目次
1. 方針
2. 文の構造1
3. 内容詞
4. 機能詞
5. 感情詞
6. 文の構造2
7. 機能詞alとその周辺
8. 冠詞的機能詞
9. 修飾について
方針
u_langは論理性を重視した言語で、文法はロジバン等の言語に近いです。
例えば格は存在しません。
文の構造1
文を構成する単語は内容詞と機能詞と感情詞で構成されます。
内容詞はその名の通り文の内容、意味を表す品詞で、機能詞は文法機能を担う品詞です。また感情詞は発語者の感情や意志を表します。
もっともシンプルな単文は
(内容詞) al
の形で構成されます。
“al”はil、ul、el、olでも構いません。
(使用優先順位はal>il>ul>el>ol)
内容詞
その名の通り文の内容、意味を表す品詞です。
母音から始まります。
“l”の音を含みません(外来語を除く)。
全て述語のような形をしています。
ここからはわかりやすいように例を使って解説していきます。
まず、
ex1) A al
ex1のような単文があったとします。
Aが内容詞で、alが機能詞ですね。
u_langの“A”は日本語では“Aをする”という意味だと定義します。
するとex1は日本語では「Aをする」という意味になります。
最もシンプルな述語のみの単文は理解できたと思います。
ここで、疑問が出てきます。
内容詞は述語しか表せないのにどうやって名詞的な意味を表すの?
例えば主語です。述語が手に入ったら主語も欲しくなると思います。
そこでu_langでは機能詞を使って主語等に当たるものを表します。
機能詞
次に主語等を機能詞を用いて表す方法を紹介します。
Aと同様にBを定義します。
u_langの“B”は日本語では「Bする」となります。
ex2)A ra.faraBil al
ex2は日本語では「BするものはAする」などと訳せます。
ex2を分解してみましょう。
ex2は A / ra.faraBil / al にまず大きく分解できます。
また、ra.faraBil は
ra / . / fa / ra / B / il にさらに分解できます。
“.”はただの単語の区切りをみやすくするための飾りみたいなものですが、それを除く最終的に分解されたもののA,B以外は全て機能詞です。
では各々にそれらはどのような意味を持つのでしょうか。
単語 | 意味 |
---|---|
al il | 内容詞の適用範囲を示す |
ra | 内容詞の第1引数であることを示す |
fa | 内容詞の引数を取り出す |
1つずつまた解説していこうと思います。
しかしその前にex1の単文についてもう一段階詳しく理解してもらう必要があります。
ex1)A al
1度ex1のこの単文をプログラミングにおける関数のように思ってください。(“引数”という言葉もそこからきています)
ex1をPythonのprint関数に例えて理解してみましょう。
“A” がprint()の “print(” で
“al”が“)”に当たります。
Aがprintという関数の意味を伴って現れ、
alがカッコを閉じることによってprintする範囲を示します。
だから、
ex2)A ra.faraBil al
の “ra.faraBil” はprint関数の引数-printするものだとわかります。
ところで、もう気が付かれかたもいるかもしれないのですが、pythonでもいくつかの種類の引数をとりうる関数があるように、u_langでもいくつかの種類の引数をとりうる関数があるはずです。そしてそこでその引数の種類を区別する必要が出てきます。
例えば日本語で「私はトランペットを吹く」という文があったとき、“(引数:主語)が(引数:楽器)を吹く”みたいな内容詞があればいいなと思われると思います。
AがBを吹く。
AとBとの区別がなく“吹く()”という関数の()に入れられてしまっては、AとBのどっちが吹くのか吹かれるのかわかりません。「トランペットが私を吹く」みたいなことが成立してしまいます。
そこであるのが
ra ri ru re ro (もしくはraa rii rai ruu…) です。それぞれ第1引数、第2引数、第3引数...を示すマーカーです。
例えば
ex2)A ra.faraBil al
の“ra”は“faraBil”が内容詞Aの第1引数であることを示します。
ここで(ここまでずっと違和感を感じていた方もいらっしゃるかもしません)“A”の定義を拡張します。
ulangの“A”は日本語で「Aする」という意味である が前の定義でした。
新しく、
u_langの“A”を (引数1)をAする
と定義します。
するとex2は理解可能です。(今までの定義では理解不可能なはずでした。すみません。説明しづらかったんです。)
残るは “fa” のみです。
表の説明には「内容詞の引数を取り出す」と書いてあります。どういうことでしょうか。
例えば、“A” の引数は「Aする(主語)」でした。Aにつくとこれを取り出します。つまり、具体的には“faraAal”は「Aする(主語)」を意味するのです。 あれ? faとAの間にある “ra” はなに?
