ[iuh]
uan[uan] uang[uaŋ] uap[uap] uat[uat] uak[uak] uah[uaʔ] uaʰ[uah]
uem[uøm] uen[uøn] uet[uøt] ueh[uøʔ] ueʰ[uøh]
成節子音など
m[m] ng[ŋ]
iʷ[ɿ] uʷ[ʮ] iʷe[ɿe] iʷa[ɿa]
※iʷ, uʷの起源については検討中である
声調
1 â 343 2 ā 55 3 á 35 4 à 32 5 a 33 6 ah 3 7 aàt 41 8 áh 5
連続変調
1+1→5+1
1+(1以外)→3+(1以外)
備考
声調は末子音*-h, *-ʔの消失によって生じ、阻害音の無声・有声の区別の消失によって分化した。
辞書
https://zpdic.ziphil.com/dictionary/3690
ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。
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