この“ra”はAの引数のなかでも第1引数を取り出すということを示します。先ほどの話と同様、取り出すのにもどの引数を取り出すか明示する必要があるのです。
まとめると“faraBil”のようなものは
fa(取り出しマーカー)+ra(どの引数を取り出すか)+B(内容詞)+il
と構成されるわけです。
これで単語さえわかれば日本語文の主語述語目的語等に値するものを含む文をulangで作文できるようになりましたね♪
(他にも特殊な文:修飾語に値するものを伴う文等 も存在しますのでこの先もいくらでもu_lang学習を進めることは可能です)
感情詞
すみません。まだ整備されていません。
この先に乞うご期待(2023/8/18)
文の構造2
コピュラについて
(引数1)が(引数2:スポーツ)をすると内容詞Cを定義します。
“C al”
とあると「なんらかのスポーツをする」と訳せます。
“fa.riCal”
とあるとこれだけでは不十分ですが「なんらかのスポーツ」と訳せます。
ところで名詞のように(「スポーツをする」という概念)を表すにはどうすればいいのでしょうか。つまり「(引数1)はスポーツをするということである」という内容詞はどうやって作ればいいのでしょうか。なぜこう言う疑問が出てくるかと言うと、先の内容詞をC’とするとCとC’は一対一で対応するわけです。また、全ての内容詞にそれと対応するものが存在するので逐一別単語として作っていては非効率でもっと楽な手段が存在すると考えられるからです。それが“cu”です。“cu”をCの前につけるとC’になります。
よって、
cu.C ra.faraAil al
は「AするものはCである。」と訳せます。
ここで、、自己紹介をしたくなりませんか?「私は(名前)である」と言いたくはないですか?
このとき「(名前)である」という意味合いの内容詞を作ってもいいですが、それってcu要素が既に1段階入っちゃってませんか?あと仮にそういう内容詞をつくるとして「(名前)である」というのを一々どう定義するのでしょう。自己紹介に問題ありありですね。
またそこで“cu”を使います。非常に具体的な例を紹介しましょう。
cu.laas.iuu ra.lasfaraAil al
※ただしAは「(引数1)は私である。」という内容詞だとする。
直日本語訳:私らしきものはiuuである。
自然な日本語訳:私はiuuである。
また単語に分解して解説します。
cu / laas / iuu / ra / las fa ra A il al と単語に分解できます。
単語 | 意味 |
---|---|
cu | コピュラ的内容詞化マーカー |
laas | 外来語マーカー |
iuu | 外来語(名前) |
las | 現実との対応付けマーカー |
cuをつけることによって“laas.iuu”という何かわからないものは「(引数1)はlaas.iuuである。」という内容詞になるのです。
このようにしてulangはコピュラの働きをするのです。
さてこのコーナーの本題の解説はひとまず終わりましたが「現実との対応付けマーカー」とはなんでしょうか。
実はu_langは具体的に現実のものを指すときは“las”をつけるのです。どういうことかというと、「私」とは私という概念を指して一般論を語るなどするのではなく現実の具体的な「私」を指していっています。このような違いをulangは区別し、そのために“las”を用いるのです。
どうでしょう、もうある程度喋れるようになったのではないでしょうか。基礎完了はあともう少しです。
ここまで読んでくれてありがとう!
まだ記事は完成していませんがキリがいいので一旦ここで公開します。
2023/8/18
Oldest comments (4)
長文失礼します。
面白いですが、解説が難解ですね。お手数ですが、以下に示す文の真偽をお教えいただき、偽の場合はご説明をいただけると助かります。
前提として、勝手な取り決めをさせてください。
ここからが本題です。
是非とも、よろしくお願いいたします。
本言語に興味を持ってくださり、またご質問をくださりありがとうございます。言語を共有できたこと、反応をいただけたことに感動しています。
解説が苦手なのでご質問は非常にありがたいです。
解説にないことに関するご質問もありますので解説に書かなかったことも含めて真偽その他を判断いたします。
2 3 4 6(人と限らなければ) 7 8は真で、
1 10は偽、5 9は判断できません。
1,10についてお話しいたします。
1 について
[文]は必ずしもその形をしているわけではなく、あくまでもっともシンプルな単文がその構造をしているだけです。この点に関してはまたもう少し詳しく解説を書く予定です。
10について
lasがかかるのはfaraFilのところで、また「ra格に代入」するのはlasfaraFilということから、
lasrafaraFil→ra.lasfaraFil
となります。(Gに関しても同様です。)
5, 9について
5はなぜ判断できないかといいますと私はそうしているのですが、そうとは現状私の言語では明確にそう定めているわけではないからです。al, il, ul,…のどれを選ぶかによって見た目の構造の美しさは大分変わると思うのですがそれがどう依存するのかはっきりとはわからないので、おっしゃる通りにしていくつもりですが、そうは定めていません。
9は、名詞句のデフォルトは総称というわけではないからです。「一般論語るなどする」という解説が少し分かりづらかったかもしれません。すみません。また修正します。別につけなくとも文としては(意味も含む)成立するのですが、今回は定性を「強調」したいというのが私の書いた日本語文にあったためにこう記述しました。(「全ての〜」等を表すマーカーも存在します。)
また気になる点がございましたらご質問くださると幸いです。
なるほど、理解が深まりました。ありがとうございます。
(本)動詞と専用機能語とで「内容詞の適用範囲を示す」という発想、私が作る多くの言語で創出している必須コピュラ+(本)動詞ペア文構造、特に其のうち幾つかの言語で導入している必須コピュラ+(本)動詞ペア文構造という常套手段と非常に近似するところがありますね。興味深く、とても良いと思います。